記事
爪水虫は塗り薬じゃ治らない?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約3分23秒で読めます.
3,033 ビュー. カテゴリ:水虫用の爪外用液
爪の水虫は飲み薬じゃないと効かないの?
爪白癬は塗り薬では治らないので、内服薬を処方すべし。
と、レセプトで切られることもあるという話を昔聞きましたが、最近は「クレナフィン爪外用液」や「ルコナック爪外用液」といった製品がある。
適応症は「爪白癬」のみ。
これで爪白癬にも外用薬を使えるようになった。
クレナフィンの使用上の注意に「直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用すること。」と書かれている。
これは皮膚科じゃないと処方できない。
クレナフィンの有効成分であるエフィナコナゾールは、トリアゾール系化合物であり、真菌細胞膜に必要なエルゴステロールの生合成を阻害し、真菌の発育を抑制又は阻止する。本薬は、爪の主成分であるケラチンと適切な親和性を有しており、投与局所に貯留しながらもケラチンとの吸着による活性低下が少なく、患部病巣の爪中や爪床で高い抗真菌活性を発揮することが期待されている。
日本薬剤師会雑誌Vol.17 No10
ケラチンと適切な親和性を有している、というのは、ケラチンとくっつき過ぎずに、爪の中まで浸透するということだ。
クレナフィンは爪水虫に効く?
白癬症の治療には、抗真菌薬が用いられる。
抗真菌薬には、ポリエン系、アゾール系、キャンディン系などがあるが、従来爪白癬に対して保険が適用されていたのは、アゾール系抗真菌薬であるイトラコナゾール(イトリゾール)とテルビナフィン塩酸塩(ラミシール)だけだった。
エフィコナゾール(クレナフィン)は、トリアゾール系に分類される抗真菌薬で、2014年9月に発売された。
適応症は爪白癬のみである。
真菌細胞膜のエルゴステロールの生合成を阻害することで菌の増殖を抑える。
爪の主成分であるケラチンとの親和性が低く、爪の表面(爪甲)の透過性に優れることから、その下の皮膚(爪床)にまで達し、爪甲下部や爪床に存在する白癬菌に対して高い抗菌活性を持つ。
薬を使用する際は、薬液のボトルと一体になったはけで、皮膚との境界部も含めて、罹患している爪全体に十分に塗布する。刺激を感じることがあるので、周囲の皮膚に付着した薬液はティッシュペーパーや綿棒などで拭き取る。薬を塗る爪の周辺に傷がある場合は特に注意する。
また、薬が効いても、患部の爪には白癬菌が残っている。
このため、爪白癬の治療には、足の爪が新しい爪に生え変わる1年~1年半ほどの期間がかかる。
爪水虫は塗り薬じゃ治らない?
塗り薬は爪の中まで浸透しないので、飲み薬で治療しないとダメです。
しかし、飲み薬の場合、副作用に肝機能障害や血液障害などがあるため敬遠する医師、患者さんも多いです。
結局、水虫で死ぬことは無いと言う事で、塗り薬で進行を抑えるというのが最善の策になるのでしょう。
爪白癬に塗り薬は全く効果が無いのかと言われると、そうではありません。
爪の表面に白い混濁をつくるだけのもの(表在白色型)は外用療法で十分で、爪の辺縁の部分だけ軽い混濁が見られるもの(遠位側縁部爪甲下型の程度の軽いもの)は先ずは外用剤で様子を見ます。
爪全体が根元から厚くなって、混濁している一番ひどいタイプ(全層異形成型)、爪の根元の部分より爪が厚くなって白癬菌におかされているタイプ(近位爪甲下型爪白癬)では内服しないと治りづらいといえます。
水虫に尿素が効く?
外用抗真菌剤を外用しても効果が得にくい場合が多く、爪を尿素剤で軟化させて除去したり、正常と病変部の境に工作用の電動ルーターなどを用いて穴を開けたあとに外用する方法が試みられている。
市販の水虫薬には尿素が配合されているものもある。
エクシブディープ10クリームは、かかとなどの奥深くに潜むしつこい水虫菌を殺菌するために、抗真菌剤に尿素10%が配合された処方になっています。尿素は硬くなったかかとなどの角質をやわらかくし、抗真菌剤が角層の奥深くの水虫菌を殺菌します。 また尿素は水虫による皮ふのカサつきやひび割れを改善します。
Q&A|水虫でお悩みの方に「エクシブ」|ロート製薬
爪には血流がなく,外用薬を普通に用いても効果はないので爪削り療法が試みられている。
表在性白色爪真菌症の場合、白癬菌が爪表層のみに存在し、外科的に白斑部を削れば容易に治癒することが多い。金属製の大きなヤスリで白濁した爪の硬い爪甲部を削り取り、その下のガサガサした白い部分(白癬菌で白く脆くなった爪)もできるだけ削り取り、そこに1日2回液体状の外用薬をたっぷり染み込ませ、場合によってその上からラップなどを被せて密封する。全治するには半年~1年かかるが、副作用の心配はほとんどない。また40%尿素軟膏で爪甲を除く方法もある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。