更新日:2016年1月20日.全記事数:3,124件.

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徘徊予防にグラマリール?


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グラマリールは徘徊予防に効く?

認知症の徘徊予防にグラマリールの処方は頻度が高い。

ベンザミド系の抗精神病薬という分類には、ドグマチールやエミレース、バルネチールも含まれるようですが、グラマリールの適応症は、
「脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄の改善」
ということで、適応症からして認知症に使いやすい。

施設に入っている患者さんなどで、介護者が困るから、という理由でグラマリールが処方されることがある。

適応症的には、「脳梗塞後遺症に伴う」という縛りがありますが、実際はアルツハイマーなどでも使われている。

認知症の興奮をおさえるような抑制系の薬としては、セロクエルやリスパダールなどの非定型抗精神病薬も使われてますが、これらの適応症は「統合失調症」のみなので、それに比べるとグラマリールのほうが保険請求上は使いやすい。
夜はぐっすり眠っていてもらいたいものです。

夜間せん妄と睡眠薬

老年期で、夜間せん妄や俳掴のある患者さんへ睡眠薬を処方するときには、注意と密な観察が必要です。
筋弛緩作用が強い睡眠薬により、転倒などの危険を伴うからです。
老年期の患者さんに睡眠薬を処方する場合は、超短時間作用型であれば筋弛緩作用の弱いゾルピデム(マイ スリー:ω1受容体選択的/非ベンゾジアゼピン系)を処方したり、あるいは途中で目覚める回数を減らすために長時間作用型のクアゼパム(ドラール)を用いたりします。
また、睡眠薬ではありませんが、チアプリド(グラマリール)といった脳循環代謝改善薬を処方することで夜間せん妄の改善をはかり良眠が得られることがあります。

最近、パーキンソン病や認知症の高齢者に対して処方される睡眠薬によって引き起こされる問題が増加しているように感じられます。原因はどうやら夜間せん妄の対応にあるようです。
つまり、この夜間せん妄を、睡眠薬でぐっすり眠ってもらうことで改善しようと考え、睡眠薬を処方する医師が少なくないということです。
しかし当然のことながら、睡眠薬でせん妄は改善できません。
そこで医師は、さらに大量の睡眠薬を投与することで、患者さんの脳機能や活動を低下させて (極端にいえば気絶させて)、見かけ上の安静を得ようとします。
しかしこのような大量の睡眠薬の投与は、当然ながら睡眠薬の「持ち越し」を起こしますし、また代謝能力の低下した高齢者ではその効果が日中の活動性にまで影響します。
それが抑うつや認知症症状が進行したかのようにみえるため、心配した家族がご本人を連れて専門医を訪れるということがしばしばあります。

そのような相談を受けたときは、まずは睡眠薬を減量することからはじめます。
すると、すでにせん妄状態は治まっていて、薬剤を止めるだけで症状が改善するケースも少なくありません。

夜間せん妄の治療

夜間せん妄は、せん妄のなかでも夜間に起こるものをいいます。
せん妄は意識の混濁が原因です。
低覚醒により、激しい精神運動興蒋を起こします。
子どもが寝ぼけている状態(低覚醒状態)で、何かに驚いてパニックを起こす様に似ています。
このような状態では外界から入ってくるさまざまな情報が適切に処理できないために、不安や恐怖が極限に達します。
特に夜間に現れやすいのは、夜になると生理的に眠気が出て低覚醒となり、視覚情報が減ってくるため、せん 妄が起きやすい環境となるからです。
なお、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬による過鎮静によってせん妄様の症状が出たり、睡眠導入薬の効果の遷延が原因でせん妄様の症状が出ることもあるので、そうしたことが原因になっていないか、注意して鑑別するようにします。
当然ながら、それらが原因と考えられる場合の対処方法は、抗不安薬や睡眠薬の中止です。

老年期にみられる夜間せん妄の治療法は、「生活改善」と「薬物療法」です。
生活改善は、薬物療法の効果を最大限に上げるためにも必要です。
具体的には夜間にしっかりと睡眠が誘発されるように、昼間の活動性を上げることです。

薬物療法の第一選択は、脳循環代謝改善薬で ドーパミン受容体遮断作用のあるチアプリド(グラマリール)という臨床医が多いようです。
次に少量のハロペリドールや、非定型抗精神病薬を試みる (適応は統合失調症のみではあるのですが)という意見が多いようです。
これ以外にドーパミン桔抗作用のあるbenzamide系抗精神病薬であるスルピリド(ドグマチール)を使うこともあります。
なお、このような夜間せん妄などへの薬物療法として高齢者に抗精神病薬を使う際には、副作用が出ていないかを十分に観察することが大切です。
そして期待する効果が得られているかをきち んと判断していくことも重要です。
効果が得られ ていないのに抗精神病薬を漫然と使うようなことは避けなければなりません。

認知症患者に接するときのタブー

感情失禁や易刺激性のような(介護者にとっての)問題行動に対しては、抗精神病薬(化学的対応)や身体拘束(物理的対応)などで対応することが少なくないが、これらの対応は認知症の人にとって人道上からも好ましい対応とはいえず、また薬物の副作用など別の問題を生じさせることからも好ましい対応とはいえない。

また薬物療法を行わないかわりに、本人の言動や行動を無視することで対応する方法も長い目でみると決して好ましいものではない。

認知症の人を治療(介護)していくうえでのゴールは、本人にとって快適な生活を送れるようにすることと、人間として尊厳のある生活を維持・向上していくことといえる。

一方で介護者が犠牲になったり、燃え尽きてしまうようでは元も子もないので、その落とし所をみつけていくことに他ならない。

そのためには従来の考え方を変化させる必要がある。

たとえば症状を撲滅することに主眼を置くと、問題行動を鎮静化するために抗精神病薬を大量に用いたり、車いすに縛り付けたままにするという方法に行き着くが、これでは穏やかにコントロールされた状態とはいえない。

そこで、多少騒がしくして落ち着きがない状態であっても、家族や近所の人、デイサービスの知人たちと笑顔で会話をしたり、ゲームに興じたりできるのであれば、ときには逸脱行動があってもよいではないか、というように考えることになる。

家にいるのに「家に帰りたい」

徘徊
目的もなく歩き回る。

自分がまだ現役であると錯覚して会社に行こうとする、何か用事を思いついて出かけてしまう、自分がいるところを自宅と認識できずに「家に帰る」という場合がある。

この場合、生まれ育った昔の家を想定していることが多い。

参考書籍:調剤と情報2012.2

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