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電子お薬手帳を閲覧拒否されたら?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約3分44秒で読めます.
4,250 ビュー. カテゴリ:電子お薬手帳
電子お薬手帳が、やや普及してきた。
「お薬手帳のアプリを持ってます」という患者がくる。
うちの調剤薬局チェーンでは日薬版とは違うオリジナルのアプリを使っている。
それをスマホにインストールして使ってもらう。
で、2回目以降、「お薬手帳はお持ちですか?」と聞くと「スマホに入っています」と言われる。
「スマホをお見せいただけますか?」と聞くと怪訝そうな顔で「イヤ、大丈夫です」と返される。
だよねー。
これは、お薬手帳お忘れと同様の薬剤服用歴管理指導料50点のほうで算定していいんだよなあ、と思いつつ調べてみると・・・
お薬手帳に関する疑義解釈
疑義解釈資料の送付について(その1)
(問28)患者が電子版の手帳を持参してきたが、保険薬局が提携している電子版の手帳の運営事業者と患者が利用する電子版の手帳の運営事業者が異なる場合や運営事業者と提携していない保険薬局の場合など、薬剤師が薬局の電子機器等から患者の手帳の情報を閲覧できない場合はどのようになるのか。
(答)電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」 (平成27年11月27日薬生総発第1127第4号)の「第二提供薬局等が留意すべき事項」の4(2)に規定する一元的に情報閲覧できる仕組みが公益社団法人日本薬剤師会より提供されているので(平成28年4月1日より)、当該仕組みの活用により、患者から手帳の情報が含まれる電子機器の画面を直接閲覧することなく情報 把握することを原則とする。 このような仕組みが活用できない保険薬局においては、受付窓口等で患者の保有する手帳情報が含まれる電子機器の画面を閲覧し、薬剤服用歴に必要情報を転記した場合に限り、薬剤服用歴管理指導料を算定可能とする。この際、患者の保有する電子機器を直接受け取って閲覧等を行おうとすることは、患者が当該電子機器を渡すことを望まない場合もあるので、慎重に対応すること。 なお、このような方法で情報を閲覧等できない場合は、患者が手帳を持参していない場合の点数(50点)を算定するのではなく、薬剤服用歴管理指導料自体が算定できないことに留意すること。
電子お薬手帳の閲覧を拒否されたら、「患者が手帳を持参していない場合の点数(50点)を算定するのではなく、薬剤服用歴管理指導料自体が算定できない」。
衝撃の裏技です。
森永卓郎に知られたら、家計の節約術として世に広まる可能性大です。
「お薬手帳のアプリを持っています。でもスマホは見せたくありません」で安くなるわけです。
これは実際にアプリを使っていなくても使える技です。なんてこった。
電子版お薬手帳とはどのようなものか
薬局・患者間の情報の受け渡し方法によって大きく2つのタイプに分けられる。
1つは、お薬手帳のシールを渡すように、電子データそのものを患者に渡すというもの。
レセコンに入力されている情報の一部をQRコード(マトリックス型二次元コード)に変換し、それを患者の携帯電話のカメラ機能で読み込んでもらうという仕組みがこれに該当する。
もう1つは、薬局がレセプトコンピューターから別のサーバーに情報をコピーしておき、患者が携帯電話やパソコンなどを使ってそのサーバーにアクセスし、一元的に管理できたり、ネットワーク上で薬局と患者がつながる点で、情報活用の幅が広がる。
シールだけください
以前はお薬手帳のシールだけもらうと安くなる、という時期もあったので、いまだに「シールだけください」というのが情強だと勘違いしている患者もいる。
ただ単に手帳を忘れてきて、新しい手帳を作るのがもったいないからシールだけでいいという患者もいる。
今は、シールだけ渡す、あるいは新しい手帳にシールを貼って渡したとしても、経時的な情報をみることができないので、高い点数を算定されてしまうのです。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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