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グラセプターとプログラフの違いは?
公開. 更新. 投稿者:花粉症/アレルギー.この記事は約2分28秒で読めます.
5,610 ビュー. カテゴリ:タクロリムス徐放カプセル
グラセプターってプログラフと何が違うの?
グラセプターカプセルという、プログラフと同じ成分(タクロリムス)の薬がある。
プログラフとグラセプターとの違いは、プログラフが基本的に1日2回という飲み方なのに対し、グラセプターは徐放性製剤で1日1回という飲み方であるという点です。
プログラフよりもグラセプターのほうが効果が持続する改良版ということですね。
しかし、処方を見ることはほとんどない。
それは適応症の違いによる。
グラセプターの適応症は、
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
臓器移植をした患者だけに処方される。
プログラフカプセル0.5㎎/1㎎の適応症は、
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
〇重症筋無力症
〇関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)
〇ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)
〇難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
〇多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎
プログラフがよく使われるのは、関節リウマチや潰瘍性大腸炎だろう。
しかし、関節リウマチに対するプログラフの用法は、「1日1回夕食後」で、1日1回なので、グラセプターに適応があったとしても使う意味はあまり無いのかも知れない。
プログラフが処方されている患者の病名
プログラフの適応症は、規格・剤形ごとに異なるので注意が必要である。
プログラフカプセル0.5㎎/1㎎の適応症は、上記の通りであるが、5㎎カプセルの適応症は、
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
〇難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
と少ない。
また、粉のプログラフ顆粒の適応症は、
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
〇重症筋無力症
と、これまた少ない。
また、顆粒の使用に関しては以下のような条件がある。
顆粒を使用するに当たっては、次の点に留意すること。
・顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。[顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08
・顆粒の使用は、原則として、カプセルの服用ができない場合、あるいは治療上0.5mgカプセル含量以下の投与量調節が必要な場合とすること。
・カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
プログラフカプセル1mgが薬価495.3円なのに対し、プログラフ顆粒1mgが544.4円と高めなので、このような制限を設けているのだろう。(2022年6月現在)
プログラフの処方では、病名確認が重要である。
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