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シェーグレン症候群に麦門冬湯?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約6分5秒で読めます.
2,714 ビュー. カテゴリ:シェーグレン症候群の治療
麦門冬湯が処方されていたら、咳?と短絡的に思ってしまうが、様々な疾患に用いられることがある。
麦門冬湯は、唾液分泌を増加させる作用があり、口腔乾燥症状に対し多くの患者が効果を実感するという。シェーグレン症候群の口腔乾燥症状にも使われる。
口腔乾燥に対しては、唾液腺のムスカリン受容体を刺激する作用を持つセビメリン塩酸塩水和物(エボザック、サリグレン)やピロカルピン塩酸塩(サラジェン)を用いるのが一般的です。
これらはシェーグレン症候群への保険適応も有するが、多汗や消化器症状などの副作用がしばしば問題になる。
また、口腔内に噴霧する人工唾液(サリベート)も有効だが、1日に何度も使わなければならない。
そのため、これらの薬と麦門冬湯が併用されることがある。
漢方製剤は一般的に、「証」に合ったものを使わないと、十分な効果が得られないばかりか、悪影響すら生じかねないが、麦門冬湯に関しては重篤な副作用や相互作用のリスクは低いという。苦味や癖が少なく、飲みやすい点もメリットである。
唾液分泌能は加齢とともに低下するため、シェーグレン症候群ではなくとも、「口が乾く」と訴える高齢者は少なくない。そのようなドライマウスに対しても麦門冬湯は勧められる。
シェーグレン症候群の乾燥症状の治療
眼乾燥には人工涙液が用いられます。防腐剤の入ったものは、頻回の点眼で防腐剤による角膜上皮障害や眼囲の接触皮膚炎が起こる可能性があります。
防腐剤無添加のものでは点眼薬の汚染に注意する必要があります。
角膜上皮の治癒促進のためにヒアレイン点眼薬が用いられることもあります。
口腔乾燥には人工唾液を用いますが、特有の味があり、患者さんが好まないことがあります。
内服薬としては、アネトールトリチオン、塩酸ピロカルピン、セビメリンがあります。アネトールトリチオンは利胆剤ですが、コリン作動性刺激により唾液分泌を促進します。
塩酸ピロカルピンは副交感神経刺激薬で、ムスカリンM3受容体の作動薬です。
セビメリンはキヌクリジン環を基本骨格とするアセチルコリン類似化合物です。唾液腺に存在するムスカリンM3受容体を刺激することによって、唾液分泌促進作用を発現します。
塩酸ピロカルピンの半減期は1.5時間であるのに対し、セビメリンは4時間で、副作用と関係するM2受容体よりもM3受容体に親和性が高く、副作用の発現が少ないのではないかと期待されています。
そのほか、塩酸ブロモヘキシン、塩酸アンブロキソール、麦門冬湯なども用いられます。
ドライマウスの対処法は?
口腔乾燥症の治療は、原因を取り除くことが基本となる。
薬剤の副作用の場合は、口腔乾燥の頻度が低い薬剤への変更あるいは薬剤の中止を検討する。
唾液の分泌量を減少させる疾患が原因の場合は、その疾患の治療を行うことによって口腔乾燥症の改善を試みる。
しかし、現実には原因を取り除けないことも多いため、①水分を十分に摂取する、②保湿剤を使用する、③うがいをこまめに行うなどの対症療法を行い、口の痛みや荒れ、乾燥、ねばつきといった自覚症状を軽減させる。
一方で唾液にはいろいろな役割があり、分泌量が減少すると心身の健康維持に多大な影響を及ぼすため、対症療法と並行して唾液の量を増やす治療を行うことが大切だ。
唾液の主な作用は、口腔内の洗浄、抗菌、消化、pHの緩衝である。
これらの作用が減少すると細菌の 感染が起こりやすくなって炎症が生じ、疼痛、灼熱感、味覚異常、嚥下障害を伴った口腔乾燥症状が発生する。
唾液分泌が減少する原因は、シ ェーグレン症候群や糖尿病、薬の副作用、放射線治療時の障害、加齢、心因性など様々なものが考えられる。
中でも、抗コリン作用を有する精神・神経系薬剤を服用中の患者は、口渇の発現頻度が比較的高い。
シェーグレン症候群による口腔乾燥症に対しては、唾液腺刺激作用があるセビメリン塩酸塩水和物(サリグレン)やピロカルピン塩酸塩(サラジェン)といった内服薬が保険適応となっている。
外用薬で は、口腔内に噴霧して使用する人工唾液として、サリベート(塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化カルシウム等配合剤)がある。
