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子宮内膜症は子宮の内側の病気?
公開. 更新. 投稿者:月経/子宮内膜症.この記事は約7分28秒で読めます.
3,544 ビュー. カテゴリ:子宮内膜症の発症部位
子宮内膜症は子宮にできるんでしょ?
子宮内膜症について、私のような男性は知識が乏しい。
子宮内膜症という病名だけでイメージしてしまったり、「生理の重いバージョンでしょ」という程度にしかわかっていなかったりする。
そもそも「子宮内膜症の発症部位は子宮ではない」という所から知らない人は多い。
子宮内膜症とは、本来、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、子宮以外の場所(卵巣・ダクラス窩・S状結腸・直腸・仙骨子宮靱帯・腟・外陰部・膀胱・腹壁・へそなど)にできる病気です。
子宮内膜という血の塊が子宮以外にできるから激痛が走るわけです。
子宮内膜症の好発部位は、卵巣が50%、子宮と直腸の間のダグラス窩腹膜が40%、仙骨子宮靭帯が20%、などとなっています。
子宮以外の場所にできた子宮内膜も、本来の子宮の周期と同じような変化が起こります。
つまり、月経期になると子宮以外の場所にできた子宮内膜も剥離・出血しますが、血液や内膜を体外に出すことができず、体内に溜まります。結果、チョコレート嚢胞ができたり、諸臓器との癒着が起こります。
生殖年齢の女性のおよそ10%に子宮内膜症があると考えられています。妊娠したことのない女性に多いことも知られています。原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に達して増殖するという説が最も有力視されています。
その他に生まれつきという説もあります。
病理学的には良性であるにもかかわらず、本来は子宮内腔に存在するはずの内膜組織が異所性に増殖・浸潤し、周囲組織と強固な癒着を形成することから、類腫瘍性の性格をもつ奇異な疾患です。
本来、子宮内膜症の確定診断は直視下に行うこととなっているため、開腹あるいは腹腔鏡下手術が行われないと診断がつかない。
そのため、「生理が重い」=「子宮内膜症」と疑って治療している例がほとんどである。
だから、「子宮内膜症ですか?」と患者に聞いても、はっきりと告げられていなかったり、可能性を指摘されているだけのことも多いので、曖昧な返答になる。答えてくれないこともあるが、男性薬剤師だからという理由だけではないことも知っておこう。
子宮内膜症患者は増えている
子宮内膜症は、一般に初経後から発症し、40歳代後半の閉経期を迎えると減少することから、その発生には卵巣ホルモンであるエストロゲンが大きく関与する。
子宮内膜症は、初経以前にはなく、発症後も妊娠や閉経により軽快する疾患であることは周知の事実でした。
1940年代に女性ホルモン依存性疾患と判明。
「子宮内膜または類似組織が子宮以外の場所で増殖し、不妊や月経痛などの症状をもたらす疾患」と定義。
卵巣や腹膜など、子宮外でも月経周期で増殖・剥離を繰り返し、病巣の炎症や癒着により慢性的な痛みを伴います。
性成熟期の女性のおよそ10%に発生。
近年、増加傾向にあります。
これは初経年齢の低下、少子晩婚化、閉経の高齢化などで、エストロゲンの曝露期間が長くなったため。
子宮内膜症は、薬物療法では再燃を繰り返し、子宮・付属器を摘出する根治手術以外には閉経まで治らない慢性疾患です。
子宮内膜症と子宮内膜増殖症の違いは?
厚労省がエストロゲン製剤の「使用上の注意」の改訂を指示:DIオンライン
厚生労働省は2月19日、更年期障害や閉経後骨粗鬆症などに使用する、卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤について、添付文書を改訂し、「禁忌」の項に、「未治療の子宮内膜増殖症のある患者」を追記するよう指示した。さらに、「重要な基本的注意」の項に、同薬を投与している患者に、定期的に婦人科検診を行う旨も追記するよう求めた。
子宮内膜増殖症と子宮内膜症。
同じようなものかと思ってしまいました。
子宮内膜増殖症 – Wikipedia
子宮内膜増殖症は、子宮内膜が過度に増殖した状態をいう。
子宮内膜症 – Wikipedia
子宮内膜症は、子宮内膜やそれに類似した組織が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内で増殖する疾患。
子宮内膜が「子宮内以外の場所で」増殖するのが、子宮内膜症。
子宮内膜が「子宮内で」増殖するのが、子宮内膜増殖症。
子宮内膜症とロイコトリエン
子宮内膜症による疼痛の改善に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)では無効のことがある。
子宮内膜症の炎症の発症や進行にはロイコトリエンが関与していることから、ロイコトリエン受容体拮抗薬であるモンテルカストナトリウムが、適応外で使用されることがある。
子宮内膜症の痛みはロイコトリエンが原因
子宮内膜症は、本来は子宮内腔内にのみ存在する子宮内膜細胞が骨盤腔にのみ存在する子宮内膜細胞が骨盤腔などで増殖し、疼痛などを生じる疾患。
病変から産生されるプロスタグランジン(PG)が、平滑筋収縮などを介して疼痛を起こすとされ、PG合成酵素阻害作用を持つ非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)が疼痛の緩和に用いられる。
だが、患者の10~30%はNSAIDsが無効である。
NSAIDsが効きにくい患者では必ずしも月経血中のPG濃度が高値ではなく、その一方で、月経痛の強い患者の子宮内膜においてはロイコトリエン(LT)の増加が認められる。
