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毛深くなる薬
公開. 更新. 投稿者:副作用/薬害.この記事は約2分51秒で読めます.
5,424 ビュー. カテゴリ:多毛の副作用
毛深くなる薬ってあるの?
必要な部分には毛が生えてほしいが、無駄毛は生えてほしくない。
副作用で「多毛」というのがある。
とくに若い女性にとっては気になる副作用だろう。
「この薬を飲むと毛深くなることがあります」なんて言われたらどう思うだろうか?コンプライアンスの低下を招くようなこの手の副作用はあまり言いたくない。なので、あまり知られていない。
「多毛」の副作用がある薬には、ステロイド内服・外用薬、男性ホルモン製剤がまず挙げられる。
ボンゾール(ダナゾール)、プリモボランも男性ホルモン製剤に含む。
プロベラ、ヒスロンなど黄体ホルモン製剤もアンドロゲン作用があるため多毛を引き起こす。
逆の働きの抗アンドロゲン薬、カソデックスにも多毛の副作用があるのは意外。
抗アンドロゲン作用のある利尿薬、アルダクトンAの副作用にも多毛がある。女性化乳房の副作用もあるので、こちらの多毛はきっと女性的な多毛(髪の毛とか)なのかもしれない。
眼の周りの多毛であれば、キサラタン点眼液などのプロスタグランジン系緑内障点眼薬がある。
抗てんかん薬フェニトインによる多毛は有名。抗てんかん薬だと、テグレトールやトピナにも多毛の副作用がある。
意外なところでは、オパルモン/プロレナール(血行を良くして毛が生える?)、エビリファイにも多毛の副作用がある。
ネオーラルによる多毛も有名である。小児では成人よりも多毛の副作用が多く、この副作用のため同効薬のプログラフに変更することもあるようだ。
「多毛」というのは、命に関わる副作用ではないし、「毛深くなることがあります」という声掛けがもたらすノンコンプライアンスリスクの高さから伝えることに躊躇するが、「薬を飲む必要が無くなれば治るんだ」という希望も与えられるので伝えておきたい。
とくに若年層で使う可能性の高い抗てんかん薬やステロイドは、他の重要な副作用も多いので、「多毛」という副作用の説明は、後回しになりがちですが、腕などを見て外観でわかる副作用なので、ケアしていきたい。
ステロイドで毛深くなる?
ステロイドの副作用で毛深くなることがあります。
ステロイド外用薬が原因となった多毛は、その外用を中止すれば徐々に改善します。
ステロイドの副作用を調べていたら、プレドニンの副作用には「多毛、脱毛」とある。
どっちも起こりうるのですね。
ステロイドの外用薬では多毛の副作用をイメージするし、円形脱毛症に使われることもあるので、脱毛というのがイマイチピンと来ない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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