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オノンは食後に飲まなきゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約3分13秒で読めます.
6,314 ビュー. カテゴリ:オノン朝夕食前はダメ?
オノンドライシロップの用法は、
通常、小児にはプランルカスト水和物として1日量7mg/kg(ドライシロップとして70mg/kg)を朝食後および夕食後の2回に分け、用時懸濁して経口投与する。
となっており、1日2回朝夕食後の用法。
しかし、乳児に薬を飲ませるとき、空腹時のほうが飲ませやすいということで、用法を全て食前で指示してくる処方もみられる。
薬剤師的に、意図はわかるので疑義はないのですが、うちで使ってるレセコンで「疑義照会しましたか?」みたいに出てくるのでウザい。
なぜ添付文書上、食後となっているのか。
オノンのインタビューフォームでは、
健康成人男子3例に300mgを絶食時、食前(30分)、食後(30分)に単回経口投与した場合の 血漿中薬物濃度を比較した。半減期はほぼ同じであったが、食後投与では最高血漿中濃度到 達時間(Tmax)の遅延、最高血漿中濃度(Cmax)、薬物血漿中濃度推移曲線下面積(AUC) の増加が認められた。
とあるので、食前や空腹時では食後投与ほど効かなくなる可能性がある。
でも、飲まなきゃ効かないわけで、コンプライアンスのほうが優先されます。
こんなことで疑義照会したら、アレがアレでアレするのでノールックパスする。
ロイコトリエン受容体拮抗薬の特徴
鼻閉に対する効果はH1受容体拮抗薬よりも優れている。
気管支喘息で高い有用性があり、アスピリン過敏症を有する例に特に有効。
吸入ステロイド薬への上乗せ効果や減量効果が証明されている。
プランルカスト(オノン)、モンテルカスト(キプレス/シングレア)はアレルギー性鼻炎にも適応あり。
オノンやキプレス、シングレアはほとんど相互作用はありませんが、アコレートには、テオフィリンやエリスロマイシンなどと相互作用があり、使いにくいのも難点です。
CysLTs(システイニルロイコトリエン)はマスト細胞、好塩基球、好酸球などの血球細胞により産生され、気管支平滑筋収縮作用、気管支腺分泌促進作用、血管透過性亢進作用、気道炎症惹起作用などを有し、気管支喘息の病態に深く関わっている。
動物モデルでは喘息の気道リモデリング惹起作用が証明されている。
これらの作用はCysLTs受容体のうちのCysLT1受容体を介して発現するので、CysLT1受容体拮抗薬(ロイコトリエン受容体拮抗薬)には論理的に抗喘息作用が期待でき、臨床的にも優れた抗喘息効果を示す。
運動誘発性喘息やアスピリン喘息に対する有用性が高い。
また、CysLTsは鼻粘膜容積血管拡張作用、血管透過性亢進により鼻閉を来たすのでLT受容体拮抗薬はアレルギー性鼻炎の鼻閉に有効である。
アレルギー性鼻炎を合併した喘息には高い効果を示す。
鼻づまりにはロイコトリエン拮抗薬
くしゃみは、マスト細胞などから遊離したヒスタミンが、鼻粘膜近くの神経のヒスタミン受容体(特にH1受容体)に結合し、その刺激によって生じる。また、鼻漏は、ヒスタミン刺激による副交感神経反射を介して起こる。
一方、鼻閉はヒスタミンだけでなく、マスト細胞などから遊離したロイコトリエンも関与する。ロイコトリエンがロイコトリエン受容体に結合することで鼻粘膜の血管拡張や血管透過性亢進、粘液分泌などが起こり、鼻閉を引き起こす。
従って経口薬による治療は、くしゃみ・鼻漏型ではH1受容体に拮抗する抗ヒスタミン薬が、鼻閉型や鼻閉症状が強い充全型には、ロイコトリエン受容体に拮抗する抗ロイコトリエン薬が主に用いられる。
アコレートは高齢者に危険?
アコレートは副作用の肝障害のためか、あまり使われていません。(外国で1日40mgで死亡32例)
イギリスやアメリカでは1日80mgは未承認です。
高齢者にアコレート(ザフィルルカスト)の1日80mgを投与し重篤な肝機能障害が発現した症例が報告されている。
高齢者では非高齢者に比べてAUCが増大し、副作用発現のリスクが高まると示唆されるため、承認された用法・用量の「高齢者には40mg/日(1回20mg1日2回投与)」の投与量が遵守されるよう記載された。
高齢者におけるザフィルルカストの体内動態の変化が検討されている。
健康な高齢者(67〜71歳)および非高齢者(20〜24歳)各8例に、本剤20mgを空腹時に単回経口投与したとき、高齢者では非高齢者に比べCmaxは約2倍、AUCは約1.5倍に増加し、t1/2は延長する傾向が認められた。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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