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ビタミンB1で便秘改善?
公開. 更新. 投稿者:便秘/痔.この記事は約3分21秒で読めます.
3,371 ビュー. カテゴリ:ビタミンB1と便秘
フルスルチアミン(ビタミンB1誘導体)には、腸管蠕動運動を亢進する作用があります。
そのため腹部の外科手術後のガスを出すために、フルスルチアミンの注射薬が使われています。
フルスルチアミンが、自律神経系を介さずにアウエルバッハ神経叢に直接作用作用します。
OTC医薬品のアリナミンAには、便秘の適応があります。
ビタミンB1を下剤として使う?
ビタミンB1は、欠乏症状として、食欲不振、便秘などの消化器症状が発現することがあり、ビタミンB1製剤は不足しているビタミンB1を補い、これらの欠乏症状を改善させることが期待できるといわれています。
また、ビタミンB1は、腸管平滑筋やアウエルバッハ神経叢に作用して、腸管の蠕動運動を亢進させることも報告されています。
ビタミンCが便秘に効く?
ビタミンCは穏やかな便通改善作用を持っています。
ビタミンCはアスコルビン酸という名のとおり酸(弱酸)なので、酸として腸の蠕動運動を刺激し、便を少し軟らかくして排便を促します。
さらに乳酸菌のウイルス感染防除の研究の過程で、ビタミンCが乳酸筋の成育を促進することも確認されています。
つまりビタミンCは、悪玉菌を殺菌し善玉菌を増やして腸の調子を整えます。
長い間、腸内に便が留まると、便に含まれる有害物質の影響も受けやすくなります。
したがって、便がある程度軟らかくなり、しかも腸内に滞らないということは、腸にはよい影響を与えます。
便秘の改善には、朝起きてすぐの空腹時にコップ1杯の冷たい水と一緒にビタミンCを摂取するという方法もあります。
ビタミンB1は注射しても臭い?
左右の鼻腔の嗅粘膜にある嗅細胞の線毛ににおい物質が結合すると、そのシグナルが嗅神経を通じて脳に伝達され、においを感じる。
こうした「においの伝達経路」のどこかに障害があって、においが感じられなかったり、においの感じ方が弱くなる病態を嗅覚障害と呼ぶ。
嗅覚障害の重症度の判定や、障害部位の推定のために行われる検査の一つに、静脈性嗅覚検査と呼ばれるものがある。
静脈性嗅覚検査は、ビタミンB1誘導体であるプロスルチアミンの注射液(アリナミン)を静脈内に投与し、においを感じるまでの時間(潜伏期間)とにおいが継続している時間(持続時間)を測定するものである。
プロスルチアミンは、ビタミンB1(チアミン)に、ニンニクの臭気成分として知られるアリシンが結合したもので、ニンニク様の特異な臭気を持つ。
静脈内に投与すると数秒で肺から拡散され、呼気に混じって後鼻孔から嗅粘膜に到達、臭気を到達、臭気を感じる。
嗅覚が正常な人では、投与開始から8~9秒で強い臭気を感じ始め、1~2分間続く。
便秘にパンテチン
ビタミンB5とも呼ばれるパントテン酸。
医薬品としては、シナールに配合されてるな、くらいにしか存在を知りませんでした。
シナールの作用的にもビタミンCがメインだから、パントテン酸は脇役?
パントシンなど、パントテン酸単味の薬剤もありまして、その効能効果をみると、
1. パントテン酸欠乏症の予防及び治療
2. パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)
3. 下記疾患のうち、パントテン酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・ 高脂血症
・ 弛緩性便秘
・ ストレプトマイシン及びカナマイシンによる副作用の予防及び治療
・ 急・慢性湿疹
・ 血液疾患の血小板数ならびに出血傾向の改善
なお、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
と結構様々な作用があります。
用量についても、1日30㎎から600㎎と幅が広い。規格も錠剤で30㎎、60㎎、100㎎、200㎎と多規格ある。
通常、成人にはパンテチンとして1日30〜180mgを1〜3回に分けて経口投与する。
血液疾患、弛緩性便秘には、パンテチンとして1日300〜600mgを1〜3回に分けて経口投与する。
高脂血症には、パンテチンとして1日600mgを3回に分けて経口投与する。
水溶性ビタミンなので、多少多めに処方してもよいと思うが、60㎎で1日3回という患者も多い。
うちの薬局では、施設入居者に対する処方が多く、弛緩性便秘に対して処方されていることが多い。
なぜパントテン酸が便秘に効くのか?
パントテン酸には腸管運動促進作用があります。
パントテン酸はアセチルコリンの合成時に必要な補酵素らしい。
つまりアセチルコリンによる腸管運動促進というわけです。
ビタミンB1も便秘に効果があるので、ネイチャーメイドのBコンプレックスを飲んで便秘予防。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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