2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ネオーラル1日1回?

ネオーラルの用法

免疫抑制剤のネオーラル(シクロスポリン)には様々な効能効果があります。

それぞれの用量は「1日量5mg/kg」「1日量6mg/kg」「1日量9~12mg/kg」「1日量14~16mg/kg」「1日量10~15mg/kg」「1日量6~12mg/kg」などなど、病名によって微妙な違いがあります。

しかし、用法については、すべて「1日2回に分けて」と、添付文書上は1日2回という用法が決まっています。

シクロスポリンの血中濃度は、投与して2時間でピークに達し、12時間で下がり、再び投与すれば2時間でピークになり、12時間で下がるということを繰り返します。

しかし、1日1回の投与で良好にコントロールできたという報告もあるため、実際の処方では1日1回という用法がくることもあります。
しかし、原則は1日2回。

ただひとつ、効能効果「細胞移植に伴う免疫反応の抑制」の用法は、「再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。」という記載になっている。

細胞移植に伴う免疫反応の抑制

この再生医療等製品というのが、「サクラシー」という「角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減」に使われる口腔粘膜由来上皮細胞シートのことらしい。

サクラシー「ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート」- ひろさきLI株式会社 (hirosaki-li.co.jp)

角膜上皮幹細胞疲弊症とは何ぞや、とか詳しいことは置いておいて、サクラシーの添付文書を読むと、シクロスポリンの使い方が書いてある。

原疾患が眼類天疱瘡以外の場合にはシクロスポリンとして1日量2~3mg/kgを術翌日から経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
原疾患が眼類天疱瘡の場合には、シクロスポリンとして1日量2~3mg/kgを術翌日から経口投与及びシクロホスファミド(無水物換算)として50㎎を1日1回、術翌日から経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

シクロホスファミドとして50㎎を1日1回という記載はみられる。

しかし、シクロスポリンの用法については詳しい記載はない。1日1回でも良いということになる。

なかなかお目にかかるケースは無さそうだが、薬の添付文書を読むだけではわからないような用法用量だと、薬歴に書き残す必要もありそうだし、なんだか。

「再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。」というのは、ノバルティスが、「うちらの責任じゃねえから」と言っているようで、なんだか。
転記するだけでもいいから、ネオーラルの添付文書にも書いてくれたらいいのにね。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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