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ランタスの空打ちは3単位?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約3分32秒で読めます.
2,498 ビュー. カテゴリ:空打ちの単位数
インスリン製剤の空打ちの単位数は基本的に「2単位」と覚えている。
しかし、中には「3単位」の空打ちが必要な製剤もある。ランタスXR注である。
ランタスXRは、既存のランタス注100単位/mLに対して、製剤中の濃度を300単位/mLに3倍にした薬剤である。濃いのである。濃度を3倍濃くした分、薬価も3倍かというとそうではないので、ランタスからランタスXRへの変更は経済的にもメリットがある。バイオシミラー対策でもある。
ランタス注と比較して低血糖の発現が少なく、投与時間をより柔軟に設定できる、より少ない注射液量で同じ単位が投与可能なため、Basalインスリンを高用量必要とする患者に適している。
ランタスよりもランタスXRのほうが持続的に働く。注射液量が3分の1になると、その表面積は約2分の1になる。
注射液と皮下組織の境界の面積が減少すれば、それだけ血中への移行も緩徐になるという理由だ。
ランタス注ソロスターは1単位が0.01mLだが、ランタスXR注ソロスターは1単位が0.0033mL。
濃い分、空打ちの薬液量が必要ということで、空打ちの量的にはランタス注ソロスターが0.02mLなのに対し、ランタスXR注ソロスターは0.01mLとなっている。3単位でも薬液量的にはランタスより少ない。
GLP-1作動薬の空打ち
投与量の微量調節が必要なインスリン製剤では空打ちが必須であるが、GLP-1受容体作動薬では必ずしも要求されないという。そのため、空打ち不要な製剤もある。
空打ちを行う理由としては、
①カートリッジ内や注射針内にある気泡を取り除くため。
②注射針や注射器が正しく使用できるか確認するため。
といった理由もあるため、全ての注射剤で行った方が良さそうな気もするが、メーカー指示に従う。
ビクトーザ:毎回空打ち専用目盛りに合わせて0.12㎎空打ち
バイエッタ:使い始めの1回だけ
リキスミア:毎回空打ち専用目盛りに合わせて空打ち
トルリシティ:空打ち不要
オゼンピックSD:空打ち不要
オゼンピック2㎎:使い始めの1回だけ
週1回製剤では不要の傾向。
各製剤によって空打ちの要不要が異なるので、注意しよう。
インスリン製剤は100 単位/mL
ランタスXR注が出るまでは、市場にあるインスリン製剤は全て100 単位/mLでした。
しかし、歴史をさかのぼると、様々な濃度で販売されており、100 単位/mLに統一されたのもさほど昔の話ではない。
市販インスリン製剤のインスリン濃度は、1922 年に10 単位/mL、1923 年に20 単位/mL、1924年に40 単位/mL、1925 年に80 単位/mL の製剤が各国で作られ、その後40 単位/mL と80 単位/mLの2 種類の製剤が長く併存して発売されていた。
しかし以前から、2 種類の濃度の製剤では投薬ミスの可能性が多くなることや、非10進法では計算が煩わしいことが指摘されており、IDF(International Diabetes Federation、国際糖尿病連合)が100 単位/mL 製剤へ統一するという結論を出したことで世界的に移行した。
日本でも2003 年3月に「40 単位/mL」製剤が経過措置品目として官報に告示され、2003 年6月に40 単位/mL 製剤の出荷中止、2004 年4月からは薬価削除となり、100 単位/mL 製剤のみに統一された。
今後他社からも100 単位/mL以外の製剤が販売される可能性もある。調剤ミスも含め、注意が必要だ。
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2 件のコメント
もし可能なら、インスリンなどの糖尿病薬以外の製剤も空打ちが必要か不要か教えて頂けたらと思います。
前に調べたときにフォルテオは毎回でしたが、バイオシミラーのテリパラチドBS「モチダ」は初回のみという感じだったのでどのように調べたらと思いながらでした。
コメントありがとうございます。
調べてまた記事にしたいと思います。