更新日:2017年1月21日.全記事数:3,096件.今日の勉強

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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アカシジアとむずむず脚症候群の違いは?


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パーキンソン病で足がむずむずする?

パーキンソン病患者さんで、足がむずむずするという訴え。
パーキンソン病の治療は脳神経外科のほうで、レボドパが処方されている。
むずむず脚のほうは整形外科で、ドパミンアゴニストが処方されている。

それぞれにおくすり手帳で確認はしているようなので、把握はしているらしいが、なんか釈然としない気もする。

どちらもドパミン欠乏という一連の病態と考えれば、同一の医師による治療が望ましいような。

むずむず脚症候群ではなく、レボドパの副作用であるアカシジアである可能性もあるし。

むずむず脚症候群なのかアカシジアなのか、はっきりとした診断はできるのかどうか。
治療を優先して副作用を我慢すべきか。

むずむず脚症候群とアカシジアの見分け方としては、むずむず脚は寝るときやじっと座っているときにむずむずしますが、アカシジアはそうとは限らない。
むずむず脚は足を揉んだりすると緩和したように感じるが、アカシジアはそうでもない。

抗精神病薬でソワソワする?

アカシジアに対しては、アーテンなどの中枢性抗コリン薬がよく用いられる。
このほか、ジアゼパムやクロキサゾラムなどのベンゾジアゼピン系抗不安薬、β遮断薬のプロプラノロール塩酸塩も有効である。

むずむず脚症候群の症状は足だけじゃない?

むずむず脚症候群と聞くと、足だけに症状が出そうですが、全身に現れる人もいます。

症状が出るのは主に下肢の部分ですが、腰から背中やまた腕や手など全身にまで症状が出る人もいます。

症状としては、「むずむずする」・「じっとしていられない」・「痒い」だけでなく、「ピンでなぞられているような」・「針で刺すような」・「火照るような」・「蟻やミミズなどの虫が這っているような」など、異様な感覚が現われ時には「振動」のような感覚まで感じたりする場合もあります。また「激しい痛み」を感じるなどさまざま。

この苦しさは「脚の中に手を突っ込んでかき回したいぐらい苦しい」と表現する患者もいて、この症状の辛さを表しています。

足がむずむずするのはなぜ?

例えば靴下やズボンを履いていると、その感覚は常に中枢に伝わっています。

しかし、その感覚を常に感じていると不快なので、中枢は末梢から上がってくるこうした感覚を抑制します。

その働きをしているのが、ドパミン作動性ニューロンの1つであるA11細胞群です。

A11細胞群は、神経突起を視床下部や脊髄にまで伸ばして、ドパミンを神経伝達物質として末梢と中枢の情報処理に関与していると考えられます。

そこで、このA11細胞群が何らかの理由で機能低下を起こすと、下肢の不快感をコントロールできず、異常な感覚が感知されると推測されています。

実際、血液脳関門を通過するドパミン作動薬でRLS症状は改善し、ドパミン拮抗薬で症状は悪化します。

A11細胞群の機能が低下する原因としては、まず遺伝的背景が考えられます。

RLSは散発的にも生じますが、常染色体優性の家族的発現があることが明らかになっており、RLS患者さんの一等親における危険性は、一般の3~6倍と言われています。

また、ドパミンを合成する際には補酵素として鉄が必要ですが、鉄の欠乏によってRLSが発症し、鉄剤の補充によって症状が改善することも明らかになっています。

レストレスレッグス症候群に似た病気

①アカシジア
アカシジアはずっと座っていられず、落ち着かないなどの運動不穏が常にみられ、顔や舌などの部位にも症状が現れます。
また、アカシジアは日内変動がありません。
一方、レストレスレッグス症候群の症状は、安静時や睡眠時など静かにしている状態でみられ、通常下肢に起こります。
アカシジアと診断された患者さんで、夜間に症状が悪化したり入眠困難で不眠がみられる場合、レストレスレッグス症候群の可能性があります。

②うつ病
うつ病などの感情障害では、不眠が高頻度に現れ、疲労感や日中の機能低下などの症状がみられます。
レストレスレッグス症候群によってもうつ症状を伴うことがあるため、睡眠などに関する詳細な病歴聴取が必要です。
また、身体表現性障害の症状がレストレスレッグス症候群に酷似することがあるため、その可能性にも注意が必要です。

③痛む脚と動く足趾症候群
足または下肢の疼痛、不快感と足趾の不随意運動を特徴とします。
レストレスレッグス症候群とは異なり、運動によって症状が軽減することはなく、睡眠中は不随意運動が消失します。

④ミオクローヌス
ミオクローヌスは身体の一部に起こる不随意の短時間の筋収縮で、鑑別診断時には、詳細な病歴聴取が重要となります。

⑤多発性神経障害
神経が障害を受けた場合、種類によっては痛みやしびれなどの感覚障害が現れることがあります。
神経障害では安静時の症状悪化はみられず、運動による症状改善や夜間に症状が悪化することもありません。

