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イメンドとプロイメンドの違いは?
公開. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約1分23秒で読めます.
6,880 ビュー. カテゴリ:抗癌剤による吐き気とニューロキニン受容体
イメンドの処方は薬局でたまに見かけますが、プロイメンドの処方を見ることは無い。
プロイメンドは点滴用。
抗癌剤の投与で吐き気が生じるメカニズムは幾つかあり、その1つに、抗癌剤の投与によりサブスタンスPの分泌が亢進し、これが中枢神経系のニューロキニン(NK1)受容体に結合することで誘発される機序がある。
アプレピタント(イメンド)はNK1受容体に選択的に結合し、中枢性嘔吐反応を抑制する。
イメンドには125mgカプセルと80mgカプセルがあり、通常、抗がん剤投与の60~90分前に125mgを、翌日と翌々日の2日間は80mgを1日1回、午前中に服用する。
アプレピタントとホスアプレピタントメグルミン
ホスアプレピタント(プロイメンド)は、アプレピタントをリン酸化したプロドラッグである。
静脈内投与後、体内の脱リン酸化酵素によって速やかにアプレピタントに代謝されて薬効を示す。
プロイメンドは150mgを抗癌剤投与の60分前に投与する。
ホスアプレピタントは点滴静注製剤だが、抗癌剤の点滴時であれば静脈ルートも確保されているため使用しやすく、投与が1回で済むため患者の利便性が高い。
また、服用を忘れたりする患者や、虚弱状態または悪心・嘔吐により経口摂取が困難な患者でも確実に投与が可能なのも利点である。
ホスアプレピタント(150mg)の静脈投与は、アプレピタント(285mg)を3日に分けて内服したのと同等の制吐効果(非劣性)を示すことが、臨床試験で確認されている。
剤形により投与量が異なるのにも関わらず、効果が同等である理由は、経口カプセル剤のバイオアベイラビリティが低いことによる
125mgカプセルのバイオアベイラビリティは59%、80mgカプセルは67%であり、同じ全身循環量を達成するには注射薬よりも多く投与する必要がある。
参考書籍:日経DI2015.9
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