更新日:2016年10月22日.全記事数:3,131件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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お薬手帳に指導内容を書かなきゃダメ?


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お薬手帳の記載事項

2016年度の調剤報酬改定での変更点を少しずつ確認していきます。
お薬手帳については、手帳を持参しなかった患者さんが点数が高く設定されるという点が大きくクローズアップされています。
手帳を持参すると38点、持参しないと50点。
120円の差。3割負担で40円の差。

それ以外にも、細かい点で色々と変わった点もあるので見てみる。

お薬手帳に記載すべき事項としては、調剤報酬点数表に以下のように書かれている。
「ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。」
調剤報酬点数表に関する事項という通知にも以下のように書かれている。
「ウ 手帳を用いる場合は、調剤を行った薬剤について、調剤日、当該薬剤の名称(一般名処方による処方せん又は後発医薬品への変更が可能な処方せんの場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項を患者の手帳に経時的に記載すること」

指導内容をお薬手帳に手書きで記載している薬局もありますが、「必要に応じて」とのことなので、毎回する必要はないと解釈している。全くしていない薬剤師も多いだろう。

(12) (1)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。

手書きしなければならないというわけではないので、例えば、ワーファリンが処方されている場合に、納豆との相互作用の記載が自動的に印字されるようなっていても最低限OKかと思われる。

また、薬剤師名を毎回ハンコで押している薬局もありますが、特に必要ではない。
しかし以下のような記載があるので、薬局の名称や連絡先のハンコは手帳の裏表紙にでも押す必要がある。

(10) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次のアからウまでに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
ア 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
イ 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
ウ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
手帳の当該欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。
なお、手帳に初めて記載する保険薬局の場合には、保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を記載すること。

また、ふつうの手帳をお薬手帳の代用にすることもできない理由も、この記載によるものとわかる。

ただし、かかりつけ薬剤師指導料を算定している場合には、かかりつけ薬剤師名の記載も必要となる。

(4) 他の保険薬局及び保険医療機関おいても、かかりつけ薬剤師の情報を確認できるよう、患者が保有する手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称及び連絡先を記載する。

乳幼児服薬指導加算とお薬手帳への記載

乳幼児服薬指導加算を算定した場合の、お薬手帳への指導内容の記載については以下のように書かれている。
「5 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、10点を所定点数に加算する。」

必要に応じてということではなく、必ず記載する必要がある。記載しなければ加算してはならない。
おそらくこの指導内容については、自動で対応するのは難しそう。手書きで書く必要ありかも。

調剤報酬点数表に関する事項には以下のように書かれている。

(29) 乳幼児服薬指導加算
ア 乳幼児服薬指導加算(「注6」に規定する加算をいう。以下同じ。)は、乳幼児に係る処方せんの受付の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。
イ 乳幼児服薬指導加算を算定した処方せん中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うこと。
ウ アにおける確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載する。

粉薬をジュースに混ぜて飲ませてもよいとか、誤飲防止のために手の届かないところに保管するとか、指導内容を薬歴に記載する必要もある。
乳幼児服薬指導加算は、2016年の改定で5点から10点に倍増したので、個別指導で重点的に見られる可能性もあります。

また、疑義解釈に以下のように書かれている。

(問26)乳幼児服薬指導加算について、「指導の内容等について、手帳に記載すること」とされているが、手帳を持参していない患者に対して、手帳を交付又は手帳に貼付するシール等を交付した場合であっても、当該加算を算定できると理解してよいか。

(答)乳幼児服薬指導加算については、手帳を利用しているが手帳を持参し忘れた患者にはシール等を交付することでよいが、手帳を利用していない患者に対しては手帳を交付した場合に算定できるものであること。
なお、シール等を交付した患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該シール等が貼付されていることを確認すること。平成28年度調剤報酬改定Q&A その1

つまり、お薬手帳を持参していない高い点数を算定した患者に対しても乳幼児服薬指導加算は算定できるというわけだ。
お薬手帳を忘れてシールに指導内容を記載して渡した場合の乳幼児服薬指導加算の算定の可否については、色々な意見がありましたが、今回はっきりしました。

薬歴へのお薬手帳に関する記載事項

薬歴への記載項目のア~チの中に、「ソ 手帳による情報提供の状況」というものも含まれている。
つまり、薬歴に、「お薬手帳にシールを貼った」とか「お薬手帳を交付した」「シールのみ渡した」とかの記載が必要となる。

また、以下のようにも書かれているので、「手帳を忘れた」「手帳はいらない」などの理由も薬歴に記載する必要がある。

(11) 手帳については、患者に対して、手帳を保有することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。なお、手帳を保有しているが、持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導すること。

なんでもかんでも薬歴に書けってもうムリ。

手帳は1冊にまとめなくても良い?

以前は「手帳は1冊にまとめること」とされていたが、2016年の改定では以下のように記載が変わった。

(13) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していないか確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった場合については、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。

これは電子お薬手帳にも配慮した内容と解している。電子お薬手帳もまだ様々な会社のものがあるし、電子お薬手帳を導入していない薬局もあるし、デジタルとアナログを1冊にまとめることは難しい。

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職業:管理薬剤師
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