2018年10月15日更新.3,348記事.5,690,241文字.

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レボドパはレモン水で飲むといい?

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胃酸とレボドパ

レボドパは酸に溶けやすく水に溶けにくい性質があり、胃液のpHが低いほうが吸収がよい。

そのため、胃酸分泌の低下があるときはレモン水で飲むとよい。

PPIなどが併用されている場合は特に注意。

レボドパは酸性条件下で溶けやすい性質を持ち、胃酸で溶けて十二指腸で吸収されます。

パーキンソン病は50~60代の中高年齢者に多い疾患ですが、加齢に伴い胃酸分泌が低下すると、レボドパの吸収が低下する場合があり、酢の物やかんきつ類のジュースの摂取で胃内環境を酸性に近付けるように医師から指導されるケースもあります。メネシットは酢やレモンと一緒に摂ると良い? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

レボドパは酸性の飲料で摂取したほうがよい。

逆にアルカリ性飲料(牛乳など)で摂取したらどうなるか。
レボドパはアルカリ性下で酸化分解が促進されるため、効果が低下することも考えられる。
しかし、メネシットを牛乳で飲んですぐに胃の中に入るのであれば、胃内ではアルカリ性のままでは無いので、効果が減弱するとは考えにくい。牛乳に入れて放置するのはやめよう。

同じ理由から、レボドパ製剤と酸化マグネシウムの混合は避けるべきと考えられる。
メネシットとマグラックスを一緒に懸濁しちゃダメ? : くすりの勉強 -薬剤師のブログ-
牛乳に入れたままにすると、黒くなってくるのかな。

レボドパとPPIの併用

レボドパとカルビドパは、酸性で吸収されやすく、中性・塩基性で吸収されにくい特徴がある。
酸化マグネシウムなどのアルカリ性の内服薬やH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの制酸薬と併用すると、胃内pHが上がってレボドパの吸収が阻害され、効果が減弱する可能性がある。

レボドパの吸収は食事内容や食事の時間にも影響を受ける。
レボドパはその分子構造中にカルボキシル基とアミノ酸に類似した構造をしているため、吸収過程で腸管内のアミノ酸と競合拮抗する。
そのため、レボドパ製剤服用中に高蛋白食を摂食するとレボドパの作用が減弱する可能性がある。

食後投与では、絶食時投与に比べて、投与後2時間までの血中濃度時間曲線下面積(AUC)は平均27%、最高血中濃度(Cmax)は平均29%減少し、そのピークは平均34分遅れるとの報告がある。
食後より空腹時に投与した方が薬剤の血中濃度が上昇するため、効果を増強させるために、服用時点が食後から空腹時に変更される場合もある。

また、パーキンソン病の患者は、消化管運動が鈍く胃排泄能が低下していることが多いため、ガスモチンやナウゼリンを併用して薬剤の小腸への移行を促進させる場合もある。
そのほか、レボドパは消化管内で鉄とキレート形成することが報告されているので、鉄剤との併用にも注意が必要である。

参考書籍:日経DI2018.5

レボドパの吸収を高める方法

レボドパは代謝されやすい薬で、しかも連用による効果減弱もみられる薬なので、バイオアベイラビリティを高めるために色んな策がとられることがある。
レボドパは胃酸、酸性の水に溶けることが知られており、胃の中が充分に酸性に維持されていないと薬が溶けずに吸収が悪くなってしまう可能性があります。

高齢者の場合、胃の機能が低下して胃酸が充分に分泌されず、胃の中に少量の食物が入っただけでも酸が中和され、結果としてレボドパ製剤の吸収が悪くなることがあります。
さらに、レボドパはアミノ酸の一種であり、体内に吸収される際にアミノ酸の通路を通りますが、食物中の蛋白質はアミノ酸に分解されて、同じ通路から体内に吸収されるため、服用時に消化管内に蛋白質があると、レボドパの吸収を邪魔してしまう場合があります。
従って、レボドパ製剤は、食事と30分以上の時間間隔を開けて内服した方が効率的に吸収されると考えられます。
主治医の指導のもとで、食後にこだわらず食前や食間に飲むのも方法と思います。
不足した胃酸を補う意味で、レボドパ製剤の内服時にレモン水やお酢などを併用したり、飲む前にレモン水にレボドパ製剤を溶かして内服する方法も、吸収を高める良い方法と思います。

パーキンソン病は、神経変性疾患の1つで、中脳の黒質に存在するドパミン神経が、次第に変性・脱落(細胞死)することで、神経伝達物質のドパミンが合成されなくなり、線条体においてドパミンが欠乏して起こると考えられている。
症状として、静止時振戰、筋固縮、無動などの運動症状や、うつ傾向などの精神症状、便秘や食欲低下といった自律神経症状が見られる。
基本薬は、レボドパ含有製剤とドパミンアゴニストの2種。
これらの薬剤により脳内で不足しているドパミンを補充して、症状をコントロールする。
70歳以上の高齢者は、ドパミンアゴニストによる幻覚が誘発されやすいこと、若年患者に比ぺてレボドパ製剤による運動合併症(ジスキネジア) が起こりにくいことから、レボドパ含有製剤を使用することが多い。

レボドパはドパミンの前駆物質であり、脳内のドパミン神経でドパ脱炭酸酵素(DDC) によりドパミンに変換されて効果を示す。
レボドパは小腸上部でアミノ酸輸送体によって吸収されるが、胃壁にはDDCが豊富に存在するため、現在はレボドパが脳に届く前に代謝されないようにベンセラジドやカルビドパ水和物などの末梢性DDC阻害薬(DCI)との合剤が用いられるようになっている。

パーキンソン病では、自律神経系の症状の1つとして、嘔気や便秘などの消化管運動機能障害が高頻度で見られる。
パーキンソン病の病理所見上の特徴として、脳の神経細胞におけるレビー小体の出現が知られているが、近年の検討からレビー小体は自律神経節などにおいても見られることが明らかになっている。

運動障害により胃の排出能が低下すると、レボドパが脳に届く前に胃で分解されやすくなったり、小腸上部へのドパミンの到達が遅れることで、ドパミンの効果が十分得られない可能性がある。

実際に、健常人ではレボドパは服用後30分~1時間で最高血中濃度(Tmax)に達するのに対し、パーキンソン病患者の42%で、レボドパのTmaxが2時間以降に遅延していたことが報告されている。
パーキンソン病患者の胃排出能低下の改善には、ガスモチンなどの消化管運動改善薬が有効である。
消化管運動を改善する目的で、ナウゼリン)や漢方薬の六君子湯が処方されることもある。

参考書籍:日経DI2016.6

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