更新日:2017年1月17日.全記事数:3,135件.

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肝炎患者の血を抜く治療法?


C型慢性肝炎では鉄調節ホルモンの分泌が不十分になり、肝組織に鉄が過剰に蓄積されます。
過剰な鉄が肝障害を進行させる要因になります。
これは、鉄過剰によりフェリチンと結合しない遊離鉄が増加して、遊離鉄が2価と3価の状態を行き来する間に、活性酸素種を多量に産生、脂質や蛋白質と反応して肝細胞膜やDNAに傷害をもたらすためと考えられています。
そのため、C型慢性肝炎の治療で瀉血療法というのがあります。採血によって人工的に鉄欠乏性貧血状態を作り出し、骨髄での造血を促進させ、肝臓内の過剰な鉄をくみ出す治療法です。
この治療法は、肝庇護療法の一つとして有効性が広く認知され、2006年4月から保険適応となりました。

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瀉血療法

1日の鉄摂取量が7mgを超えると肝障害を助長させる報告があります。
とくにC型肝炎では鉄摂取量と肝障害の進展に相関がみられます。
C型肝炎では肝臓へ鉄が沈着しやすく、鉄を介しての活性酸素による障害が亢進されます。
それにより、ALT値の上昇や蛋白変性、遺伝子障害による肝硬変、肝がんへの進展が考えられており、赤血球ごと体内の鉄分を除去する療法がなされます。
具体的には、定期的に血中のフェリチンを測定し、値が約20ng/mL程度になるまで2~4週間ごと、1回200~400mLを抜きます。
これを瀉血といいますが、保険薬局においても、ヘモグロビン値が一気に下がることによる息切れ、ふらつきなどを医薬品の副作用と区別して判断することが必要です。

肝臓が悪い人は鉄分摂っちゃダメ?

C型肝炎では、肝細胞に鉄の過剰沈着が見られる。鉄の主な貯蔵臓器は肝臓だが、過剰に沈着すると、活性酸素などの酸化ストレスが生じ、肝細胞障害が引き起こされる。
そして肝炎を進展させ、肝癌の発生に影響を与えると考えられている。
そのためC型肝炎の患者には、酸化ストレスによる肝細胞障害の抑制を目的に、レバーやひじきといった鉄分が多い食品の摂取を控えるよう指導される。
通常の、食事からの鉄の推奨摂取量は1日当たり男性7.5mg 、女性10.5mg (30 ~49歳)だが、鉄制限食では6mg程度に抑える。

ウコンやシジミなども肝臓に良いといわれているが、鉄分を豊富に含むので過剰摂取に注意する。

瀉血療法とは?

C型肝炎の患者では肝臓に鉄分がたまりやすくなっており、たまり過ぎた鉄分が肝臓を傷つけてしまいます。

そのため、C型肝炎の治療で採血によって人工的に鉄欠乏性貧血状態を作り出し、骨髄での造血を促進させ、肝臓内の過剰な鉄をくみ出す「瀉血療法」という治療法があります。

ただ、瀉血療法で肝臓の貯蔵鉄量が減少すると、十二指腸からの鉄吸収が代償性に亢進するため、通常の食事では再び貯蔵鉄が増加します。

そのため瀉血療法中は、鉄制限食療法を併用します。

鉄制限食療法では、1日の総摂取鉄量を5~6mgとします。

一般成人に必要な1日の摂取鉄量が10~12mgであることに比べると、かなりの制限量です。

肝臓は血液の供給源

肝臓には常に約500mLの血液が蓄えられており、さらに500~1000mLの血液を新たに蓄える能力をもっています。

そこで、食後に消化管が大量の血液を必要とした場合や出血時には、肝臓から血液を供給することができるのです。

胎児の肝臓

成人の肝重量は体重の約2%を占めていますが、胎児(第9週頃)ではおよそ10%を占めています。
なぜ、胎児の肝臓は相対的に大きいのでしょうか。

胎児の肝臓はどのような機能を果たしているのでしょうか。
肝臓は胃や腸で吸収した栄養素の代謝機能、人体に有害な物質の解毒・排泄機能、そして胆汁の産生などに関わっています。

しかし胎児は、胎盤を通して十分な栄養を得ているので、栄養素の代謝や貯蔵は必要ありません。
同様の理由で胆汁を産生する必要もありません。
また、解毒についても母親の肝臓に任せておけます。

つまり、誕生してから後の肝臓の機能は胎児にはあまり必要ないのです。
それなのに、第9週の胎児の肝臓は他の臓器を圧倒するくらい大きく発達しています。

実は、胎児の肝臓は造血機能を担っていたのです。
誕生以降は骨髄が造血機能を担っていますが、骨髄が完成するまでは他の臓器で血球をつくらなくてはなりません。
血球がなければ、胎盤を通して受け取った酸素を全身に運ぶことも、全身から胎盤へ炭酸ガスを運ぶこともできないからです。

そこで、第6週ぐらいから肝臓が造血センターとなり、骨髄が完成するとその機能を停止し、誕生後は化学工場へと役割を変えていくのです。
しかし、誕生後に骨髄に重大なトラブルが起こったり、重篤な貧血が続くと肝臓は再び造血を始めるといわれています。

参考書籍:クレデンシャル2012.2

グラケー(ビタミンK製剤)の肝細胞がん抑制効果

グラケーで肝がんを予防できるという話。

C型肝炎などによるウイルス性肝硬変の患者さんでは肝癌発症リスクが大幅に高まっています。
肝がん発症を抑制するメカニズムの詳細は不明ですが、ビタミンK2(グラケー)の癌細胞増殖抑制作用、分化誘導・アポトーシス誘導能などが複合的に関与していると考えられています。
ただし、保険適応外の為疑義照会が必要です。ウイルス性肝硬変の患者さんにグラケー。処方意図は? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

グラケーは骨粗鬆症の薬です。
骨粗鬆症といえばビスホスホネートとかビタミンDなので、あまり処方をみたことありませんが。

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コメント

  1. C型肝炎→癌で亡くなった祖父が、鰹好きだったのを思い出しました。

    Ellie:2011/9/1

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