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マクロライドが嘔吐の原因?
公開. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約1分19秒で読めます.
1,239 ビュー. カテゴリ:乳児肥厚性幽門狭窄症ってどんな病気?
乳児肥厚性幽門狭窄症とマクロライド系抗菌薬
乳児の嘔吐の原因としてしばしばみられる乳児肥厚性幽門狭窄症。
乳児肥厚性幽門狭窄症とは、胃の出口にある幽門の筋層(幽門括約筋)が厚くなることにより通過障害が起き、母乳などがその先の十二指腸へ流れなくなり、噴水上の嘔吐を繰り返す病気です。
通常は生後2〜3週で嘔吐が始まり、嘔吐は回数、量ともに次第に増加し、噴水状になります。日本では、出生1000人あたり1人程度で、乳児期に外科治療を受ける消化器の病気のなかでは、比較的多い病気のひとつです。
発症原因は不明だが、生後早期の児へのマクロライド系抗菌薬(多くはエリスロマイシン)投与との関連が報告されており、妊娠・授乳中の母体使用による発症が懸念されている。
マクロライド系抗菌薬は上気道・下気道感染症や性感染症などに広く使用されている。これまでに妊娠中から授乳期の女性やその児への使用による乳児の肥厚性幽門狭窄症(IHPS)との関連を示唆する報告があり、エリスロシン錠の添付文書には、小児等への使用上の注意として「嘔吐等の症状に注意すること。新生児、乳児で、肥厚性幽門狭窄があらわれたとの報告がある。」との記載がある。その他のマクロライド、ジスロマックやクラリスにはそのような記載はみられない。
産後2週間以内の母体使用と肥厚性幽門狭窄症(IHPS)リスク増加を示唆する報告があるが、一方で、この報告を含む授乳期の母体使用に関するメタアナリシスでは関連はみられず、結論は出ていない。
小児に比較的安全であるとして使用されているマクロライド系抗菌薬ですが、安易な使用に注意する必要があります。
かといって、テトラサイクリンとかニューキノロンは使いにくいし。
ペニシリンとかセフェムとかが良いのかな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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