記事
リブレを使ってても採血しなきゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分30秒で読めます.
3,836 ビュー. カテゴリ:FreeStyleリブレ
フリースタイルリブレという24時間持続自己血糖測定器がある。
針のついたセンサーを二の腕の部分にくっつけて、測定器を当てて計測します。
なるほど、これで毎回指先に針を刺して計測する必要が無くなるというわけだ。
と思っていたら、患者から「普通の採血も行っている」という話を聞いた。これはどういうわけだろう?
血糖自己測定器加算
医療機関で算定できる血糖自己測定器加算の点数は以下の通り(2020年8月現在)
1 月20回以上測定する場合 350点
2 月30回以上測定する場合 465点
3 月40回以上測定する場合 580点
4 月60回以上測定する場合 830点
5 月90回以上測定する場合 1,170点
6 月120回以上測定する場合 1,490点
7 間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの 1,250点
7の「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」というのが、フリースタイルリブレによる血糖測定の場合である。2020年4月に新たに追加された。
2020年4月までは、リブレだけでは点数を算定できなかったので、普通の自己血糖測定(SMBG)も行う必要があった。保険請求点数の都合上の問題である。
しかし、2020年4月以降も、リブレを使っていれば必ず算定できるというわけではない。
「血糖自己測定器加算」には注意書きがあり、以下のように書かれている。
7については、入院中の患者以外の患者であって、強化インスリン療法を行っているもの又は強化インスリン療法を行った後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用しているものに対して、血糖自己測定値に基づく指導を行うため、間歇スキャン式持続血糖測定器を使用した場合に、3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。
「強化インスリン療法」を行っている必要がある。つまり、基礎分泌の代わりの持効型インスリンと、追加分泌の代わりの1日3回の速効型インスリンを打っている必要がある。
強化インスリン療法を行っていない患者にリブレを使いたければ、7以外の血糖自己測定器加算を算定する必要がある。
自費で使ってもらう方法もあるが。
リブレのセンサー2つで12500円となっている。1つが2週間使用できるので、2つで約1か月。12500円を回収するためには、「 6 月120回以上測定する場合 1,490点 」で算定しなければならない。
月120回というと、1日4回血糖測定を実施する必要がある。
そのため、リブレを使っていても1日4回血糖測定を行っているという人は多い。
「針を刺して指から血を採るのが苦痛で続けることが難しかった」という患者や「指先の皮が硬くなってきて刺しづらくなってきた」というような患者にとっては、SMBGから逃れられるわけではないので、ちょっと残念なのである。
グルコース値と血糖値の違い
そもそも、リブレが計っているのは血糖値とは微妙に違う間質液中のグルコースの濃度なのである。
間質液とは細胞と細胞の間に存在する液体のことで、グルコースは血管を通って体中に運ばれ、毛細血管から間質液へ、さらに間質液から細胞に入って利用されます。
つまり、リブレは毛細血管まで深くは刺さっていない。
グルコースはまず、血液に入り、血糖値が上がります。その後、間質液中に入り、間質液中のグルコース濃度が上がります。
血糖値と間質液中のグルコース値の違いには個人差があります。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。