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ビタミンD1000IUって何μg?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約3分49秒で読めます.
11,945 ビュー. カテゴリ:ビタミンDの単位
ビタミンDの単位ってmgじゃないの?
市販のビタミンDサプリメントのパッケージに、「2粒で1000IUのビタミンD3」と記載されていた。
一瞬「1000?ワンアルファって0.5とか1.0じゃなかったっけ?」と思いきや、ワンアルファの単位はμgでした。
グリコのHPに以下のように記載されていた。
少し前はIU(アイユー)という国際単位で示されましたが、現在はμg(マイクログラム)で表されます。1μg=40IUです。
なるほど、1μg=40IUですね。つまり1000IUで25μg?
それでも多いじゃん。
過剰摂取にはならないのか?
厚生労働省の「総合医療」情報発信サイトに以下のように書かれていた。
ビタミンDの安全な上限は、幼児であれば1日当たり1,000~1,500 IU、1~8歳の小児であれば1日当たり2,500~3,000 IU、9歳以上の小児、成人、妊娠中あるいは授乳中の女性(十代女性を含む)であれば1日当たり4,000 IUです。
1日1000IUなら安全な範囲内ということです。
となると今度は「ワンアルファ少なすぎなんじゃね?」という疑念が生まれる。
しかし、ワンアルファなど医薬品のビタミンD製剤は、「活性型ビタミンD3製剤」であり、市販のものとはちと違う。
ビタミンD3(コレカルシフェロール)は肝臓と腎臓を経て活性型ビタミンD3(カルシトリオール)に変わりさまざまな作用を現します。
つまり医薬品の活性型ビタミンD3製剤は、あらかじめ活性型にしてあることで、少量でも効果が出るということ。
ビタミンDは肝臓で25位が水酸化されて25(OH)VDとなり、さらに腎臓の1α水酸化酵素で1位が水酸化されて、生物学的活性の強いカルシトリオール(1α,25(OH)2VD、あるいは単に1,25(OH)2VD)になります。25(OH)VDに比べ1,25(OH)2VDは核内VDRに約1000分の1の濃度で結合できるため、生理活性が1000倍高いと表現されます。1,25(OH)2VD は天然の活性型ビタミンDです。
第3章 ビタミンD療法のUp-To-Date|腎臓病診療の最先端特集Vol.35|腎臓ネット
活性型ビタミンD3は非活性型の1000倍効果が高い。
となると、1μgで40IU×1000=40000IUと同等の効果?
処方されるワンアルファは0.5μgが多いから20000IU程度でしょうか。
やっぱり医薬品のほうが活性は高い?
帝人のHPに以下のようなQ&Aが載っていた。
Q.ワンアルファの有効成分アルファカルシドールをビタミンDの国際単位(IU)に換算できますか?
A.アルファカルシドールをビタミンDの国際単位に換算することはできません。
んー国際単位はよくわからない。
ビタミンDは過剰にならない?
ビタミンDを過剰に摂取すると高カルシウム血症や乳児で成長遅延を起こします。
日本人のビタミンDの耐容上限量は、0~11歳で25μg/日(1000IU/日)、17歳以上では50μg/日(2000IU/日)となっています。
この耐容上限量は、習慣的に摂取しても健康障害をもたらす危険がないと見なされる量を意味しています。
すなわち、1回、2回の摂取量がこの値を超えても問題はありません。
日照による皮膚でのビタミンD3産生は調節されており、これによるビタミンD過剰症は起こりません。
ビタミンDは不足しない?
一般にビタミンDが不足状態になることはないと考えられています。
しかし最近、母乳中のビタミンDは日照時間の短い冬季でも低く、もっぱら母乳で保育された乳児では、くる病のリスクが高いことが指摘されています。
母乳の良さはありますが、母親が日焼けを避け、また食品からビタミンDを摂取しなければ、乳児にくる病を起こしてしまう危険性もあります。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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2 件のコメント
40IU✖️1000=40,000IUでは?
コメントありがとうございます。
間違えてました、修正します。