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賦形剤を加えるルール
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分50秒で読めます.
2,076 ビュー. カテゴリ:賦形剤を加える調剤内規
賦形剤って何グラム加えればいいの?
粉薬(散剤)を調剤する際、あるいは錠剤を粉砕した場合など、1回当たりの服用量が少ないとき、乳糖で賦形して嵩を増します。
私の薬局では、1回量が0.1g未満の場合、0.2gの乳糖を賦形するルールです。
このルールは薬局ごとに異なっており、決まっていません。
以前勤めていた職場では0.3g乳糖を賦形していました。Vマスの分包機を使っていたので、調剤のしやすさから多めの乳糖を入れていたのかも知れません。
また、小児科の門前では、1回の服用量はなるべく少なくしたほうがよいとのことで、0.1gの乳糖賦形していた薬局もありました。
1回0.2gの乳糖を賦形するつもりが、1日0.2gの乳糖で賦形してしまって「あちゃー間違えた」なんてこともあったりしますが、「賦形剤だから、まいっか」となることもあります。
賦形剤は、調剤をしやすくしたり、服薬を容易にするためのものであって、薬効に影響を及ぼすものではないので、賦形する量には幅があり、その量は調剤する薬剤師に委ねられています。
賦形剤の量は薬歴に記録する
しかし、この賦形剤のルールを「0.1g未満の場合、0.2gの乳糖を賦形する」というルールのみで行うと思わぬ患者クレームを受けることがあるので要注意です。
例えば、ある錠剤を朝食後は0.5錠粉砕、夕食後は1錠粉砕という指示で調剤したとします。
朝食後は0.1g未満であったため乳糖賦形、夕食後は0.1gを超えていたため乳糖を賦形しませんでした。
患者は思います。「なぜ1錠の粉砕よりも0.5錠の粉砕のほうが量が多いんだ?間違えたんじゃないのか?」
また、錠剤の重さには多少ばらつきがあり、また、調剤手技によって同じ錠数の粉砕をしても1回量が0.09gだったり0.1gだったりということがまれにみられます。その場合、前回は賦形しなかったのに、今回は賦形したという事態が発生することになります。
患者は思います。「なぜ前回よりも今回の薬は量が多いんだ?間違えたんじゃないのか?」
「薬の量が不自然だ。間違えたんじゃないのか?」
という問い合わせ対応は、「ギクッ」としますし、休日だったとしても、薬局まで行って確認をする必要が生じる、かなり負担のある問い合わせになります。
賦形剤を加えた場合は薬歴に記録し、1回量が0.1gを超えた場合でも毎回賦形剤を加える。
同じ薬剤では、1回の錠数が変わっても同量の賦形剤を加える、といったルールも決めておくと余計な負担が生じにくいでしょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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