更新日:2017年1月12日.全記事数:3,169件.

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ワーファリンと整腸剤の併用はダメ?


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ワーファリンと納豆菌含有整腸剤の併用

ワーファリンとの併用に注意するものと言ったら納豆です。

納豆にはビタミンKが多く含まれており、それに加えて納豆菌が腸内でビタミンKを産生します。
この納豆菌が整腸剤に含まれている場合があります。
医療用の整腸剤では見たことはありませんが、市販の整腸剤「ザ・ガードコーワ整腸錠」には納豆菌が含まれています。

なんで整腸剤に納豆菌を入れるのか。
それは、納豆菌には乳酸菌(ビフィズス菌)を増加・安定化させる効果があると考えられているからです。
しかも、納豆菌は胃酸に強く、生きて腸まで運ばれる。

乳酸菌と納豆菌の組み合わせが良いわけですね。
キムチ納豆最強。

医療用の納豆菌配合整腸剤

医療用で納豆菌を配合している整腸剤なんて無いものだと思っていましたが、ありました。

コンクチームN配合顆粒。
納豆菌配合消化酵素製剤です。
成分は、糖化菌、アミロリシン-5、サンプローゼF、セルロシンA.P.
どれが納豆菌?
糖化菌の一種が納豆菌なのだそうだ。

納豆菌とワルファリン

納豆菌自身にビタミンKが含まれているわけではない。
実際のところ、納豆菌だけを摂取した場合、ワルファリンの抗凝固作用にどの程度の影響が出るのかの予測は困難である。

納豆菌は腸内でビタミンKを産生するが、その産生量には個人差が大きく、体調や同時に摂取した食品なども産生量に影響するからである。

もっとも、健康成人にワルファリン投与下で納豆を摂食させた臨床研究では、納豆を食べてから24~72時間、継続的にワルファリンの作用が減弱することが確認されている。

納豆菌は腸内でのビタミンK合成能力が高い枯草菌の一種であることを考慮すると、腸内でもビタミンKを産生していると考えられる。

以上より、ワルファリンを服用中の患者の場合、納豆菌を含有するOTC薬などの服用は、たとえビタミンKを含有しないものでも避けることが望ましいだろう。

ザ・ガードとは?

ザ・ガードの成分のうち、整腸作用を特に強く示すのは納豆菌と乳酸菌です。

乳酸菌は比較的胃酸に強いため胃で死滅せず腸に届き、腸内の善玉乳酸菌の増殖を助けます。
この腸内細菌叢の改善により、便性・便通改善効果が認められています。

納豆菌は成育に適さない環境では殻に包まれた胞子(芽胞)の状態を保ち、成育に適した環境下で発芽する特徴をもっています。
そのため、強酸性環境下である胃で死滅せず腸へ届き、成育に適当な温度・水分・栄養がそろった小腸ではじめて発芽し、善玉乳酸菌の増殖を助けます。

ナットウキナーゼとワーファリンは併用しても良い?

納豆菌は、セリンプロテアーゼの一種であるナットウキナーゼを産生します。

ナットウキナーゼは、直接的なフィブリン分解作用のみならず、プロウロキナーゼ活性化作用、t-PA増産作用、血流改善作用などをもつことが報告されており、血液を線溶系へ傾けると考えられます。

一方、納豆菌はビタミンK(VK)も産生します。

VKは、VK依存性凝固因子に作用するため、ワーファリンの線溶作用を減弱させる可能性があります。

つまり、納豆菌から産生されるナットウキナーゼとVKは、ワーファリン服用時において、それぞれ線溶系と凝固系に影響を与える可能性があるのです。

それでは、納豆菌とワーファリンでは、実際にどの程度の相互作用を起こすと考えられるでしょうか。

まず、ナットウキナーゼについては、適正量の範囲内であれば、高齢者如何を問わず、ワーファリンとの併用の安全性と有効性の可能性が強く示唆されたとする報告があります。

しかし、精製酵素(納豆菌末)としてのナットウキナーゼ力価は、納豆中における力価の数倍程度になるとの報告もあり注意が必要です。

一方、VKについては、摂取量が1日250μgまでであればワーファリンの効果に影響はなく、安全性があると報告されています。

しかし、納豆菌が錠剤として腸に到達した場合に腸内で産生されるVKの量は、菌種や個人差によりばらつきがあり、正確に把握するのは困難です。
納豆菌のワーファリンへの影響は、ナットウキナーゼ活性やVK産生量に左右されますが、いずれもその影響度を正確に把握することは難しいのが現状です。

したがって、医師がワーファリンの効果を正確に把握できるよう支援するという立場からは、処方医がワーファリンとナットウキナーゼの併用療法を意図していない限り、ワーファリン服用中にナットウキナーゼを含む整腸剤の使用は避けるように指導するのが望ましいと思われます。

参考書籍:クレデンシャル2011.2

ワーファリン服用中ヨーグルトを食べちゃダメ?

ビタミンKは食事からの摂取だけではなく、体内にある腸内細菌によっても産生されます。

なので、抗菌剤などはワーファリンと併用注意となっている。

ヨーグルトも腸内細菌を増やすわけで、ワーファリン服用中は避けた方がいいのかも、と思ってしまう。

ワーファリン服用中はビタミンKの摂取を控えなければなりません。納豆はビタミンKを多量に含んでいますが、そのほかには緑色野菜に多く含まれているので、大量に長い期間、これらを摂取することは控えた方がよいのです。ヨーグルトやチーズは関係ありません。菌系統の食品は納豆と同様に控えなければならないか 心臓病の知識 公益財団法人 日本心臓財団

ヨーグルトやチーズは関係ありません、とまで言い切ってしまうのはどうかと思いますが、影響についてはそれほど心配する必要はなさそう。

腸内細菌がビタミンを作る?

腸内細菌はビタミンKを合成します。

そのため、抗菌薬を飲むと、腸内細菌叢を壊して、ビタミンKの産生を減少させ、ワーファリンの効果が増強するという話もある。

腸内細菌はビタミンK以外にも、ビオチン、ビタミンB6、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB12、パントテン酸、葉酸、ビタミンCなども産生する。
抗菌薬を飲んで腸内細菌叢が破壊されると、これらのビタミンの働きにも影響を及ぼす恐れがあるわけだ。

無理なダイエットにより腸内細菌叢を破壊する行為も同様。
腸内洗浄なんてもってのほか。

ビタミンDはビタミンか?

ビタミンの定義として、「体内で合成できない」というものがありますが、けっこうなビタミンが体内で合成できることになる。
ビタミンDも紫外線を浴びて、皮膚で合成される。

それともアレか、腸内は体内ではないということか。
腸内細菌が作っているということは、体内で作られているわけではないということか。

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