2024年12月3日更新.2,476記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ロコアテープ1回1枚しか使っちゃダメ?

ロコアテープは1回1枚まで?

ロコアテープというゼポラスの改良版シップ剤がある。
モーラスパップXRも気に入らないが、ロコアテープも突っ込みどころ満載の貼り薬である。

ロコアテープの一般名は、「エスフルルビプロフェン・ハッカ油製剤」とエスフルルビプロフェンだけでなくハッカ油も成分として含まれている。
ハッカ油ごときの添加物が何しゃしゃり出てるんだコレ。
適応症は「変形性関節症における鎮痛・消炎」と変形性関節症のみ。

エスフルルビプロフェンは、フルルビプロフェンのS体。
いよいよ貼付剤にも光学分割の波が押し寄せてきたようです。

どこかの記事でロコアテープの適応症が「変形性膝関節症」となっていて、ロコアテープの使用部位が「腰」だったら疑義照会すべき、という話がありました。
しかし、変形性関節症の発症部位は、全身のあらゆる関節で、好発部位は、膝(変形性膝関節症)、股関節(変形性股関節症)、背骨(変形性脊椎症)なので、腰に使うことも十分あり得る。

一番のポイントは用法で「1日1回、患部に貼付する。同時に2枚を超えて貼付しないこと。」とある。
その理由として、
「本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。」
と2枚貼っただけで、フロベンの内服に匹敵する全身暴露量?になるそうだ。全身曝露量=血中濃度ということなのかなんだかよくわかりませんが。

「2枚を超えて」という表現で「2枚以上」ではないので、1回2枚までOKということだ。

長期投与に関しても注意がされており、「定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。」と指示されている。

そして、妊婦への投与に対しても、既存のNSAIDs貼付薬(ケトプロフェンは除く)では、妊婦に対して治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用する「有益性投与」とされているが、ロコアテープは、多くのNSAIDs経口薬と同じように妊娠後期の女性への投与は禁忌とされている。

またニューキノロン製剤(エノキサシン水和物、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、プルリフロキサシン)と併用禁忌になっているフロベン同様、ロコアテープもエノキサシン水和物、ロメフロキサシン(ロメバクト、バレオン)、ノルフロキサシン(バクシダール)、プルリフロキサシン(スオード)と併用禁忌になっている。
モーラステープやパップXRがシプロキサンと併用禁忌どころか併用注意にも記載されていないところから、それらの単なる湿布とは一線を画した貼付剤なのだろう。

ロコアテープとNSAIDs内服薬の併用

1回2枚という使用量制限、併用禁忌の品目などをみると、内服薬と同レベルの効果が期待できる貼付剤。

そのため、「本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。」と内服薬との併用にも注意すべき旨が記載されているが、実際の処方でどの程度考慮されていくのだろうか。

わが県では、カロナールとの併用もNGという話も聞いた。

貼付剤の保険給付については厳しい目が注がれていくと思われるので、ロコアテープと内服鎮痛薬の併用は注意が必要。

ロコアテープの一般名は?

ロコアテープの一般名は「エスフルルビプロフェン・ハッカ油」となっている。
ハッカ油くらい別の湿布にも配合されているのだが、なぜロコアテープにはハッカ油が明記されているのだろうか?
同薬の承認審査報告書には、「同剤に含まれるハッカ油と近似する濃度のハッカ油が関節痛等に対する医療用医薬品および一般用医薬品の有効成分の一つとして承認され、長年使用されてきている」「医薬品添加物として配合した成分であってもその分量が薬用量に近似のものは原則として有効成分として扱う」とある。

ロコアテープ1枚中にはエスフルルビプロフェン40mgに対しハッカ油36.2mgが配合されており、このような一般名表記になったと推測されるが、医療用医薬品ハッカ油の添付文書には「芳香・矯臭・矯味の目的で調剤に用いる。また、ハッカ水の調剤に用いる」と記載されているのみである。
ハッカ油の配合目的について、製造販売元の大正製薬は開示しておらず、相加相乗効果が得られるかは不明だ。
なお、高用量のハッカ油が配合されており、いわゆる「湿布くささ」(メントール臭)が強い。臭いに敏感な患者には事前説明が必要である。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

3 件のコメント

  • リリー のコメント
         

    管理人さん
    色々と複雑で、医薬品にも時代の流れがあるようですね。
    私は、整形外科の患者です。だから、痛みが一番耐えられません。この、
    ロコアテープは、薬剤師が、ヨシトミという薬の服用を2錠、止めてくださいと、メンタルの先生に、伝えてくださいと言われ、急いで帰り、先生が診察中ということで、伝言を頼みました。先生から電話ありで、薬剤部と相談させてくださいと言われ、じれったくなりましたが、また、電話待ちで、ヨシトミ2錠を、朝だけは飲んで欲しい、とのこと。
    今、困っていて、整形とメンタルは、そんなに、相性が悪いのでしょうか?痛い思いをしているのは、患者本人です。
    ハッキリ言って疲れてきます。
    整形も立て、メンタルも立てるのでは、どちらか、譲れないですか?

  • リリー のコメント
         

    今日、整形外科に行きました。そして、メンタルの先生から文書が届いていて、ロコアテープを投与しないで欲しいという内容でした。その代わり、リリカ25mgを投与されました。
    しかし、ロコアテープは、処方されません。一番早く、長く効いたいいテープだったのに、残念です。
    あちらを立てれば、こちらが立たずなのですね。先生に従わなければなら
    ないのですね。
    結局私は、メンタル、消化器内科、整形外科と、通っていて、いい加減
    疲れ気味です。
    メンタルが、どの先生も引いてしまうようですね。仕方がないですか。
    もう、ロコアテープは、処方されないと思うと、悔しいです。

  • 和ちゃん のコメント
         

    すごい効き目ですね肺から鼻からハッカのすうすうした気がタダヨイ約半日以上痛み等を押さえてくれましたの~ですが、はがして貼らずに2、3時間後、あちらこちら痛み鈍痛のあった所が悲鳴を上げだしましたよ❗効き目が半端無いですね~くせ❔中毒❔になりそうです
    肝臓とかあちらこちら副作用はないのですか~❔
    因みに、関節リュウマチと横断性脊髄炎の後での使用ですが

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