更新日:2017年1月21日.全記事数:3,169件.

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DPP-4阻害薬では低血糖にならない?


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インクレチンのメカニズム

インクレチンによるインスリン分泌促進やグルカゴン分泌抑制などの作用は、カルシウム刺激が同時にある場合、すなわち、高血糖の時にのみ機能します。

SU剤や速効型インスリン分泌促進剤は、膵臓上のSU受容体に結合して、K+チャネル以降の惹起経路を活性化する。
つまり、血中グルコース濃度によらず、薬を飲めば、インスリンが分泌される。

しかし、インクレチン関連薬は、惹起経路のうちCa+流入以降の作用を増幅するだけ。
インスリン分泌が惹起されていないタイミングで薬を飲んでも、インスリンは分泌されない。

そのため、メカニズムからみると低血糖を起こすリスクがきわめて低い薬といえる。

しかし、SU剤などインスリン分泌の惹起経路を活性化する薬と併用した場合は、血糖値にかかわらず、インスリン分泌を増幅してしまう。
インクレチン関連薬とSU剤などとを併用して、重篤な低血糖を起こした症例が報告されているため、十分な注意が必要。

インクレチン関連薬とSU剤併用時の減量

「インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会」から発出されたRecommendationでは、重篤な低血糖を起こす危険因子として高齢者・腎機能低下者・高用量のSU剤を服用している者等を挙げ、インクレチン関連薬とSU剤を併用する場合には、SU剤の投与量をグリメピリドは2mg/日以下、グリベンクラミドは1.25mg/日以下、グリクラジドは40mg/日以下に減量するように推奨している。

DPP-4阻害薬のみであれば低血糖を起こしにくい薬なのですが、SU剤と併用すると低血糖の報告が結構あるようです。

併用によって血糖値をそれだけ下げるってことは、治療抵抗性の患者には有効な方法かも知れませんね。

DPP-4阻害薬は、単独では低血糖を引き起こしにくいことが知られていますが、他の糖尿病薬との併用で、特にSU薬と併用した際に重篤な低血糖症状発現の報告があり、そのほかの糖尿病用薬との併用でもその可能性は否定できません。

特に、二次無効で増量したSU薬により治療されている患者にDPP-4阻害薬を併用すると、DPP-4阻害薬の作用でβ細胞の機能が回復し、SU薬の作用が強く出過ぎて低血糖が引き起こされるのでは、といわれています。

DPP-4阻害薬は低血糖を起こしにくい

DPP-4阻害薬はインクレチン(GIPやGLP-1)の不活化を抑制する。

つまり、活性型のインクレチン濃度を高め、インクレチンの効果がより発揮されやすいような体内環境をつくることになる。

ただし、インクレチンだけが膵臓に作用しても、インスリン分泌の増幅には影響しにくい。

インクレチンによるインスリン分泌の増幅効果は、膵臓におけるグルコースの取り込みからインスリン分泌に至るまでの経路(惹起経路)が作動しているときに発揮されるとされている。

つまり、生理的に血糖値が低い状況では、膵臓でのグルコースの取り込みが行われにくいため、インクレチンの効果は発揮されにくい。

したがって、理論的にはDPP-4阻害薬単剤では低血糖の発現リスクが低いことが特徴とされている。

一方で、SU薬服用者においては血糖値が低めであってもSU薬の作用により惹起経路は作動していることがあると考えられる。

そのような状況下でDPP-4阻害薬を併用すると不活性化されないインクレチンによってインスリン分泌の増幅効果が顕在化し低血糖を発現する可能性があり、注意が必要である。

DPP-4阻害薬は副作用が少ない?

DPP-4阻害薬は低血糖の副作用が少ないと言われている。

インクレチンという血糖値をコントロールするホルモンを分解する酵素のはたらきを阻害する薬。

インクレチンは高血糖時にはインスリン分泌を促進し、低血糖時にはインスリン分泌を促進せず、低血糖を起こしにくい。

と言われている。理論上は。
しかし、SU剤との併用時には気を付ける。

単独でも1%で低血糖の副作用が報告されているので注意は必要。

あと、急性膵炎にも注意が必要。
インクレチンは小腸から分泌されて膵臓に働く。
アルコールを飲む人は特に要注意かと。

あと、インクレチンの消化管運動抑制による便秘とか吐き気とか腸閉塞とか。
これらから食欲抑制とか体重減少に働いてもよさそうだけど、GLP1アナログほどは認められていないようで。

DPP-4阻害薬は、低血糖という副作用の面からは、比較的安心して使える薬かもしれませんが。
劇薬でもないし。
ただ、副作用が無いわけではないので、腹痛、吐き気、便秘などの症状については注意喚起が必要かな。

DPP-4阻害薬とは?

インスリンの分泌を助けて、血糖値を下げる薬です。

食後に消化管から分泌されるインクレチンというホルモンは血糖を下げるインスリンというホルモンの分泌を促進したり、血糖を上げるグルカゴンというホルモンの分泌をおさえたりする働きがあります。
この薬は、インクレチンを分解するDPP-4という酵素の働きを阻害することにより、インクレチンの濃度が上昇することで、インスリン分泌をうながし、グルカゴン分泌を抑えて、血糖を下げる薬です。

インスリン分泌能の残る2型糖尿病例に有効。 SU剤と併用する場合は、SU剤を減量して低血糖に注意する。
血糖上昇時に膵からのインスリン分泌を促し血糖改善する。
単独では低血糖は起こらないが、SU剤と併用時、低血糖の可能性あり。

DPP4阻害薬の作用機序

DPP4活性の阻害による食後の活性型インクレチン(GLP1、GIP)血中濃度の増加、それに伴うインスリン分泌の増加(血糖依存性)とグルカゴン分泌の抑制(血糖依存性)

DPP4阻害薬の利点

・低血糖なし
・認容性良好

DPP4阻害薬の欠点

・HbA1c降下作用が一般的に控えめ
・蕁麻疹または血管浮腫
・膵炎?

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