2024年12月2日更新.2,476記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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モルヒネの1日量は15mg?

麻薬の使い方

麻薬の使い方は難しい。

モルヒネには有効限界がない。そのため、いくらでも増量できるという認識がある。

しかし、あまりに添付文書の用法を逸脱していれば、個別指導で指摘されるだろう。

モルヒネ製剤には、硫酸モルヒネと塩酸モルヒネがあります。以下のような薬がある。
硫酸モルヒネ:MSコンチン錠、カディアンカプセル
塩酸モルヒネ:オプソ内服液、パシーフカプセル、モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」

各薬剤の適応症と用法用量をみると、

医薬品名効能効果用法用量
モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
激しい咳嗽発作における鎮咳
激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として1回5〜10mg、1日15mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
MSコンチン錠激しい疼痛を伴う各種癌における鎮痛通常,成人にはモルヒネ硫酸塩水和物として1日20〜120mgを2回に分割経口投与する。
なお,初回量は10mgとすることが望ましい。
症状に応じて適宜増減する。
オプソ内服液中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1日30〜120mgを1日6回に分割し経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
カディアンカプセル激しい疼痛を伴う各種癌における鎮痛通常、成人にはモルヒネ硫酸塩水和物として1日20〜120mgを1日1回経口投与する。
なお、症状に応じて適宜増減する。
パシーフカプセル中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1日30〜120mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

この中でモルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」だけは、がん以外にも適応があるので、がん以外の疼痛に処方されることが多い。

がんに用いるモルヒネの用量は、1日20〜120mgだが、モルヒネ塩酸塩錠や原末は、1日15mgとなっている。

10㎎錠なのに、用法は、「通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として1回5〜10mg、1日15mgを経口投与する。」となっていて、使いづらそうだが、1日1.5錠では済まない患者が多い。
適宜増減となってはいるが、疑義照会は必要な案件だろう。

硫酸モルヒネと塩酸モルヒネの違いは?

オピオイド系鎮痛剤の代表的な薬剤であるモルヒネには、硫酸モルヒネと塩酸モルヒネがありますが、その違いにこだわる必要はありません。

むしろ、粉薬、水薬、錠剤、カプセル、坐剤、徐放製剤(長時間効果が持続する剤形)などさまざまな剤形があり、患者さんの状況に合わせて選択することが重要です。

硫酸モルヒネと塩酸モルヒネは合成方法の違いだけで、効果、副作用、吸収は全く同じ。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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