2026年4月29日更新.2,769記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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処方箋の保管期間は5年?2025年5月の改正薬機法のポイント

薬剤師

処方箋って何年保管しなきゃいけないんだっけ?

令和7年改正薬機法

2026年5月から施行される改正薬機法(医薬品医療機器等法)に向けて現場は慌ただしい。

不勉強な私は具体的な内容についていまだによくわかっていないので、詳細は厚労省のページで確認ください。
令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について|厚生労働省

個人的に気になる点は、
①濫用等のおそれのある医薬品→指定濫用防止医薬品
②零売原則禁止
③処方箋の保管期間3年→5年
④薬剤師不在店舗での市販薬販売解禁
⑤調剤業務の一部外部委託
⑥健康サポート薬局→健康増進支援薬局
といったところ。

今回の改正薬機法でわかりにくいのが、2025年5月に公布された改正薬機法が実際に施行されるのに段階的なスケジュールがある点である。
上記の項目で言えば、公布後1年以内の施行が①濫用等のおそれのある医薬品→指定濫用防止医薬品②零売原則禁止、公布後2年以内の施行が④薬剤師不在店舗での市販薬販売解禁⑤調剤業務の一部外部委託⑥健康サポート薬局→健康増進支援薬局、公布後3年以内の施行が③処方箋の保管期間3年→5年、とのこと。

そのため、この記事も段階的に更新していこうと思う。

零売の原則禁止

医療用医薬品の販売について「処方箋に基づく販売を原則とし、やむを得ない場合にのみ薬局での販売を認める。」となっている。
やむを得ない場合とは「医師の処方で服用している医療用医薬品が不測の事態で患者の手元になく、診療を受けられない、かつ一般用医薬品で代用できない場合等」とのこと。
「漢方薬・生薬は一般用医薬品から医療用医薬品に転用されてきた経緯を踏まえ、販売に支障がないよう対応。」というのは漢方薬局に対する救済措置。
今までカタリンKとかを零売で販売してた薬局もありますが、基本的に「ダメ」となったという解釈。

濫用等のおそれのある医薬品→指定濫用防止医薬品

これはオーバードーズ対策ですね。メジコン等のオーバードーズが若者の間で問題になっています。

今までの「濫用等のおそれのある医薬品」として指定されていた6成分、エフェドリン・コデイン・ジヒドロコデイン・ブロモバレリル尿素・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリンに、デキストロメトルファンとジフェンヒドラミンが加わって8成分になり名称も「指定濫用防止医薬品」に変わった。

18歳未満の若年者に販売する場合、小容量のものしか販売できないし、氏名・年齢を確認しなければならない。
4月現在はまだアマゾンでメジコンの3箱セットが買えるが、5月からどうなるのか。

(以下は古い内容)処方箋の保管期間

薬剤師法の保管期間については、薬剤師法第27条に記載されている。

(処方せんの保存)
第27条 薬局開設者は、当該薬局で調剤済みとなつた処方せんを、調剤済みとなつた日から3年間、保存しなければならない。

通常、3年保管である。

また、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の第6条にも記載されている。

(処方箋等の保存)
第六条 保険薬局は、患者に対する療養の給付に関する処方箋及び調剤録をその完結の日から三年間保存しなければならない。

保健所的にも、厚生局的にも3年保管が義務付けられているわけである。

その他の法律にも、処方箋の保管期間に言及したものがある。

法律記載内容
生活保護法の指定医療機関医療担当規程(帳簿)
第九条 指定医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及び書類を完結の日から五年間保存しなければならない。
障害者総合支援法の指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)療養担当規程(帳簿)
第八条 指定自立支援医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及びその他の物件をその完結の日から五年間保存しなければならない。
児童福祉法の指定小児慢性特定疾病医療機関療養担当規程(帳簿)
第八条 指定小児慢性特定疾病医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及びその他の物件をその完結の日から五年間保存しなければならない。
難病法の指定医療機関療養担当規程(帳簿)
第六条 指定医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及びその他の物件をその完結の日から五年間保存しなければならない。
感染症法の感染症指定医療機関医療担当規程(帳簿の保存)
第十一条 感染症指定医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及び書類をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、診療録にあっては、その完結の日から五年間とする。

5年保管というものが多い。
そのため処方箋は5年保管しておいたほうが安心なのである。

医療費の時効

医療費の未払い問題というのは、薬局でも時おり発生しますが、何年経っても払ってくれないという患者もいます。

「ツケといて」と言って払わず仕舞。

ツケは借金と同じ「債権」にあたります。
そして、債権には「請求できる権利」について時効が存在します。それを「消滅時効」と言います。
民法では、通常、債権の消滅時効は10年とされています。

しかし、医療費の場合、消滅時効が3年と短かったのです。
その3年という期間が、令和2年4月から5年に伸びました。5年でも10年より短いけど。

3年から5年に伸びた経緯はさておき、薬局側は5年は請求できる権利があるわけですが、逆に支払い側の返還請求権も5年に伸びたわけです。そのため、請求の根拠となる文書である処方箋は5年保管すべきというのが近年の流れです。

1 件のコメント

  • 調剤事務員 のコメント
         

    はじめまして。
    処方箋、5年保管しておいたほうが良い流れなんですね・・・。
    ちなみに、前の薬局(閉局した)の処方箋がそのまま残っているのですが、その処方箋も保存しておくべきものなのでしょうか??

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