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セルベックスを飲むと森林浴と同じ効果?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分13秒で読めます.
4,541 ビュー. カテゴリ:テプレノン
セルベックスの成分であるテプレノンが、森林浴と深い関係があるという。
森や林など樹に囲まれて、すがすがしい気持ちになったことがあると思います。この森林浴の作用は、フィトンチッドの効果によるものといわれています。
フィトンチッドとは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質のことです。 植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のこと。
マイナスイオンはよく聞きますが、フィトンチッドは初めて聞いた。
テプレノンはこのフィトンチッドと同じテルペン系の揮発性物質なのだそうだ。
ヒノキが虫除けになるのもこのフィトンチッドの殺虫効果によるものだという。ヒノキチオールもフィトンチッド。
きっと、テプレノンを飲むよりも、森林浴をしたほうが体には良いのだろうな。
間質性肺炎にセルベックス?
イレッサ(ゲフィチニブ)などの間質性肺炎の予防目的で、まれにセルベックス(テプレノン)が処方されることがある。
イレッサは胃内pHにより吸収が変動するため、胃内pHを変動させない胃薬として処方されることも多いが、セルベックスが間質性肺炎を抑制するといった効果が一部で報告されており、その目的で投与する医師もいる。
最近我々は、イレッサが細胞内の熱ショックタンパク質(HSP)70を減らすことを発見しました。また我々はマウスを用いて、イレッサ依存に肺線維化を起こす系を確立し、このモデルにおいてもイレッサ依存に肺のHSP70量が減少すること、及びHSP70過剰発現マウス(イレッサによるHSP70減少が起こらないマウス)では、ゲフィチニブによる肺線維化も起こらないことを見出しました。さらにHSP70の産生を増やす薬(セルベックス)を投与したマウス でも、イレッサ依存の肺線維化が抑制されることを見出した。以上の結果は、イレッサはHSP70を減らすことにより肺線維症を起こすこと、及びこの副作用 にセルベックスのようなHSP70を増やす薬が有効であることを示唆しています。
慶應義塾大学薬学部分析科学教室 水島徹研究室
熱ショックタンパク質とは、細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現が上昇して細胞を保護するタンパク質の一群であり、ストレスタンパク質とも呼ばれる。熱から細胞を守るタンパク質。
イレッサがその熱ショックタンパク質を減らすと、間質性肺炎になりやすくなる。
セルベックスは熱ショックタンパク質を増やすので、イレッサの副作用予防に効果的というわけだ。
セルベックスが熱ショックタンパク質を増やすなんて初めて聞いた。
セルベックスの添付文書の薬効薬理には確かに、
熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用
モルモットにおいて、胃粘膜細胞内のHSP60、70、90を誘導し、細胞保護作用を示すことが確認されている。
と書かれている。
セルベックスによる胃粘膜保護作用はHSP誘導によるものだったのか。
それだけじゃないけど。
イレッサとセルベックスの併用には、そんな作用も期待されていることを覚えとこう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
テプレノンのHSP増加については、うつ病やアルツハイマー型認知症にも効果が期待されていますね!