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ヒステリー球があって飲み込めない?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分11秒で読めます.
3,193 ビュー. カテゴリ:ヒステリー球
投薬時に患者から「ヒステリー球」という言葉を聞いた。
不勉強のため、この魔球のような病名を知りませんでした。
ヒステリーと聞くと、妻を思い浮かべてしまいます。
のどがつまって飲み込めないような感じを、ヒステリー球(ヒステリーボール)というらしい。
耳鼻科領域では、咽喉頭異常感症ともいうらしい。
喉に何かつまっている感じ
喉に何かがひっかかっている感じ
喉に塊りがある感じ
喉が塞がる感じ
喉の奥がはれている感じ
喉がイガイガする
胸がつかえる感じ
自覚症状はあるけど、検査しても何も見つからない。
心身症です。
安定剤や漢方薬の半夏厚朴湯が使われます。
ヒステリー球とは?
喉に病気や異常がないにも関わらず、のどの違和感、飲み込みづらい、のどに球がひっかかっているような感じといった症状が出ることで、咽喉頭異常感症とも呼ばれます。
主にストレスやうつ症状がある際に起こる疾患で、自律神経の乱れが原因と言われています。
ヒステリー球の治療法は?
主にストレスやうつ症状がある際に起こる疾患のため、抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。
漢方薬では、半夏厚朴湯や茯苓飲合半夏厚朴湯、柴朴湯などを使います。
生薬の中では厚朴が精神系の疾患に、半夏が吐き気に効くため、これらが含有されている漢方が有効です。
のどの違和感にドグマチール?
咽喉頭異常感症とは、喉の異物感に代表される症状が見られる疾患である。
有病率は10〜27%とされており、咽頭や喉頭部の症状を「イガイガ感」「詰まった感じ」「痒い感じ」「えへん虫」などと表現する患者もいる。
このような、咽喉頭に異常感を感じる病態をまとめて、咽喉頭異常感症と呼んでいる。
咽喉頭異常感症の原因は、局所的要因、全身的要因、精神的要因に分けられ、8割は炎症などの局所的要因とされている。
咽喉頭に異常を感じる原因となる器質的疾患には、喉の炎症(咽喉頭炎)、食道や下咽頭の悪性腫瘍、甲状腺の病気および脳や脳神経の病気などがあり、喉の異常感を訴える人の3〜4%には悪性腫瘍が発見されている。
これらを否定するためには充分な検査が必要である。
診断学的には、原因となる明らかな局所的要因(疾患)や全身的要因(疾患)や全身的要因(疾患)に随伴するものを症候性の咽喉頭異常感症とし、明らかな器質的な疾患が確認されていない場合を真性の咽喉頭異常感症としている。
精神的要因による真性の咽喉頭異常感症に用いる薬物療法としては、消炎酵素薬や抗不安薬、漢方薬を組み合わせて用いることが多い。
ドグマチールは咽喉頭異常感症の治療目的でよく処方される。
咽喉頭異常感症の治療では、スルピリドは1回50〜100mg程度を1日3回に分けて服用させる方法が一般に使われている。
咽喉頭異常感症の治療には他に、抗不安薬のエチゾラム(デパス)、抗うつ薬のパロキセチン塩酸塩水和物(パキシル)、半夏厚朴湯、消炎酵素薬のリゾチーム塩酸塩(レフトーゼ)なども使用される。
参考書籍;日経DI2015.6
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