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ワーファリンは遮光袋に入れて渡す?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約3分5秒で読めます.
11,695 ビュー. カテゴリ:ワーファリンは遮光保存?
昔から遮光保存といえばワーファリンというイメージで、特に粉砕したものなどは遮光袋に入れて患者に渡していたこともありました。
今はワーファリン顆粒があるので、錠剤の粉砕をすることはあまりありませんが。
遮光保存のレベルというのが、どの程度のものなのかはいつも迷うところ。
ワーファリンやインデラルのような赤い着色シートのものは特に、光の影響を受けると考え、遮光には気を付けるべきかとは思うが、90日分の一包化で患者に渡すときにも遮光袋で渡すということはしていない。皆さんの薬局ではどうでしょうか?
ツルハさんで以下のような研究を行っている。
遮光保存が必要な錠剤・カプセル剤の 管理レベル設定とデータベースの作成
レベルAの薬は棚ではなく、引き出しに保管する必要があるという判断である。
私の薬局では、一覧で棚に保管しているものもある。ダメなのかな。
回転率が良ければ、良いのかも知れない。
遮光保存の必要理由についても、変色だけであれば、患者説明でどうにかなることもある。含量低下については厳しくする必要はあるが。
レベルAにあるフルイトランについても、遮光保存の理由は変色だけである。
ちなみにインデラルもインタビューフォームに「2ヵ月目から8ヵ月にかけて粉末は徐々に黒味を帯びるが主薬の含量は低下しなかった。」とあり、遮光保存の理由は変色である。
ワーファリン錠の遮光については色々研究もされているようですが。
一般家庭での保存条件におけるワーファリン錠分包品の安定性の検討
直射日光を避けるように保管していただくよう説明すればOKということでしょうか。
ちなみにワーファリン錠には0.5mg/1mg/5mgの3規格がありますが、赤い着色シートは1mg錠だけです。
錠0.5mgのPTPはUVカットフィルムを、錠1mgのPTPは着色フィルムを使用しており、5mg錠はただの透明フィルムのようだ。
そもそもワーファリンの効果なんて、遮光うんぬんよりも食事によって変動ばらつきが生じやすいので、どうでもいいだろうと思わないこともないが、せめて光を避けることで、含有量に生じるバラつきは抑え安定させたいとも思う。
フルイトラン2mgは遮光保存?
薬局でフルイトランの2mgが遮光袋に入っていました。 一方、フルイトランの1mgはむき出しの状態。 フルイトランって遮光保存だっけ?
と思い、調べてみると、添付文書に、
2mg錠は,光により表面の色が退色(主薬の含量に影響はない)することがあるので注意すること。
と書かれている。 赤色3号が光で退色するらしい。
成分に影響が無い、と言われても、色が薄くなってたりすると他の薬局から譲ってもらった薬でも、かなり気になる。 遮光しておくのが無難かな。
てゆーか、添加物変えろよ塩野義、と言いたい。
フォリアミンは遮光保存?
フォリアミン錠の貯法は「開封後も光を遮り保存すること。」となっており、遮光保存である。
しかし、インタビューフォームで詳しく見ると、
フォリアミン散の含量は蛍光灯下、3か月で97%と経時的に減少しているが、フォリアミン錠については、6か月でも100.1%と変わっていない。
ということで、遮光袋での保存も必要ないだろう。
遮光保存すべき薬
現実的に、光によって含量がどの程度下がったか、ということはわからない。
外観の変化さえ無ければ、クレームにつながることは無いだろう。
逆に言えば、外観に変化の出る薬は、必ず遮光保存すべきとも言える。
「色が退色する」という記載のある薬には、以下のようなものがある。
トミロン錠:また、光により徐々に退色することがあるので、アルミピロー包装開封後の保存には注意すること
フラビタン錠:本剤は光により表面の色素が退色することがあるので、開封後の保管にあたっては、光を避けるよう留意すること。
フルイトラン錠2mg:PTPシートは、外箱開封後は遮光して保存すること。光により表面の色が退色(主薬の含量に影響はない)することがある。
ナトリックス錠2:光によりわずかに退色(有効成分の含量に影響はない)することがあるので、開封後は光を避けて保存すること。
薬の色を比べて、「色が薄いなあ」と感じたら、引き出しか遮光袋で保管するようにしましょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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