2020年3月31日更新.3,214記事.6,232,369文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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登録しないと調剤できない薬一覧

登録が必要な薬

医薬品の中には、どの薬局でも調剤できるというわけではなく、専門的な知識が必要だったり、流通管理が必要なために登録を求められている医薬品がある。

医薬品の警告欄をみると、その旨が記載されている。

本剤の投与は、本剤の適正使用推進策について十分に理解し、あらかじめ登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局のもとでのみ行うとともに、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤を行うこと。

登録された医師からの処方が必要で、登録された薬剤師しか調剤できないような薬です。

「登録しないと調剤できない」ということは、事前に登録していないと調剤を拒否する必要があります。

卸に発注した段階で「登録がないと納品できません」と言われ気づくこともあるかも知れませんが、患者対応が遅れてしまうので、処方せんを受け付けた時点で「登録が必要な薬」であるということに気づけたほうがよいでしょう。

医薬品名警告
リタリン本剤の投与は、ナルコレプシーの診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行うとともに、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤を行うこと。
コンサータ本剤の投与は、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断、治療に精通し、かつ薬物依存を含む本剤のリスク等について十分に管理できる、管理システムに登録された医師のいる医療機関及び薬剤師のいる薬局において、登録患者に対してのみ行うこと。また、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関・患者が管理システムに登録されていることを確認した上で調剤を行うこと。
モディオダール本剤の投与は、本剤の適正使用推進策について十分に理解し、あらかじめ登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局のもとでのみ行うとともに、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤を行うこと。
アシテアダニ舌下錠本剤は,緊急時に十分に対応できる医療機関に所属し,本剤に関する十分な知識と減感作療法に関する十分な知識・経験を持ち,本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師のもとで処方・使用すること。薬剤師においては,調剤前に当該医師を確認した上で調剤を行うこと。
クロザリル本剤の投与は、統合失調症の診断、治療に精通し、無顆粒球症、心筋炎、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重篤な副作用に十分に対応でき、かつクロザリル患者モニタリングサービス(Clozaril Patient Monitoring Service:CPMS)注)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、登録患者に対して、血液検査等のCPMSに定められた基準がすべて満たされた場合にのみ行うこと。また、基準を満たしていない場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を講じること。
サチュロ本剤に対する耐性菌発現を防ぐため、結核症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで投与し、適正使用に努めること。[本剤の投与は、製造販売業者が行うRAP(Responsible Access Program)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、登録患者に対して行うこと。]
サブリル散分包本剤の投与を受けた約1/3の患者で不可逆的な視野狭窄が起こることが報告されている。本剤の投与は、点頭てんかんの診断、治療に精通し、かつ本剤の安全性及び有効性についての十分な知識を有し、サブリル処方登録システム(Sabril Registration System for Prescription:SRSP)に登録された医師・薬剤師がおり、網膜電図検査などの眼科検査に精通した眼科専門医と連携が可能な登録医療機関において、登録患者に対してのみ行うこと。
シダキュアスギ花粉舌下錠本剤は、緊急時に十分に対応できる医療機関に所属し、本剤に関する十分な知識と減感作療法に関する十分な知識・経験を持ち、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師のもとで処方・使用すること。薬剤師においては、調剤前に当該医師を確認した上で調剤を行うこと。
シダトレンスギ花粉舌下液本剤は、緊急時に十分に対応できる医療機関に所属し、本剤に関する十分な知識と減感作療法に関する十分な知識・経験を持ち、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師のもとで処方・使用すること。薬剤師においては、調剤前に当該医師を確認した上で調剤を行うこと。
デルティバ錠50mg本剤に対する耐性菌発現を防ぐため、結核症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで投与し、適正使用に努めること。[本剤の投与は、製造販売業者が行うRAP(Responsible Access Program)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、登録患者に対して行うこと。]
ビバンセカプセル本剤の投与は,注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断,治療に精通し,かつ薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる,処方登録システムに登録された医師のいる医療機関及び薬剤師のいる薬局において,登録患者に対してのみ行うこと。また,それら薬局においては,調剤前に当該医師・医療機関・患者が登録されていることを確認した上で調剤を行うこと。
ミティキュアダニ舌下錠本剤は、緊急時に十分に対応できる医療機関に所属し、本剤に関する十分な知識と減感作療法に関する十分な知識・経験を持ち、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師のもとで処方・使用すること。薬剤師においては、調剤前に当該医師を確認した上で調剤を行うこと。

