更新日:2016年12月21日.全記事数:3,091件

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透析患者にアスパラCAは禁忌?


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カルシウムで動脈硬化?

透析患者さんの場合、先ず血液中のカルシウムの量が減少します。
これは、腎臓にはカルシウムを吸収するためのビタミンDを活性化する機能があり、腎不全によってその機能が落ちてしまうため、腸管からの吸収ができなくなってくるためです。

そして、副甲状腺からPTHというホルモンが多量に放出されます。
PTHは腎臓からのカルシウム吸収を促す働きと、骨からカルシウムを取り出す働きをします。また、血液中のリンの腎臓からの排出を促す働きもあります。
腎不全患者さんは、腎臓からのカルシウムの吸収・リンの排出ができないので、必然的に骨からカルシウムがどんどん出て行きます。

結果、骨がもろくなったり、高カルシウム血症で食欲不振や嘔気嘔吐、血圧上昇、酷いと昏睡を起こします。

また、リンとカルシウムはどちらも骨を作るのに重要な物質なので、カルシウムとリンの両方が高値になると、血管を通って骨とは関係ない場所に骨のような物質の結晶を作ります(異所性石灰化と言います)。
これが血管内で起きると動脈硬化から脳・心筋梗塞になったり、関節で起きると関節痛や動かしにくさ、あと肺で起きれば慢性呼吸不全などになります。

透析患者の高リン血症にカルシウムが効く?

リン吸着剤として炭酸カルシウム(カルタン)が使われる。

そこで、カルシウムとリンの関係について調べる。

カルシウムとリンは仲がいい。

くっついてリン酸カルシウムになる。

カルタンを飲めば、消化管内でリン酸カルシウムになって、リンの排泄を促進するわけです。

透析患者にはカルタン?

じゃあ、カルタンじゃなくてアスパラCAみたいなカルシウム剤を使ってはダメなのか。

しかし、アスパラCAみたいなカルシウム製剤は、重篤な腎不全に禁忌となっている。

PTHの働きで高カルシウム血症になりやすいから。

1) カルシウムの吸収度合いが違う。
   沈降炭酸カルシウム >> 炭酸カルシウム
   (カルシウムの補給という観点から両剤を比較すると上記のとおり。)沈降炭酸カルシウムと乳酸カルシウムの違い 神奈川県横須賀市久里浜「地域密着」のタカヤマ薬局ブログ

カルタンのほうが高カルシウム血症になりやすそうですね。

とにかく保険請求上使いやすいのがカルタンってことです。

透析患者は低カルシウム?高カルシウム?

透析患者の合併症として、二次性副甲状腺機能亢進症というのがあります。

腎機能低下により副甲状腺機能が亢進する。

そのメカニズム。

腎機能が低下すると、腎臓でビタミンD3が活性化されなくなる。

活性型ビタミンD3が不足すると、腸から吸収されるカルシウムが減って、血液中のカルシウムが減る。(低カルシウム血症)

カルシウムとリンはバランスを取り合っていて、血液中のカルシウムが減るとリンが高くなる。

バランスを取るために血液中のカルシウムを補おうとして、骨からカルシウムを取り出す作用を持つ副甲状腺ホルモンの分泌が亢進する。

さらに透析患者の場合、尿が出ないため、尿からのリンの排泄も低下していて、ますます血液中のリンが高くなって、ますますカルシウムが足りなくなって、ますます副甲状腺ホルモンの分泌が盛んになります。

それにより、どんどん骨からカルシウムが取り出されて、骨がもろくなって骨折したり、関節炎になったり、血液中のカルシウムとリンが多くなりすぎて、血管や内臓に骨のようなカルシウムが沈着したりします。(高カルシウム血症、高リン血症)

基本的に透析患者は低カルシウム血症なのですが、二次性副甲状腺機能亢進症をきたすと、高カルシウム血症に転じるわけで。

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