子宮内膜症を免疫学的な慢性炎症性疾患としてとらえると、PGと同じアラキドン酸由来の炎症性メディエーターであるLTが疼痛に関与している可能性があり、LT受容体拮抗剤が症状を改善し得ると考えられる。
女性ホルモンの働き
男性は1種だけですが、女性は2種類のホルモンに支配されます。
月経周期は、卵巣(卵胞期、黄体期)、子宮内膜(増殖期、分泌期)、基礎体温(低温期、高温期)に区分。
排卵を境にして激変します。
①間脳の視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH:別称LH-RH)が分泌。
②この刺激で下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌。卵巣では約20個の幼若卵胞が生育を開始します。
③卵胞が成熟すると、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌し、子宮内膜が徐々に増殖。
④エストロゲン分泌がピークに達すると、視床下部にポジティブ・フィードバックがかかり、下垂体前葉から黄体形成ホルモンが多量に放出(LHサージ)され、一番大きな卵胞が放出されます(排卵)。
⑤排卵後、卵胞は黄体に変化し、多量の黄体ホルモン(プロゲステロン)とエストロゲンを分泌。
⑥プロゲステロンが体温調節中枢に作用して基礎体温を高温期に、またエストロゲンで増殖した子宮内膜を水分貯留作用により柔らかい着床に適した環境に変えます。2週間で1mmから1cmまで増殖(細胞分裂)する細胞は、ほかにはありません。
妊娠すると、多量に分泌されたプロゲステロンが乳腺発育を促進。
エストロゲンは、閉経前は卵巣から分泌。
閉経後は副腎由来のアンドロゲン(男性ホルモン)がアロマターゼにより変換。
子宮内膜増殖作用、体温降下作用、骨吸収抑制作用のほか、抗動脈硬化作用があるので、女性は動脈硬化や心筋梗塞になりにくいです。
反面、低エストロゲン状態は骨粗鬆症や高脂血症を、高エストロゲン状態は乳がんや子宮体がんを惹起する危険性があります。
妊娠中、エストロゲンが増加しているのに子宮内膜増殖が顕著でないのは、プロゲステロンがエストロゲンの作用を抑制しているため。
妊娠しなかった場合、黄体は2週間で退縮して白体になります。
エストロゲンとプロゲステロンが激減し子宮内膜を維持できなくなると出血とともに一気に剥離します(月経)。
ホルモンが一定レベルまで低下すると、視床下部から再びGnRHが分泌され、次の性周期が始まります。
子宮内膜症の原因は月経血の逆流?
子宮内膜症の原因については未解明の部分が多いですが、一つの説として、「月経血の逆流による移植説」があります。
月経血の排出が障害されている状態で好発し、無月経ではまれなことから、月経血の逆流によって子宮内膜細胞が腹膜や卵巣表面に生着したという説です。
しかし、90%以上の女性で逆流が起こるのになぜ子宮内膜症を起こすのは一部なのか、月経血内の内膜組織は変性した物なのに腹膜に生着するのかという疑問があります。
生理で気胸になる?
月経随伴性気胸という変わった気胸があります。
これは生理の前後に発症する気胸です。
月経随伴性気胸の原因は、子宮内膜症が横隔膜に広がり、生理のときに横隔膜に穴が開くことにより空気が胸腔に空気が入り気胸となる、あるいは肺に子宮内膜症があり生理に際して穴が開くことが原因であると考えられています。
気胸は女性には比較的少ないので、女性が気胸を起こしたときは、月経随伴性気胸の可能性を考えておかなくてはなりません。治療は外科療法かホルモン療法を行います。
生理で血便が出る?
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側だけに存在するはずの子宮内膜組織が、卵巣や卵管など子宮の内側以外のところで発生して増殖する病気です。
子宮以外の場所には、子宮内膜組織が排出されるところがないため、出血した血液はその部分にたまってしまい、様々な症状を引き起こします。
子宮内膜症が最も多く起こるのは卵巣ですが、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を支える靭帯)、膀胱子宮窩(膀胱と子宮の間のくぼみ)にもよく起こります。
その他まれにですが、へそや肺、胃や腸など、骨盤外に子宮内膜ができることもあります。
以前は、これらの全てを子宮内膜症と呼んでいましたが、現在では、「骨盤内に子宮内膜組織ができたもの」だけを子宮内膜症と呼ぶようになっています。
それで、腸にできた子宮内膜症を腸管子宮内膜症と呼びます。
腸に子宮内膜症ができると血便が出ます。
生理時にのみ血便が出るという人は、痔ではなく子宮内膜症の可能性があります。
子宮はエストロゲンの鏡
子宮は、卵巣から分泌されるエストロゲンの値を敏感に反映する鏡である。
経膣超音波検査で、最初に観察するのは子宮の矢状断である。
子宮内膜はエストロゲンの分泌状態を最も敏感に反映する。
エストロゲンの分泌により子宮内膜は厚くなり、次第に木の葉状を呈する。
子宮内膜の暑さとパターンは直近のエストロゲン分泌状態を示す。
一方、子宮容積は、経膣超音波検査では子宮矢状断の面積として描出され、長期間のエストロゲンの分泌状態を反映する。
長期間にわたりエストロゲンの分泌が低下すると、子宮は萎縮して小さくなる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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