更新日:2016年11月7日.全記事数:3,136件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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調剤過誤と調剤ミスの違いは?


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調剤事故・調剤過誤・調剤ミスの違いは?

調剤事故調剤過誤調剤ミスはそれぞれ言葉の定義が違います。

調剤事故とは、「調剤に関連して、患者に健康被害が発生したもの。薬剤師の過失の有無を問わない。」となっています。

調剤過誤とは、「調剤事故の中で、薬剤師の過失により起こったもの。」となっています。
以前は患者さんに健康被害があった場合を調剤事故、間違った薬を渡しても健康被害が無ければ調剤過誤と言っていました。

調剤ミスとは、調剤の過程で起こったなんらかの間違いのことを言います。

インシデントとアクシデントの違いは?

調剤におけるインシデントアクシデントの違いは、患者さんの手に間違った薬が渡ってしまう前か後かということです。

間違いがあっても、患者さんの手に渡る前に気づけばインシデント。ヒヤリハットとも言います。

間違いがあって、患者さんの手に渡ってしまった後に発覚すれば、これはアクシデントです。

患者さんに謝罪する必要があります。健康被害があろうと無かろうと。

インシデントを防ぐことがアクシデントの防止につながるわけです。

ヒューマンエラーは防げない?

調剤上のミスは患者さんの命に関わるリスクがあります。

なので、薬剤師は常にミスを犯さないように注意して調剤、監査に取り組んでいます。

しかし、どんなに優秀な薬剤師でも、ミスを犯します。

人数を増やせばミスが無くなるか?忙しくなければミスは無くなるのか?

それでもミスは無くなりません。

ミスを犯した当人を責めるのではなく、「人はミスを犯すもの」という前提で、事故防止に努めなければなりません。

ミスが起こらないようにする、ミスを犯したことに気づく、ミスを犯しても重大な事故につながらないようにする、何重にも防止策を張り巡らすことで、ミスが減らせるのではないでしょうか。

ハインリッヒの法則

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するといいます。

これをハインリッヒの法則という。

調剤事故を防ぐには、ヒヤリハットの情報収集が必要です。

調剤ミスの法的責任

調剤過誤を起こしてしまった場合、薬局、薬剤師には、民事責任、刑事責任、行政責任の3種類の法的責任が課せられる可能性がある。

民事責任

民事責任は、他人の権利や利益を違法に侵害した場合に賠償する責任をいう。

賠償は金銭で行うのが基本だ。

法律上、薬局は処方箋を応需した時点で、「処方せんに従った調剤を行う」という契約を患者と結んだことになる。

調剤過誤は、この契約に従わなかった結果であり、債務不履行に当たる。

薬局は患者に対して債務不履行の責任を負う(民法第415条)。

また、薬局に勤務する薬剤師が調剤過誤を起こした場合、その薬剤師は不法行為責任を負う(民法第709条)。

さらに、薬局の開設者や管理薬剤師には、使用者責任が生じる(民法第715条)。

つまり、誤った薬を調剤・交付した当の薬剤師だけでなく、薬局開設者、場合によっては管理薬剤師にも損害を賠償する責任が生じるわけだ。

賠償の対象は、治療費や被害者が休職した期間の収入、慰謝料などだ。

健康被害の重さなどによって金額は大きく変わり、数万円の見舞金程度から1000万円を超えるケースまである。

ほとんどのケースは薬局と患者との話し合いで金額を決める「示談」だが、患者側と薬局側で折り合いがつかなければ、民事裁判に至ることもある。

刑事責任

調剤過誤による患者の健康被害の程度が重く、結果が重大なケースでは、刑事責任(刑法第211条の業務上過失致死傷)が問われる。

行政責任

行政責任も、患者の健康被害が重いケースが対象となる。

薬剤師法第5条、同第8条2項により、薬剤師は、戒告や3年以上の業務停止、免許の取り消しなどの処分を受ける。

処分は、厚生労働省の医道審議会で討議した上で、厚生労働大臣が実施するという流れ。

なお、調剤過誤を起こした薬局に薬事法違反などがあれば、都道府県から処分を受ける可能性がある(薬事法第75条)。

参考書籍:日経DI2012.11

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