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オフェブとピレスパの違いは?
公開. 更新. 投稿者:結核/肺炎.この記事は約2分43秒で読めます.
1,739 ビュー. カテゴリ:特発性肺線維症
難病の特発性肺線維症について。
ピレスパやオフェブといった薬が処方されている患者がいるが、特発性肺線維症という病気について、よく知らない。
特発性肺線維症とは、原因がわからない肺の高度な線維化をきたすのが特徴の病気です。
間質性肺炎の1種です。
間質性肺炎というと、薬の副作用で思い浮かべる人が多いと思いますが、アレルギーや自己免疫疾患、アスベストなどが原因でも間質性肺炎になります。
その中で、原因不明の間質性肺炎を特発性間質性肺炎といいます。特発性間質性肺炎は、組織病理学的パターン別に細分化されていますが、その中で特発性肺線維症が80~90%と最も多いとされています。胸部CTで肺が蜂の巣状に壊れる像を呈することが特徴です。
治療薬として、ステロイドが使われることも多い。プレドニゾロンの適応症には、「びまん性間質性肺炎(肺線維症)」と記載されている。
「特発性肺線維症」に適応を持つのは、オフェブ(ニンテダニブ)とピレスパ(ピルフェニドン)である。
特発性肺線維症は治ることはなく、これらの薬で悪化を防いで生存期間を延長するという位置づけである。そのため、薬の効果を感じるということは少ない。
代表的な頻度の多い副作用として、ピレスパには食欲不振(23.0%)や日光過敏(51.7%)、オフェブには下痢(56.1%)がある。
肺の繊維化が起こる機序としては、傷の修復を繰り返してケロイド状になった皮膚のようなイメージ。それが繰り返されて徐々に悪化していく。
それに対する治療ということは、傷の修復過程を阻害する形になるので、副作用も多い。
オフェブカプセルの薬価が1日150㎎×2とすると、1日11932.8円(2023年7月現在)
ピレスパ錠の薬価が1日200㎎×9とすると、1日3931.2円。
オフェブのほうが新しいので、薬価も高い。
いずれの薬も食後投与となっているが、ピレスパは「食後投与と比べ空腹時投与では、本剤の血漿中濃度が高値を示し、副作用があらわれるおそれがあるので、食後に投与すること。」と記載されており、空腹時のほうが血中濃度が上がる。
それに対し、オフェブのパラメータを見ると、食後のほうが血中濃度が高い。
いずれにしても、食後に服用すべきであるが、ピレスパは食欲不振、オフェブは下痢や吐き気などで食事を摂りづらくなるので、食事が摂れているか確認する必要がある。
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