更新日:2016年2月22日.全記事数:3,171件.

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レートコントロールとリズムコントロール、どっちが良い?


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レートコントロールとリズムコントロール

心房細動の薬物治療としてレートコントロールリズムコントロールという方法があります。

レートコントロールとは心房細動発作の起こったままで心拍数をコントロールし、速くなりすぎないようにする治療法です。
ジギタリス、Ca拮抗薬(ベラパミル)、β遮断薬等が使用されます。これにより動悸感が少なくなり、楽になります。

リズムコントロールとは心房細動を停止させてリズムそのものをコントロールする治療法です。
心房細動を停止させるには抗不整脈薬(アミオダロン)を使用したり、電気ショックを使用したりします。

心房細動の予後を改善する治療とは?

レートコントロール、リズムコントロールどちらも有意差はなく同じくらい有効であるという結果が出ています。

心房細動の薬物療法には、レートコントロールとリズムコントロールの2種類があります。
今から10年くらい前に、どちらの治療が予後を改善するかという研究が盛んに行われたことがあります。

それらの研究の中で、最も有名なのが2002年に発表されたAFFIRM試験です。
同試験は約4000人の心房細動患者さんをレートコントロール群とリズムコントロール群に分けて5年間経過観察しています。

その結果、1次エンドポイントである致死率には、両群間に有意差がありませんでした。
つまり、どちらの治療でも予後は変わらない、という成績でした。

この研究には様々な問題点があったのですが、この成績から、副作用のある抗不整脈薬を使って洞調律を維持する必要はなく、そのままにしておいても予後は変わらない、という表面的な結果が一人歩きし始めました。

しかし数年後、この研究のサブ解析において、非常に興味深い結論が発表されました。

それは、結局は洞調律の維持と的確な抗凝固療法が心房細動患者さんのリスクを減らしていた、という事実です。

そして、「副作用の少ない新しい方法で心房細動の洞調律が維持できるのであれば、それが最も望ましい」と明記されました。

脈拍の正常値は?

脈拍数が少ない、と心配する患者さんがいる。

心拍数の異常とは、心拍数が高すぎるか、または低すぎるかの二つである。一般に心拍数が100を超える状態を頻脈、60を下回る状態を徐脈と呼ぶ。注意すべきことは、心拍数と脈拍数は脈拍欠損や不整脈存在下では必ず一致するものではない。しかし、大部分の場合、一致している。心拍数 – Wikipedia

60回を下回ると徐脈です。

 血圧と脈はどこまで下がっても心配しなくてもよいか? この答えは患者によって、もしくは患者の状態によって異なってくる。だから、患者が医師から指示を受けておくことが、そしてその指示を薬歴に落としておくことが理想だろう。とくに血圧の許容範囲は医師や施設によってかなり差があるように感じられる。

 たいして脈のほうはそんなに大きな差がないような気がする。30台になるとやばいので40台前半で医師の指示を仰ぐようにしておく。そして少々の、つまり40台後半で無症状ならば、自己中断をしないようにアナウンスをする。「脈はどこまで下がってもいいの?」 薬歴公開 byひのくにノ薬局薬剤師。

β遮断薬を使ったりすると、脈もけっこう下がるようです。

自覚症状が無ければ心配しなくてもいい。
意識消失とかの自覚症状が出てからでは遅いような気もしますが。
医師の判断を仰いでもらう。

心不全に伴う心房細動に何を使うか?

最近では少量のアーチストやメインテートなどのβ遮断薬を慢性心不全に使うケースもありますが、心収縮力を低下させ、心不全を増悪させてしまう恐れがあるので注意が必要。

抗不整脈薬を大きく分けると、一つはナトリウムチャネルを遮断する薬、もう一つはカリウムチャネルを遮断する薬になります。
Naチャネル遮断薬はⅠ群。
カリウムチャネル遮断薬はⅢ群。

Naチャネル遮断薬は伝導を抑制して不整脈を起こさなくする薬。
カリウムチャネル遮断薬は不応期を延長して不整脈を起こさなくする薬。
Naチャネル遮断薬にもβ遮断薬同様、心収縮力を低下させる作用があり、心不全を増悪させる可能性がある。
サンリズムやシベノールはうっ血性心不全に禁忌となっている。
なので、カリウムチャネル遮断薬であるアミオダロンのほうが使いやすい。

少量のアーチストが処方されている患者に、サンリズムやシベノールが併用されたら、疑義照会の対象になる、のかな。

持続性心房細動

心房細動は、心房で不規則な電気興奮が起こり、心房が細かく震えて大きく収縮できなくなる疾患である。

発作の持続期間から、⑴発症後7日以内に洞調律に戻る「発作性心房細動」、⑵発症後7日を超えて心房細動が持続する「持続性心房細動」、⑶電気的あるいは薬理学的に除細動が不能の「永続性心房細動」の3つに分類される。

従来、心房細動の薬物療法では、抗不整脈薬による洞調律の維持が重要視されてきた。
洞調律を維持することで自覚症状が改善し、運動耐容能が増し、心原性脳梗塞を予防できると考えられてきたからである。

しかし2000年以降に発表された国内外の大規模臨床試験で、洞調律維持療法(リズムコントロール)によって洞調律を維持していても抗凝固療法は必要で、抗不整脈薬には重篤な副作用が発生し得る一方、心拍数を低下させる心拍数調節療法(レートコントロール)でも、生活の質(QOL)の改善が見られ、比較的安全な治療法であることが分かった。

さらに、持続性心房細動では、高い心拍数が続くと心不全に至ることが分かり、現在では心拍数調節療法が治療の柱となっている。
心房細動による症状の多くは高い心拍数に起因し、症状を抑える意味でも心拍数調節療法は効果的である。
具体的には、β遮断薬など心拍数を下げる薬を投与して、心拍数を安静時は60~80/分、中等度運動は90~115/分に維持するようにする。
アーチストは、心拍数低下作用に加えて心保護作用もあるといわれており、心房細動患者によく使われる。

持続性心房細動と抗凝固療法

持続性心房細動におけるもう一つの治療の柱が、抗凝固療法である。
心房細動では、心房で血液がよどんで血栓ができ、心原性脳梗塞を起こすリスクが高い。
この予防に抗血栓薬を使用する。

従来は、抗血栓薬としてアスピリンが用いられるケースも多かった。
しかし、心房細動でできる血栓は血液凝固因子の活性化によるもので、血小板の働きを抑えるアスピリンでは、心原性脳梗塞の発症を抑える効果が不十分とされる。
実際、国内で行われたJAST試験では、心房細動患者をアスピリン投与群と非投与群に分けて比較したところ、アスピリンは心原性脳梗塞の予防に有効ではなかったばかりか副作用である出血の頻度を高めた。

現在では、心原性脳梗塞の予防には、アスピリンはあまり使用されない。
抗血小板薬のプラビックスも同様である。

心原性脳梗塞の予防には、ワーファリンやプラザキサ、イグザレルトといった凝固因子によるフィブリン形成を抑える薬を用いる。

参考書籍:日経DI2013.11、クレデンシャル2011.5

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