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ノルスパンテープを腰に貼っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:痛み/鎮痛薬.この記事は約2分3秒で読めます.
3,853 ビュー. カテゴリ:ノルスパンテープを貼る部位は?
ノルスパンテープの適応症は、変形性関節症や腰痛症。
腰とか膝とかの関節が痛いわけなので、普通の痛み止めのシップのように、痛い場所に直接貼りたくなる。
ですが、ノルスパンテープの用法は、
「通常、成人に対し、前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用する。」
と、胸か背中か腕、と指定されている。
添付文書に、貼付部位に関する注意書きとして、
(1) 本剤は前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部以外に貼付しないこと。(膝や腰部に貼付した場合、十分な血中濃度が得られないおそれがある。)
(2) 体毛のない部位に貼付することが望ましいが、体毛のある部位に貼付する場合は、創傷しないようにハサミを用いて除毛すること。本剤の吸収に影響を及ぼすため、カミソリや除毛剤等は使用しないこと。
(3) 貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。清潔にする場合には、本剤の吸収に影響を及ぼすため、石鹸、アルコール、ローション等は使用しないこと。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと。
(4) 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。血中濃度が上昇するおそれがあるため、同じ部位に貼付する場合は、3週間以上の間隔をあけること。
(5) 活動性皮膚疾患や創傷面等がみられる部位は避けて貼付すること。
と書かれている。
ブプレノルフィンは脂溶性であり、皮膚から徐々に吸収され、血中に移行して中枢神経系の痛覚伝導系を抑制することで鎮痛効果を発揮する。
粘着層からブプレノルフィンを安定して放出するため、貼ってから7日間効果が持続する。
ただし、初回は血中濃度が上昇し定常状態に達するまで72時間を要するため、最初の3日間程度はNSAIDsなど他の鎮痛薬を併用するのが一般的である。
貼付する場所については注意が必要で、胸部や上腕部、上背部など、体動によって貼付薬があまり動かない平らな部位が望ましい。
患部である腰や膝に貼ると十分な血中濃度が得られない恐れがあり、特に膝蓋骨上部に貼付した場合、上背部の約30%程度の血中濃度しか得られなかったとのデータがある。
また、剥離後も貼付した皮膚に有効成分がとどまることが分かっており、同じ部位に再度貼付する場合には3週間以上の間隔を空ける必要がある。
もし貼付期間中に剥がれてしまった場合は、再度手で押さえたり、皮膚用テープで固定して貼付面を密着させる。
粘着力が弱くなった場合は剥がして、新しい貼付薬を別の場所に7日間貼るよう指導する。
そのほか、貼付中に部位が温められることによって血中濃度が上昇することも確認されている。
お風呂に入るときもなるべくお湯に浸からないよう、体の上部の使用が推奨されている。
高い湯温での入浴やサウナの利用、電気毛布の使用などは避けるよう強調したい。
参考書籍:日経DI2014.3
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