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疲れ目にサンコバ点眼液は効くか?
公開. 更新. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約2分2秒で読めます.
124 ビュー. カテゴリ:眼精疲労の主な原因

「目が疲れた…」「ピントが合いづらい」「なんとなくぼんやりする」――それは眼精疲労かもしれません。
目の疲れを軽く考えていると、頭痛や肩こり、集中力の低下まで引き起こすこともある。
眼精疲労は単なる「目の疲れ」とは異なり、休んでも回復しない慢性的な疲労感を伴います。原因はさまざまですが、大きく分けて以下のようなものが考えられます。
・長時間のパソコン・スマホ作業
・ピント調節の酷使(老眼・近視・乱視など)
・ドライアイ(涙の質や量の低下)
・ストレスや睡眠不足
・眼瞼下垂や眼筋麻痺などの器質的異常
・不適切なコンタクトレンズ使用
サンコバ(シアノコバラミン)と眼精疲労
サンコバは、ビタミンB₁₂を主成分とする点眼薬で、眼精疲労の原因の一つ「調節麻痺型(目のピントを合わせる機能の低下)」に効果があるとされています。
添付文書の効能効果には「調節性眼精疲労における微動調節の改善」とあります。
サンコバの作用は以下の通りです。
・毛様体筋(ピント調節を司る筋肉)の神経を賦活
・神経細胞のエネルギー代謝を高め、目の疲れを緩和
ただし、すべての眼精疲労に効くわけではありません。調節麻痺型でない場合(例:調節痙攣型やドライアイ型)には、別の治療が必要です。
眼精疲労はタイプに応じて、以下のような点眼薬が使われます。
調節麻痺型
→ サンコバ、ネオスチグミン:神経を活性化してピント調節を補助
調節痙攣型
→ トロピカミド:調節緊張を一時的に解除(ピント調節を休ませる)
ドライアイ型
→ 人工涙液や角結膜保護剤:涙の補充と目の表面の保護
内服薬のビタミンB₁₂であるメチコバールには眼精疲労の適応はなく、アデホスコーワに「調節性眼精疲労における調節機能の安定化」という適応がある。しかし、アデホスを疲れ目に処方する眼科医を見たことは無い。
目の疲れには温める?冷やす?
症状に応じて使い分けましょう。
温める(蒸しタオル・湯気)
→ 血行促進、毛様体筋の緊張緩和、リラックス効果
→ 特に、パソコン作業後や緊張型の疲れにおすすめ
冷やす(冷シート・冷タオル)
→ 炎症の軽減、目の充血・腫れの対処、爽快感
→ 夏場や目の熱っぽさが気になるときに有効
眼精疲労の背後に病気が隠れていることも?
・眼瞼下垂:まぶたが垂れて視野が狭くなり、無理に目を見開くことで眼精疲労が悪化。ハードコンタクトの長期使用や加齢が原因。
・眼筋麻痺:物が二重に見える「複視」を伴う場合は要注意。糖尿病や脳梗塞などの神経障害が背景にあることも。
・眼瞼けいれん:まぶたの痙攣やまぶしさを感じる場合、睡眠薬の副作用やストレスが原因となることもあります。
これらの場合は、単なる疲れ目とは異なり、眼科や脳神経外科の受診が必要です。