しかし、頻繁に噴霧する必要があることや、使用後に不快な味が残ることから、コンプライアンスが低い傾向がみられる。
一方、薬の副作用や加齢により生じる口腔乾燥の治療に、保険が適用される内服薬はない。
このため、ブロムヘキシン塩酸塩(ビソルボン)のような 薬剤が保険適応外で使用されることがある。
中には症状を自覚しない患者さんもいるが、先に述べたような唾液の分泌量が減少することによって起こってくる障害が疑われたときは唾液の分泌量を測定、確認し、減少していれば自覚症状がなくても治療を行うべきである。
ビソルボンとドライマウス
ブロムヘキシン塩酸塩の作用は、気管支粘膜からの漿液性分泌増加作用、酸性糖蛋自溶解による低分子化作用、線毛運動亢進作用などである。
通常は去痰薬として使用されるが、唾液腺や涙腺においても分泌液の増加がみられるとの報告があり、気管支粘膜以外の部位にも効果があると推測されている。
また、分泌液の粘稠度を下げる作用もあるため、これにより唾液の流動性が高まり、口腔内に唾液が分散して乾燥が改善すると考えられている。
こうした作用機序から、唾液腺の機能が正常に保たれている症例にのみ有効とする報告もある。
投与量は、添付文書に記載されている適応症に対しては1日3錠だが、口腔乾燥症に投与する場合は1日3~12錠との報告がある。
通常は1日3~6錠が多いようである。
L-エチルシステイン塩酸塩(チスタニン)も、唾液の流動性を高め、唾液腺の機能が保たれている患者において口腔乾燥を改善すると考えられている。
このほか、アンブロキソール塩酸塩(ムコソルバン)や唾液腺ホルモン(パロチン)、コリン作動性薬剤、麦門冬湯などの漢方薬が使用されることもある。
これらの薬剤で十分な効果が得られない場合は、無糖キャンディーやガムで唾液の分泌を促したり、潤いを持たせるゼリーを食べるなどの方法を、過剰摂取に注意して併用するよう勧めるとよいだろう。
薬以外のドライマウス対処法
ガムをかんだり、唾液腺マッサージ、室内の保湿などは口腔乾燥対策に有用である。
「唾液腺マッサージ」
ロ腔乾燥により咀嚼の回数が減つている場合に有効。
唾液の90 %を分泌する耳下腺、顎下腺、舌下腺のそれぞれを、指で5~10回ずつ優しく押す。
舌下腺は親指でやや強めに押す。
「キシリトールガム」
咀嚼により唾液分泌を促す。
ただし、過剰摂取はNG。
粘稠な唾液の口腔乾燥患者では、耳下腺刺激によってサラサラした唾液が増加することにより、安静時のネバネバした唾液をより不快に感じる場合があるので注意。
「軽い運動」
唾液などの腺分泌が抑制されると、全身の水分代謝のバランスが崩れて、むくみやすくなる。
軽い運動により新陳代謝を促すことで、水分代謝を改善する。
「室内の保湿」
囗呼吸のために口腔乾燥を来している場合に有効。
以下の対処法はおすすめできない。
「キャンディー」
糖分を含むキャンディーは虫歯の原因になる。
なめている途中で表面に突起や凸凹が生じ、口腔粘膜を傷つける恐れもある。
「酸っぱい物の過剰摂取」
通常量の摂取で唾液分泌が促される場合は問題ないが、効果を実感できないのに大量摂取を続けると、酸刺激により口腔粘膜を傷つけたり痛みを生じることがある。
「頻回のうがい、水の過剰摂取」
うがいや水分摂取は一時的に口腔内を潤すが、慢性化すると水分摂取だけでは改善しにくい。
1日1.0~1.5Lの水分摂取は問題ないが、過剰になると水分代謝を悪化させ、舌がむくんで口腔乾燥を悪化させる要因に。
モルヒネと口渇
モルヒネを使っている患者さんで口渇を訴える患者さんがいる。
いろんな対処法があります。
・水分摂取を促す
・氷片やアメをなめる
・うがいの励行
・リップクリームの塗布
・生のパイナップルを小さく切って飴のようになめる
・サラジェンを使う
・サリグレンを使う
・サリベートを使う
・チューインガムを噛む
・酸味のキャンディをなめる
・白虎加人参湯を使う
・キシリトールのタブレットや含漱液を使う
処方関係は医師に相談してもらうとして、ガムとかアメくらいのアドバイスしかできないのかな。
生のパイナップルなんて、面倒くさそうだし。
氷をなめるってのもいいかな。
リップクリームを塗ったら、唾液分泌が促されるのかな。
自分もドライマウス気味なのでやってみよう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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