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シュアポストとプラビックスの併用で低血糖?
公開. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分36秒で読めます.
1,872 ビュー. カテゴリ:シュアポストとプラビックスとCYP2C8
2016年1月の添付文書改訂で、シュアポストとプラビックスの併用が「併用注意」に記載されました。
糖尿病用薬のシュアポストと、抗血栓薬のプラビックスの併用は、よくありそう。
うちの薬局にもいたかも知れない。
まあ、併用注意なんで、医師の判断で投与される組み合わせ。
疑義照会するレベルではない。
と、思いきや、その併用は重度低血糖を招くレベルのリスクをもたらす可能性があるようだ。
プラビックスの添付文書をみると、
相互作用 併用注意
薬物代謝酵素(CYP2C8)の基質となる薬剤
レパグリニド臨床症状・措置方法 レパグリニドの血中濃度が増加し、血糖降下作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子 本剤のグルクロン酸抱合体によるCYP2C8阻害作用により、レパグリニドの血中濃度が増加すると考えられる。薬物動態 参考(海外データ)
レパグリニド
健康成人にクロピドグレル硫酸塩(1日1回3日間、クロピドグレルとして1日目300mg、2~3日目75mg)を投与し、1日目と3日目にレパグリニド(0.25mg)を併用した結果、レパグリニドのCmax及びAUC0-∞は、レパグリニドを単独投与したときと比較して1日目は2.5及び5.1倍、3日目は2.0及び3.9倍に増加した。また、t1/2は1.4及び1.2倍であった。
シュアポストのCmaxが2倍以上となっております。
シュアポスト自体、他のグリニド系に比べて低血糖のリスクの高い薬なので、その血中濃度がさらに上がるとなると、低血糖にはより一層の注意が必要となる。
この組み合わせはカナダでは併用禁忌となっているそうだ。低血糖という副作用の重篤度を考えると、日本でも併用は避けるべきだ。
CYP2C8ってチトクロムP450の中ではあまり馴染みが無い。
てゆうか、馴染みがあるのはCYP3A4しか無いんですけどね。
シュアポストの添付文書のほうでは、
デフェラシロクス(エクジェイド)
クロピドグレル (プラビックス)
スルファメトキサゾール・トリメトプリム(バクタ)
が、CYP2C8阻害作用による併用注意として挙げられている。
シュアポストとバクタの併用にも注意を要するようだ。
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