2019年3月22日更新.3,397記事.5,981,261文字.

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前立腺の薬で血圧が下がる?

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前立腺肥大症と高血圧

前立腺肥大症に使われるα1遮断薬は、高血圧に降圧剤としても使われる。

α1遮断薬には、ハルナールフリバスユリーフエブランチルハイトラシンバソメットカルデナリンデタントールミニプレスがあります。
適応症の違いから、
高血圧のみに適応のあるもの:カルデナリン、デタントール
排尿障害のみに適応のあるもの:ハルナール、フリバス、ユリーフ
高血圧と排尿障害に適応のあるもの:エブランチル、ハイトラシン&バソメット、ミニプレス
に分けられます。

泌尿器科からハルナール、内科からカルデナリンという処方が来たら要注意です。

血管平滑筋に対する選択性と、尿路平滑筋に対する選択性の違いです。
これにはα1受容体のサブタイプが関係します。
前立腺に分布しているのが、α1A受容体とα1D受容体。
血管に分布しているのが、α1B受容体です。

α1A受容体に選択性の高い薬が、ユリーフとハルナール。
α1D受容体に選択性の高い薬が、フリバス。
ユリーフはα1D受容体にほとんど働きませんが、ハルナールはα1D受容体にも少し作用します。

これらの薬が前立腺肥大症によく使われます。
前立腺肥大症の患者さんは、排尿困難(尿の出にくさ)がありますが、それに加えて頻尿などの膀胱刺激症状のある患者がいます。
α1D受容体は膀胱にも多く分布しているので、頻尿などの膀胱刺激症状のある患者さんにはフリバスが適しています。ハルナールでも少しは効果が期待できます。

α遮断薬

この薬は、血管平滑筋にある血管を収縮させるホルモン(カテコールアミン)が特定部位(α受容体)に結びつくのを遮断し、血管を拡げて血圧を下げる薬です。

早期の高血圧に対して眠前投与などの投与法が用いられる。
長時間作用型では頻脈が少ない。
血清コレステロール低下や、HDLコレステロール上昇など脂質代謝に対し好影響を有する。
初回投与現象として起立性低血圧によるめまい、動悸、失神があるため、少量より開始し漸増する。

交感神経末端の平滑筋側α1受容体を選択的に遮断。
交感神経末端側の抑制系α受容体は阻害せず、頻脈は少ない。
前立腺肥大症に伴う排尿障害に適応。

褐色細胞腫では手術前の血圧のコントロールに、早朝の高血圧では眠前投与で用いる。
脂質代謝に好影響(TC・TG・低下、HDL上昇)。
腎障害にも使用可。

α1D受容体とフリバス

α1遮断薬は、α1 受容体を選択的に遮断し、末梢血管抵抗性を減少させることにより、降圧作用を示す。
α1受容体はα1A、α1B、α1Dのサブタイプが知られており、前立腺組織にはα1A受容体とα1D受容体が、血管平滑筋にはα1B受容体が多く発現している。

したがって、α1B受容体に比べてα1A受容体やα1D受容体への選択性が高い薬剤の方が血圧低下などの副作用が少ないと考えられている。
ユリーフは特にα1B受容体に比べてα1A受容体の選択性が高く、前立腺への効果をより高く発揮できる薬剤として開発され、プラセボ、タムスロシンを対照とした比較試験において、その有用性が確認されている。

また、前立腺におけるα1A受容体とα1D受容体の発現量を比較すると、α1A受容体の方が多く発現しているとされている。
しかし、α1D受容体は膀胱平滑筋や脊髄にも多いため、α1D受容体への親和性が比較的高いフリバス(ナフトピジル)は、畜尿機能障害への効果が高いとの報告もある。

また、前立腺においてα1D受容体の発現が優位な患者もおり、そのような患者ではフリバス(ナフトピジル)がより効果的との報告もある。
もっぱら、選択的α1受容体遮断薬が用いられる。
初回より大量に投与するのは、副作用の観点から注意を要する。
高齢者では起立性低血圧に注意が必要である。
耐糖能や脂質への好都合な作用が特徴的といえる。