リタリン、コンサータあたりはニュースにもなったので有名ですが、それ以外はあまり知らなかった。

①医師の登録が必要なのか?
②薬剤師の登録も必要なのか?
③管理薬剤師だけの登録で良いのか?
④患者の登録も必要なのか?
⑤登録の確認は毎回必要なのか?
⑥登録はすぐにできるのか?

などなど、気になる項目を確認してみる。

リタリンの登録

リタリンの適応症は現在「ナルコレプシー」のみなので、ナルコレプシーの診断・治療に精通した医師からの処方に限定されています。

取り扱う医療機関、薬局、調剤責任者も登録制としています。
↓こちらから登録します。

リタリン流通管理委員会 事務局

あらかじめ委員会に申請し、適正管理が可能だと承認された薬局だけがリタリンの購入や調剤をできます。

医薬品卸はリタリンの発注があった段階で、発注元が登録医療機関または登録薬局であることを委員会事務局に確認し、発注元に納品する仕組みとなります。

登録医の確認については、リタリンの流通管理基準に、

処方せんを受取った薬局は,調剤の都度、処方医師が登録医療機関の登録医 師であることを事務局に Webで確認する。Webが使用できない場合は、事務局へ電話で確認することができる。

と記載されており、毎回の確認が必要である。

コンサータとビバンセの登録

ADHD治療薬のコンサータとビバンセについては「ADHD適正流通管理システム」にて登録する。医療従事者しかアクセスできないので検索してください。

コンサータ錠については、「コンサータ錠適正流通管理 事務局」にて登録が行われていましたが、2019年12月3日にビバンセカプセルが販売されたので、それにともない2019年12月2日から新しく「ADHD適正流通管理システム」が稼働しました。

「コンサータ錠の使用にあたっての留意事項について」 の「処方及び調剤の手順」には、

登録薬局及び薬剤師は、患者カード、処方箋発行医師及び医療機関を確認し、管理システム上の情報と突合した上で薬剤を交付する。

と記載されており、毎回webの管理システムで登録医というだけでなく、処方内容を確認する必要がある。

モディオダールの登録

モディオダールの登録は薬剤師の登録も必要で、↓から行う。

モディオダール適正使用委員会

「モディオダール錠適正使用の概要」に、以下のように記載されている。

本剤を取り扱う医師、薬剤師(調剤責任者)、医療機関及び薬局(以下「医 師等」という。)は、Website を介した登録センターへの登録を要する。

処方箋を受取った登録薬局は、調剤の都度、処方医師が登録医療機関の登録 医師であることを登録センター(Website)で確認したうえで薬剤を交付する。

こちらも毎回の確認が必要。

舌下免疫療法薬(アシテア、シダキュア、シダトレン、ミティキュア)の登録

アシテアダニ舌下錠、シダキュアスギ花粉舌下錠、シダトレンスギ花粉舌下液、ミティキュアダニ舌下錠などの舌下免疫療法薬については、薬剤師の登録は不要で、処方医が登録医であることを確認すれば調剤可能。

クロザリルの登録

クロザリルの登録は↓で行う。薬剤師の登録も必要。

クロザリル適正使用委員会

CPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)確認表を記載する必要がある。

多剤耐性結核菌治療薬(サチュロ、デルティバ)の登録

院外で出ることはほぼ無いと思われますが、

処方されるとしても突然院外で処方を受けるということはなく、事前にメーカーからの連絡があるようだ。

サブリルの登録

点頭てんかん治療薬のサブリル散分包500mgも仕組みをみると、院外で処方されることはほぼ無さそうだ。

サブリル処方登録システム利用マニュアルに以下のように記載されている。

本剤の処方には、処方医(2 名以上)、眼科医、薬剤師(2 名以上)等からなる治療グループの形成が必要です。本剤による治療について連携が取れる眼科医、薬剤師を推薦いただき、眼科医、薬剤師の先生に e-learning の受講及び誓約書類の提出を依頼してください。

