2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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水剤は多めに調剤する?

水剤の調剤とロス

例えば、錠剤が、全量で10錠処方されていたとして、「おまけにもう1錠付けちゃおうかな?」と言って11錠渡す薬剤師はいない。

例えば、粉薬が、全量で10g処方されていたとして、「なんか1回の量が少ないからもう1グラム追加しよう」と言って11gで計る薬剤師もいない。

しかし、シロップや内用液などの液剤の場合、「10mLだけどちょっと多めに11mLで調剤しよう」ということはよく行われる。

なぜか?

それは、液剤という製剤が、患者に対して瓶で投薬されるから。
稀にシロップの分包機を使っている薬局が1回分ずつ分包しているということもあるが、瓶に入れて渡して、患者自身で1回分を測り取るというスタイルが一般的である。

患者自身で計り取る方法は、「計量カップ」を付けたり、「シリンジ」「スポイト」を付けたりとさまざまである。計量カップで計り取る方法はで特に、容器がななめになったり、カップの壁面側は表面張力で高くなっているので、よく見て計り取らないと誤差が生じてしまう。

ということで、棚卸のときに必ず在庫の合わないシロップの調剤がとても嫌いな私です。

1mLのおまけを薬剤師判断でしてしまうのは、「1mLくらいいいだろう」という感覚。もし万が一、最後に残った1mLを最後の分と一緒に飲んでしまったとしても「問題ないだろう」という感覚。

過量服用のリスクを考えると、「多めに調剤」は好ましくは無い。

ネオーラル内用液

もう1点、気に留めなければいけない点に薬価がある。

ほとんどのシロップは、高い薬でも1mL数十円といったところで、多めに調剤したところでダメージは少ないが、ネオーラル内用液とサンディミュン内用液はたかが1mLと馬鹿にはできない薬価である。

2019年9月現在の薬価
ネオーラル内用液:785.3円/mL
サンディミュン内用液:897.8円/mL

このロスは痛い。
多めに調剤したくないが、「足りなかった」とか言われるのも面倒だし、1処方でちょうど1瓶(50mL)処方してくれないかなあ。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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職業:薬剤師
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