⑥下肢血管疾患
下肢血管疾患では疼痛が現れる場合があります。
レストレスレッグス症候群では動くことによって症状が軽減しますが、血管性跛行のある患者さんは通常歩くことによって痛みが悪化し、安静にすると症状が改善します。

⑦カウザルギー・ジストニー
カウザルギー:末梢神経などの損傷により、持続性の激しい(強い)疼痛や灼熱感を伴います。
ジストニー:中枢神経系の障害により筋肉が不随意・持続的に収縮し、姿勢異常や硬直、痙攣といった症状が起きます。

むずむず脚症候群は睡眠障害?

むずむず脚症候群は睡眠障害のカテゴリーで扱われることが多い。

むずむず脚症候群の症状には日内変動ががあり、夕方から夜間にかけて最もひどくなる。

入眠時に症状が現れるため、なかなか寝付くことができず、寝付くまでに30分~2時間以上もかかるため、睡眠障害を引き起こす重要な疾患のひとつとして位置付けられている。

重度のむずむず脚症候群の患者では、夜間の総睡眠時間が5時間未満となり、睡眠障害はかなり深刻な問題となる。

夜間眠れない分、体力の消耗が進み、日中の眠気、疲労・倦怠感などが強まり、仕事や学業に支障をきたすことにになる。

さらに、抑うつなどの気分の変調を伴うことも多く、むずむず脚症候群患者のQOLは2型糖尿病より低く、うつ病患者と同程度になるとの指摘もある。

睡眠薬が処方される病気は?

睡眠薬を処方される患者は、不眠症。
安直にそう考えます。
しかし、そうとは限りません。

確かに、眠れない、という訴えはあるのでしょう。
その訴えを聞いて、医師は睡眠薬を処方した。

しかし、入眠障害や中途覚醒を訴える患者の中には、就寝時に足が勝手にびくびくと動いたり火照りを感じて眠れなくなる、「むずむず脚症候群」が隠れていることも。
ほかにも「睡眠時無呼吸症候群」「うつ病」など隠れた疾患の存在にも注意を払うべきです。

錐体外路症状

錐体外路症状とは、黒質線条体のドーパミン受容体の78%以上を抗精神病薬が遮断したときに起こる副作用です。
EPS (Extrapyramidal symptoms)とも呼ばれます。

延髄に錐体という部分があります。
そこには筋肉に動かそうという人の意思を伝える神経の線維が通っていて、この神経の通り道を錐体路といい ます。
人は運動という行為のなかで、動かした筋肉を“思った位置まで動かしていく”という随意の部分しか自覚していませんが、実は筋肉を “ちょうどよい位置に止める”という不随意の隠された行為があって、運動は成立しています。
この後者を司る神経線維群が通る道を錐体外路といいます。
自動車で例えるなら、錐体路系がアクセル、錐体外路系がブレーキで、これらをうまく制御して運動を円滑にしているのです。
錐体外路症状が発現すると、歩行や嚥下など広い範囲にわたる不随意運動が障害されます。

黒質線条体は、黒質から大脳基底核までをつなぐ経路です。
正常な黒質線条体経路では、コリン作動性神経による「興奮」と、ドーパミン神経に よる「抑制」との均衡がとれており、運動が調節されています。
しかし抗精神病薬によってドーパミン受容体が過剰に遮断されてしまうとその均衡がくずれ、 アセチルコリンの遊離を抑制できなくなり、興奮の信号が過剰に伝達されてしまいます。
そのために大脳基底核が担っていた運動の調整機能が作動しなくなり、錐体外路症状が起きます。
錐体外路症状には次のような症状群があります。

アキネジア、パーキンソン病様症状

筋緊張が冗進して筋肉がなめらかに動かず運動が減少するもの(筋強剛、振戦、小刻み歩行、すりあし歩行など)。

ジストニア

筋緊張が異常となり、強直、 捻転が生じ奇妙な姿勢となる。
抗精神病薬の投薬初期や増量によって早期にみられる。

アカシジア

手や足に不快感が生じ、特に足の不快がひどいために歩き回り、じっと座っていられない(静座できない)状態。

遅発性ジスキネジア

抗精神病薬を長期(数か月から数年)服用したあとに急に発現する症状。
口部にみられるオーラルジスキネジアは何も食べていないのに絶えず口をモグモグと咀嚼運動のように動かしたり、舌を出したり戻したりを繰り返したりするため、非常に目立ち、患者さんの苦痛は大きい。
睡眠中には症状はみられず、しゃべっているときも比較的症状は緩和されるケースが多いが、なかには会話が困難になるケースもある。また、ストレスや緊張が高いと症状は悪化する。

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