更新日:2016年8月27日.全記事数:3,117件.

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注射したあとはよくもむ?


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予防接種したあとはよくもむ?

予防接種したあとなど、「もんだほうがいいですか?」と聞く人がいます。

筋肉注射のあとは、しこりにならないように、「よくもんでくださいね」と指示しなければならない。
昔は気軽に解熱剤や抗生剤の筋肉注射を打っていたことから、昔の人は注射のあとはよくもまなければいけない、というイメージが残っているようです。

皮下注射の場合は、ワクチンは注射した部位にしばらくとどまっており、そこからゆっくりと全身に吸収されていきます。しかし、接種した場所を強くもんでしまうと、皮下組織がダメージを受けて、ワクチンが急速に周囲に拡散してしまったり、血管内に侵入するために、局所反応(皮膚が赤くなる、腫れる、熱をもつ、痛痒くなるなど)やアナフィラキシー(全身的なショック症状など)の副反応が発生する頻度が高くなると考えられています。

予防接種は皮下注射なので、もんではいけません。

Q:インフルエンザワクチンを接種後,注射部位は揉まなければならないか?(薬局)

A:通常,筋肉注射の場合は,薬液の吸収を促進して効果を早めるため,また局所の疼痛・発赤・硬結を減少させるために注射部位を揉むが,インフルエンザワクチン接種(皮下注射)の場合,免疫を成立させるために吸収を急がせる必要はないので,揉む必要はない。揉むとかえって腫れることがあり,注射部位を押さえるのみで十分である。質疑応答 2008年12月

インスリンの皮下注射などでも同様です。

お尻に注射すると背が伸びなくなる

注射の方法はいくつかあります。

血管の中に入れるのは静脈注射、筋肉の中に入れるのは筋肉注射、筋肉と皮膚の間に入れるのは皮下注射です。

日本での予防接種はたいてい皮下注射で行われます。
しかし海外ではほとんど筋肉注射で行われます。

その理由は、筋肉注射で後遺症が残ったという裁判があって、それでなくなったらしいとのこと。

筋肉が未発達な小児への筋肉注射は大腿四頭筋拘縮症の原因の一つといわれています。「大腿四頭筋」という名前の筋肉が、異常に収縮して伸びなくなり、膝が伸びず、うまく歩けなくなるという病気です。

しかし、大腿外側広筋という場所に筋肉注射すれば、特に問題は起こりません。外国では小児の場合一般に足に筋肉注射をします。

アジュバントであるアルミニウム塩を含むワクチンに関しては皮下に注射すると副反応(発赤、硬結など)が起こりやすいという理由で、米国では、筋肉注射が行われます。

一概に筋肉注射より皮下注射のほうが安全というわけでもなさそうです。

予防接種は筋肉注射より皮下注射のほうが安全?

海外では、生ワクチンを除く全てのワクチンは、原則筋肉内注射であるが、日本では、ヒトパピローマウイルスワクチン、10歳以上のB型肝炎ワクチンなどの一部のワクチンを除いて、原則すべてのワクチンが皮下注射である。

その理由は、1970年代に大腿四頭筋拘縮症の患者が国内で約3700名報告され、この原因として、頻回の抗菌薬や解熱剤の筋肉内投与が指摘された。
日本小児科学会は、筋肉内注射には安全な場所はないという声明を発表し、それ以来、国内では、全ての医薬品の筋肉内注射の閾値が高くなり、ワクチンにおいても、原則皮下注射となった経緯がある。
しかしながら、皮下注射による局所反応は、筋肉内注射に比べ高く、また、免疫原性に差は無く、むしろ筋肉内注射の方が高いという報告もある。

複数のワクチンを同時に接種する際、または、多くの新しいワクチンが開発され、特に複合ワクチン(複数のワクチンを1本にしたもの)、アジュバント入りのワクチンなどは、その局所反応を減らすために筋肉内注射がその標準的投与法である。

今後、特に乳幼児早期に多くのワクチンを接種し、更には、新しいワクチンが順次導入されていく過程において、筋肉内注射を予防接種の方法として認知し、そして普及させていく必要がある。

副反応

疾患の治療薬の場合、主作用(目的の治療効果)以外の作用を「副作用」とよびます。

これに対し、ワクチンは、ワクチンに対する生体反応としての免疫の付与が主作用であり、主作用以外の作用も免疫学的機序によって起こるものが多い。

そのためワクチンの主作用以外の作用は「副反応」とよばれます。

参考書籍:日本薬剤師会雑誌 平成24年2月

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