院外の保険薬局と治療グループを形成するのは、できなくはないだろうけど、難しそう。

承認条件

警告欄での「登録医による処方」「登録薬剤師による調剤」以外に、添付文書の「承認条件」のところに、以下のような文言が記載されている薬もある。

○○○○の診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行われるとともに、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

規制当局の指導により承認条件の遵守が義務付けられている。
警告よりは緩めの印象で、薬剤師というより製薬会社に向けて求めているニュアンス。

警告に記載された医薬品は恒久的に登録などが義務付けられるが、承認条件への記載はいずれ無くなる可能性もある。

医薬品承認条件
デュロテップMTパッチ慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
ノルスパン変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
メサペインがん性疼痛の治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
サムスカ常染色体優性多発性のう胞腎の治療及び本剤のリスクについて十分に理解し、投与対象の選択や肝機能や血清ナトリウム濃度の定期的な検査をはじめとする本剤の適正使用が可能な医師によってのみ処方され、さらに、医療機関・薬局においては調剤前に当該医師によって処方されたことを確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
フェントステープ慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
ワンデュロパッチ慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
エピペン本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、本剤の使用に関して適切かつ十分な指導ができる医師のみによって本剤が処方・使用されるよう、本剤を納入する前に予め講習を実施する等の適切な措置を講じること。

慢性疼痛治療薬(デュロテップ、フェントス、ワンデュロ)の確認

デュロテップ、フェントス、ワンデュロなどの慢性疼痛治療薬は、患者が持参した確認書で登録医を確認する。
癌性疼痛に使用される場合は不要。

同じ病院からの処方で、医師が変わっていた場合は要注意です。登録医ではない医師が前回Doで処方しているケースもあります。

ノルスパンテープの登録

ノルスパンテープの流通にあたっては、下記の流通管理体制を構築している。

1.ノルスパンテープの購入および調剤のできる医療施設は、予め登録された医療機関および薬局に限られる。
2.ノルスパンテープの処方ができる医師は、e-learning受講済み医師に限られる。
3.e-learning受講済み医師が休みの場合、前回と同じ処方内容であっても、代理の医師が本剤を処方することはできない。
4.ノルスパンテープを調剤する薬剤師は、処方元医師が当該e-learning受講済み医師であるか否かの事前確認を行う。

薬剤師による処方元医師の確認
1.ノルスパンテープを調剤する薬剤師は、処方元医師がe-learning受講済み医師であるか否かの事前確認(確認用WEBサイトおよび流通管理窓口)を行う。
2.処方元医師が、e-learning受講済み医師であることが確認できる場合は、薬剤が交付される。
3.処方元医師が、e-learning受講済み医師であることが確認できない場合は、ノルスパンテープの調剤は行われない。
また薬剤師は、その旨について流通管理窓口に連絡し、久光製薬医薬情報担当者による処方元医師への情報提供が行われる。

ノルスパンテープの登録は私の薬局もしていたハズですが、確か電話1本で担当MRが「登録しておきます」という感じだった。

メサペインの登録

メサペインの登録は↓で行います。薬剤師の登録も必要です。

メサペイン適正使用情報サイト

QT延長4例(15.4%)というのはなかなかリスキーな薬なので、登録が必要なのは納得。

デュロテップ、ノルスパンも含め、鎮痛薬は安易に処方される可能性もあるので、規制は強化すべきなのだろう。

しかし、ナルコレプシーやADHDに比べて早期の処方対応が求められるケースも多いので、「警告」ではなく「承認条件」としての取り扱いなのかなと推測する。

サムスカの登録

サムスカで処方医の登録が必要とか聞いたことなかったけど、新しい適応症で、

腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制

に処方された場合は、必要らしい。

「薬局じゃ適応症わかんねーよ」と思いましたが、「常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合」の用法用量は、

通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。

となっており、30mgの規格が処方された場合は処方医が登録医であることを確認する必要があります。

エピペンの確認

エピペンについては、特段薬局で何か確認をすべきということもなく、メーカーが処方医に対して十分説明をするように求めているだけです。処方医もとくに登録は必要ありません。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
好きな言葉:三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう。

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