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インフルエンザ治療薬の一覧
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ. タグ:薬の一覧. この記事は約2分27秒で読めます.
172 ビュー. カテゴリ:インフルエンザ治療薬の一覧
分類 | 商品名 | 一般名 | 剤形・規格 |
---|---|---|---|
ノイラミニダーゼ阻害薬 | タミフル | オセルタミビルリン酸塩 | カプセル(75㎎)、ドライシロップ(3%) |
リレンザ | ザナミビル水和物 | 吸入(5mg/ブリスター) | |
イナビル | ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 | 吸入粉末剤(20㎎) | |
RNAポリメラーゼ阻害薬 | アビガン | ファビピラビル | 錠(200㎎) |
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 | ゾフルーザ | バロキサビル マルボキシル | 錠(10㎎、20㎎)、顆粒分包(2%) |
M2蛋白阻害薬 | シンメトレル | アマンタジン塩酸塩 | 錠(50㎎、100㎎)、細粒(10%) |
インフルエンザ治療薬の分類
インフルエンザウイルスの増殖は、吸着→侵入→脱穀→複製→放出という流れで行われます。インフルエンザウイルス治療薬はこの過程のいずれかを邪魔する薬です。
吸着:インフルエンザウイルスの外殻と親和性のある分子(受容体)が細胞膜上に存在すると、ウイルスが吸着します。
侵入:ウイルスが細胞内に取り込まれます。
脱殻:ウイルスが被っていたタンパク質の殻を脱ぎ捨てます。
複製:ウイルスの遺伝子情報が細胞の核に送り込まれ、転写・複製(コピー)されます。
放出:複製が終了したウイルスが細胞の中から外へ飛び出し、他の細胞に侵入して増殖します。
インフルエンザウイルスには、ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の二種類のスパイクタンパクがある。HAは感染しようとする細胞に結合し、ウイルスを細胞の中に取り込む役割をします。NAは、感染した細胞とHAの結合を切って、複製されたウイルスを細胞から放出させる役割を持ちます。
インフルエンザ治療薬には、ノイラミニダーゼ阻害薬、RNAポリメラーゼ阻害薬、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬、M2蛋白阻害薬の4種類がある。
ノイラミニダーゼ阻害薬
ウイルスのNA(ノイラミニダーゼ)を阻害することにより、細胞内で増殖したウイルスの放出を抑制し、ウイルスの増殖を抑えます。A型、B型の両方に有効である。
C型インフルエンザウイルスにはヘマグルチニンエステラーゼ(HE)しか存在しないのでノイラミニダーゼ阻害薬は効かない。
RNAポリメラーゼ阻害薬
RNAポリメラーゼ阻害薬は、RNAポリメラーゼによるウイルスゲノムRNAの複製を阻害することによりウイルス増殖を抑制する。
ウイルスRNAポリメラーゼは、生体内で代謝されて活性化したファビピラビルをヌクレオチドと誤認識し、RNA鎖に取り込む。ファビピラビル活性体が取り込まれた後は、RNA鎖を伸長できなくなり、その結果ウイルスゲノムRNAやmRNAを複製できなくなり、ウイルスの増殖が抑制される。
ノイラミニダーゼ阻害薬はウイルスの細胞内での増殖を抑制しないが、ファビピラビルはウイルスの増殖そのものを阻害するため、発症から48時間を超えていても効果が期待できる。また、耐性獲得の原因となるウイルスゲノムRNAの生成を阻害するので、耐性が生じにくいと考えられている。
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬は、インフルエンザウイルスのmRNA合成に必要なキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。A型、B型の両方に有効。
インフルエンザウイルスがウイルスのmRNAを生成し、タンパク質を合成するためには、宿主のmRNA前駆体からキャップ構造を奪う反応=キャップスナッチングが必要である。ゾフルーザはインフルエンザのRNAポリメラーゼに作用し、そのキャップスナッチングに必要なキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害することでウイルスmRNAの生成を抑制する。
M2蛋白阻害薬
パーキンソン病治療薬としても用いられるシンメトレル(アマンタジン)がある。
A型インフルエンザウイルスのM2蛋白を阻害し、脱穀を阻害する。
B型インフルエンザのM2蛋白(BM2蛋白)はA型のM2蛋白と構造が大きく異るため効かない。
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