更新日:2015年10月22日.全記事数:3,117件.

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プラビックスとPPIの併用はダメ?


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プラビックスとネキシウム

CYP2C19で代謝を受けるPPIとの併用による、クロピドグレルの効果減弱の可能性が報告されている。

これはPPIがCYP2C19で代謝され、活性代謝物になるプロドラッグであることが関係しており、両薬剤のCYP2C19の競合阻害が生じることで、クロピドグレルの活性代謝物の生成が低下し、血小板凝集抑制効果に影響を与える懸念がある。

しかし、ネキシウムとクロピドグレル併用に関して現在のところ添付文書上の記載はない。

COGENT試験(わが国で実施された無作為化二重盲検試験)においても、PPIとクロピドグレルの併用は、臨床的には心血管イベントのリスクに影響を与えるほどではないとする報告もある。

さらに、ネキシウムはCYP2C19の寄与率が低く、クロピドグレルに与える影響は、他のPPIよりも低く可能性が示唆されるが、今後さらなるエビデンスの収集が待たれる。

参考書籍:調剤と情報2012.2

プラビックスとPPI

クロピドグレルと低用量アスピリンの併用による消化管出血リスクを抑えるために、PPIやH2RAが潰瘍予防のために併用されます。

クロピドグレルはCYP2C19で活性体になるプロドラッグであることから、CYP2C19に影響を与えるPPIとの相互作用が問題になります。

オメプラゾールとランソプラゾールに関しては、
その主たる代謝酵素はCYP2C19であるため、クロピドグレルと併用した場合、CYP2C19を競合的に取り合うことになります。

そうなればオメプラゾールやランソプラゾールは分解が遅くなるため、効果が増強されることが予想されます。

一方、クロピドグレルの効果は減弱する可能性があり、実際に海外では、オメプラゾールおよびランソプラゾールの併用によりクロピドグレルの抗血小板効果が減弱するという報告があります。

それを受けて米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)は併用を避けるように勧告し、日本でも厚生労働省が、クロピドグレルの「併用注意」欄にオメプラゾールを追記するように指示しました。

なお、CYP2C19を介した代謝を受けないとされているラベプラゾールナトリウムは理論的にはクロピドグレルの効果に影響を及ぼさない可能性が高いと考えられます。

しかし最近になって、クロピドグレルとPPIの併用は問題ないとする報告が出てきています。

2010年11月、クロピドグレルとオメプラゾールの併用は上部消化管出血を抑え、心血管系イベントに影響しないとする前向きランダム化比較試験の結果が報告され、併用はむしろ積極的に行われるべきとの意見もあります。

このようなデータを参考にするときに気をつけたいのは、CYP2C19には遺伝子多型が存在するため、その代謝速度には個人差があることです。

日本人では、代謝の速いEM(extensive metabolizar)が約40%、中間のIM(intermediate metabolizar)が約40%、代謝の遅いPM(poor metabolizar)が約20%となっており、欧米人ではEMが約70%であるのに比べると、遺伝的なCYP2C19活性低下症例の頻度が多いことも考慮する必要があると考えます。

欧米ではクロピドグレルとPPIの併用が心血管リスクを高めるとして問題になっていますが、一方、前述のとおりクロピドグレルとPPIの併用は問題ないとする報告も出されており、現時点では、クロピドグレルとPPIの併用の是非については、まだ一定の見解がありません。

「非」と考える場合は、クロピドグレルの添付文書でオメプラゾールは併用注意と記載されているため、疑義照会で、ラベプラゾールナトリウムへの変更を提案することが勧められます。

胃腸障害が起きた場合は、消化管出血リスクを抑え、心血管イベントを予防することが最も大切です。

日本人でのエビデンスが出るまでは、心血管系イベントのリスクを考慮し、高齢者などの症例によってはH2RAの使用も含めて検討する必要があると考えます。

参考書籍:調剤と情報2011.7

プラビックス

同じチエノピリジン骨格を有するチクロピジン塩酸塩と同等の血管性イベント抑制効果と安全性において優越性あり。

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