他の降圧薬に比べて心保護作用、心不全抑制作用が弱い傾向にあると考えられるが、他の降圧薬との併用時、良いパートナーとなる。
α1遮断薬はそれ自身体液貯留傾向があり、心不全の予後を改善しないとされ、第一選択薬からは外れている。
近年では、早朝高血圧の抑制を目的として就寝前に用いることが多くなった。

前立腺肥大症状を有する高齢男性では、降圧以外の効果が期待できる。
・主として、初回投与効果についての注意を喚起する指導が必要である。ことに高齢者では起立性低血圧に関する説明が必要である。

α1遮断薬は降圧作用に基づくめまいやたちくらみが現れることがあるため、高所作業、自動車の運転等には十分に注意するよう指導する。
女性の閉塞症状には非選択的α1阻害薬であるウラピジル(エブランチル)に保険適用が認められている。

血管にもα1Aサブタイプは多い

アドレナリンαl受容体はα1A、α1B、α1Dの三つのサブタイプに分類されます。
ヒトの場合は、アドレナリンα1A受容体は脳、心臓、肝臓、前立腺に多く存在することが知られています。
薬物治療では、前立腺のα1A受容体を遮断することで前立腺・前立腺部尿道の平滑筋を弛緩、尿道内圧を低下させて排尿困難を改善します。

実は、血管にもα1受容体が多く、ほとんどのサブタイプが分布していますが、もっとも多く発現しているのはα1Aサブタイプです。
しかし、加齢にともなってα1Aからα1Bへのサブタイプの転換があることから、前立腺肥大症の症状を呈するような年齢ではα1A受容体に選択的な桔抗薬を用いても、血管への影響を少なくさせることが可能だと考えられています。

実際、α1受容体桔抗薬を治療に用いた場合には、副作用として起立性低血圧やめまいなどが認められていますが、α1A受容体に選択性の高いものでは、このような副作用の発現頻度が低いことが知られています。

α1遮断薬で尿漏れ?

α1遮断作用を持つハルナールやユリーフなどの薬は、前立腺肥大による排尿障害などを改善する目的で投与されるが、過度にα1受容体が遮断されることにより、内尿道括約筋が弛緩し、尿失禁などを起こすことがある。

排尿障害

排尿障害は、畜尿障害(尿失禁:畜尿時膀胱に尿を保持できない)と、排出障害(排尿困難、残尿、尿閉)に分けられます。

排尿障害は、閉塞症状(尿が出にくい)と畜尿症状(尿が近い、切迫感)よりなる。
男性の排尿障害に対する薬物療法の第一選択は、交感神経選択的α1阻害薬である。
選択的α1阻害薬の服用により眼科手術中に術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)が生じることがあり、眼科手術予定患者では眼科医に連絡する必要がある。
PDE-5阻害薬であるタダラフィル(ザルティア)は平滑筋の弛緩と膀胱血流の増加作用があり、畜尿症状を改善する。
処方に際しては尿流量測定や前立腺エコー検査の評価が必要である。
症状が軽度な患者には単剤で、閉塞症状を伴う場合には選択的α1阻害薬と併用する。
亜硝酸薬を内服している場合には禁忌である。
植物製剤であるエビプロスタットは副作用が少なく抗炎症作用があり、畜尿症状に有効である。
漢方薬では、八味地黄丸、牛車腎気丸が排尿障害に用いられる。
両剤とも地黄を含むため、胃腸障害に注意する。

女性の閉塞症状には交感神経非選択的α1阻害薬のウラピジルが保険適用である。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

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呼吸抑制の副作用に大きく関わるのは?

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薬剤師

2019年までに、「リン酸コデイン」などの麻薬性鎮咳薬は12歳未満への投与は禁忌となるが、呼吸抑制の副作用に大きく関わっているものはどれか。
A. CYP3A4
B. CYP2D6
C. グルクロン酸抱合
D. P糖タンパク

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