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カリウムとマグネシウムの関係
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約2分59秒で読めます.
5,795 ビュー. カテゴリ:ブラザーイオン
低マグネシウム血症になると低カリウム血症になりやすい?
ミネラルの関係性について。
カリウムとナトリウムは、お互いに協調し合って働いていおり、「ブラザーイオン」ともよばれます。
塩分(ナトリウム)の摂りすぎによる高血圧患者に対して、カリウムの摂取が勧められることがあります。
カリウムは細胞の中にたくさんあり、ナトリウムが細胞の外にたくさんあることで、情報の伝達などをスムーズに行っています。
Na+/K+-ATPアーゼ、Naポンプというヤツの働きによるものですね。
また、マグネシウムとカルシウムもブラザーイオンとよばれます。
細胞外に多いカルシウムと、細胞内に多いマグネシウムの関係性によるものです。
カルシウムとナトリウム
カルシウムには血液中のナトリウムを体外に排泄する働きがあります。
カルシウム不足により血中のナトリウム濃度が高くなると、血圧が高くなることが知られています。
カルシウム拮抗薬の働きはこれとは関係なく、血管のCaチャネルに作用し、血管平滑筋細胞にCa2+が流入するのを抑え、血管収縮を抑制し、末梢血管抵抗を減弱して降圧作用を発揮するというメカニズムです。
カリウムとマグネシウム
マグネシウムはすべてのATP反応の触媒であるため、低マグネシウム血症では、カリウムの細胞内取り込みが抑制されます。
また、腎臓の遠位尿細管、皮質集合管にある腎髄質外部K⁺チャネル(renal outer medullary potassium channel:ROMK)と呼ばれる内向き整流性電位チャネルで、カリウムを尿細管中に排泄していますが、マグネシウムがROMKに結合するとカリウム排泄が阻害されます。
そのため、低マグネシウム血症ではカリウム排泄が亢進し、低カリウム血症となります。
酸化マグネシウムの漫然投与が問題視されることもありますが、低カリウム血症のリスクも考慮して投与されているケースもあるので、安易に止めれば良いということではないのだろう。
PPIと低マグネシウム血症
PPIの副作用に「低マグネシウム血症」があります。
2011年にFDAがPPI長期服用による低マグネシウム血症の危険性を警告しています。
PPI内服患者における低Mg血症の原因は、腸管からのマグネシウムの吸収低下と考えられています。
詳しいメカニズムはわかりませんが、プロトンポンプ(H+,K+-ATPase)に働くPPIは様々なミネラルに影響を及ぼす可能性があるのでしょう。
PPIが処方されている患者が低カリウム血症になって酸化マグネシウムが処方されたら、PPIによる低Mg血症→低K血症→酸化マグネシウムの処方という関係性も頭に入れておこう。
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