2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

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ウテメリンは危険?

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ウテメリン使用禁止?

日本では切迫早産予防に使われているウテメリンですが、海外では既に規制され使用が制限されている。

我が国において、切迫早産に適応のある代表的な子宮収縮抑制薬は、β刺激薬であるリトドリン塩酸塩(ウテメリン)と硫酸マグネシウム水和物である。
リトドリンは、国内において1986年から妊婦に用いられているが、同薬の内服治療による重篤かつ多様な副作用が問題となり、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)では、その使用の中止を勧告している。

ウテメリンはもともと喘息治療薬のうちβ2刺激薬というタイプの薬を転用して作られています。
β2刺激薬は、気管支(気道)の平滑筋に分布するβ2アドレナリン受容体に作用して気管支(気道)を拡張させ、喘息の発作を鎮めますが、β2刺激薬が作用するのは、気管支の平滑筋だけではなく、β2アドレナリン受容体が存在する心臓や子宮の筋肉の平滑筋にも作用します。
ウテメリンによる動悸の副作用は多い。
ウテメリンは分子量が小さく、心臓に対する作用は妊婦のみならず、胎盤を通過して胎児にも働くため、危険であるという理由。
切迫早産を予防するベネフィットよりも、心血管系のリスクが大きいという判断です。

また、硫酸マグネシウムについても、FDAより「7日以上の投与は児に低カルシウム(Ca)血症や骨減少症の危険がある」との警告が出され、長期投与による児への副作用が国内でも幾つか報告されている。

ウテメリンと同じようなβ刺激薬でブリカニール錠が早産予防に使われることもあるが、こちらの効能効果は「気管支喘息、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、気管支拡張症及び肺気腫」と呼吸器疾患のみなので、切迫早産に対しては適応外使用となる。
ウテメリンと比べて安全性が高いというわけでもないし、副作用が起きた場合のことも考えると特に使いやすいというものではない。

切迫早産予防にニフェジピン?

切迫早産予防にニフェジピンが効果があるという話。

Ca拮抗薬といえば、妊婦に禁忌というイメージでした。
我が国ではかつて、ニフェジピンは妊婦に対して禁忌でしたが、2011年に添付文書が改訂され、妊娠20週以降の妊婦に対して、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に使用可能となりました。
アダラートの添付文書の禁忌には、

妊婦(妊娠20週未満)又は妊娠している可能性のある婦人

と書かれている。

Ca拮抗薬は、硫酸マグネシウムと同様、Caチャネル遮断作用を有する。
細胞外Ca2⁺が細胞膜を通過して、細胞内に流入するのを阻害し、子宮平滑筋の収縮を抑制する。
特にニフェジピン(アダラート)については、リトドリンと比較して早産抑制効果が同等かそれ以上であるだけでなく、副作用も少ないとされている。

日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2017」ではニフェジピンについて、「リトドリンよりも母体副作用が少ないことから、国外では切迫早産の治療に使用されている」と紹介した上で、システマティックレビューでも切迫早産治療としての有効性が報告されており、エビデンスレベルが高いとしている。
ただし、適応外使用であることから、「その利益と危険について十分説明した上で、患者の同意を得てから投与する」としている。

通常の妊娠高血圧患者ではニフェジピンとして20~40mgを1日量として使用するのに対して、切迫早産患者には高血圧治療の用量を上回る高用量が使用される。
ニフェジピンの投与量について、米国産婦人科学会は初回量として30㎎投与した後、4~6時間ごとに10~20mg投与することを推奨しているが、日本人を対象とした同薬の切迫早産治療に対する検討はほとんど行われておらず、日本人の適正投与量の確立および有効性、安全性の証明には至っていない。

参考書籍:日経DI2018.9

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