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食後又は空腹時のいずれか一定の条件で飲む薬
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分34秒で読めます.
3,332 ビュー. カテゴリ:食後又は空腹時に飲む薬
「食後又は空腹時」に飲む薬、と書くと当たり前ですが、
「いずれか一定の条件」で飲む薬、となると、食後なら食後、空腹時なら空腹時でずっと同じ条件で飲む必要のある薬、のことです。
食事によって薬物の吸収に影響がある場合、通常であれば「空腹時」と指示されることが多いですが、食事の内容による吸収の変動の差が大きくない場合、食後なら食後という一定の条件で飲んでも良いとされる薬がいくつかある。
注意しなければならないのが、これらの薬の用法用法には食事の条件などの記載が書かれておらず、ただ「1日1回」「1日2回」としか書かれていないということである。
見逃してしまいがちである。
以下のような薬がある。
医薬品名 | 添付文書の記載 |
---|---|
アフィニトール分散錠 | 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。本剤の投与時期は、臨床試験における設定内容に準じて選択し、食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること。 |
アフィニトール錠 | 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。本剤の投与時期は、臨床試験における設定内容に準じて選択し、食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること。 |
オキシコンチンTR錠 | 食事の影響により本剤のCmax及びAUCが上昇することから,食後に投与する場合には,患者の状態を慎重に観察し,副作用発現に十分注意すること。また,食後又は空腹時のいずれか一定の条件下で投与すること。 |
サーティカン錠 | 本剤の投与にあたっては、食事の影響があるため、食後又は空腹時のいずれかの一定の条件下で投与し、本剤の血中トラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。 |
ラパリムス錠1mg | 高脂肪食の摂取後に本剤を投与した場合、血中濃度が増加するとの報告がある。安定した血中濃度を維持できるよう、本剤の投与時期は、食後又は空腹時のいずれか一定とすること。 |
うちの薬局で処方されたことのある薬は、オキシコンチンTR錠だけであるが、調べるまで気づかなかった。
オキシコンチン錠の添付文書には、同様の記載はみられない。
オキシコンチンTR錠の食事の影響
(3) 食事の影響
1) 健康成人16例においてオキシコンチンTR錠10mgを高脂肪食摂取後に投与したとき,空腹時に比較してオキシコドンのCmaxが73%,AUCが38%増加した。
2) 健康成人においてオキシコンチンTR錠40mgを高脂肪食摂取後(34例)に投与したとき,空腹時(28例)に比較してオキシコドンのCmaxが60%,AUCが28%増加した。
オキシコンチン錠の食事の影響
(2) 食事の影響
健康成人22例においてオキシコドン塩酸塩徐放錠の体内薬物動態には食事の影響がほとんどみられなかった。しかし,160mgを高脂肪食摂取後に投与したとき,空腹時に比較してオキシコドンのCmaxが25%増加したとの報告がある。(外国人によるデータ)
Cmaxの上り方が、オキシコンチン錠160mg(25%)に比べてオキシコンチンTR錠40mg(60%)が大きいため、TR錠は「一定の条件」での投与が求められているのだろう。
恐らく、食後の一定条件であれば「朝食後」、空腹時の一定条件であれば「寝る前」に飲んでもらうのが、時間的なズレや飲み忘れが少ないと思われる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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