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ベリキューボとアデムパスの違い
公開. 更新. 投稿者:心不全/肺高血圧症.この記事は約2分45秒で読めます.
9,265 ビュー. カテゴリ:可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
ベリキューボとアデムパスは似たような薬?
ベリキューボ(ベルイシグアト)という、慢性心不全を適応とする初のsGC刺激薬が薬価収載されていた。
心不全に使う薬には、β遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬などが標準治療に用いられていた。さらに近年は、HCN(過分極活性化環状ヌクレオチド依存性)チャネル遮断薬のコララン、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)のエンレスト、また、SGLT2阻害薬のフォシーガも使用されている。
心血管系には、一酸化窒素(NO)-可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)-環状グアノシン一リン酸(cGMP)という重要なシグナル伝達経路がある。慢性心不全では血管内皮細胞の機能不全などによりNO産生の低下、NO受容体であるsGCの機能不全が生じ、組織中のcGMP量が低下する。cGMPは心筋収縮、血管拡張、心臓リモデリングなどの生理学的プロセスを調節するが、cGMPシグナルの低下は、さらなる心不全の悪化を引き起こす。
既存治療では、NO-sGC-cGMP経路に対する直接的な介入は行われていなかった。ベルイシグアトは、sGC刺激薬であり、NO-sGC-cGMP経路を標的としており、sGCを直接刺激する作用と、内因性NOに対するsGCの感受性を高める作用の2つによりNO-sGC-cGMP経路を活性化、cGMPの産生を促進する。
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬といえば、肺高血圧症に適応のあるアデムパス(リオシグアト)がある。
心不全の原因としての肺高血圧症もあるし、肺高血圧症治療薬は血管拡張薬なので、心不全症状を緩和することは想像しやすい。
そのうちベリキューボが肺高血圧症の適応をとったりするのかなあ、と思いつつも、
アデムパス錠1㎎の薬価が1371.7円で1日3回だと、4115.1円というバカ高い金額で、
ベリキューボ錠5mgの薬価が230.4円で1日1回なので、比べると金額的にかなり違うので、
ベリキューボが肺高血圧症に適応をとったら、アデムパスが売れなくなる。
たとえベリキューボが肺高血圧症に適応をとらなくても、肺高血圧症に効果ありという研究結果が出れば、適応外で処方されて、アデムパスが売れなくなる。
もちろん、ベリキューボとアデムパスは併用禁忌です。
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