記事
乾癬は痛い?
公開. 投稿者:乾癬.この記事は約6分36秒で読めます.
1,674 ビュー. カテゴリ:乾癬で関節痛?
乾癬の症状が骨にまで来ている、という患者がいる。
ステロイドの影響じゃないのか?とか思いましたが、乾癬で関節痛というのもあるらしい。
関節症性乾癬(乾癬性関節炎)
乾
皮膚症状に加え、関節に痛みや変形などがあらわれます。少し関節が腫れているだけの軽い人から、手足の指、背骨、腰などの関節が変形し、日常生活に支障のある人まで個人差があります。関節リウマチに似ていますが、血液検査でリウマチ反応が陰性の場合がほとんどです。
関節炎を生じた関節では強い炎症によって腫れや強い痛みが起きるばかりでなく、骨が少しずつ壊され、やがて変形してしまいます。このような関節の変化を「関節破壊」と呼んでいます。
皮膚病と関節の痛み。
乾癬と聞くと、皮膚の病気というイメージで、皮膚のかゆみや痛みを想像しますが。
リウマチに似た膠原病の一種。
この病気は生命に対して危険性がありませんし、人にうつる病気でもありません。でも、外用薬を塗っても効果は一時的で再発を繰り返しますし全身に拡大します。外観、痒み、関節痛などの症状から、日常生活での支障や精神的なストレスは計り知れず、その程度は癌や心疾患などの重症な全身性疾患と同等という報告もあります。
癌と同じくらいのストレス。
皮膚病というと軽んじて見てしまいますが、見た目の問題もありますので、特に女性にとってのストレスは計り知れないものがあるのでしょう。
関節症性乾癬
関節症性乾癬は、乾癬の皮膚症状に加えて、関節の痛みや腫れなどの症状を伴う。
関節症状は指趾に生じることが多いが、腰部、頸部などの大関節やアキレス腱などの付着部に炎症が生じることもある。
関節症性乾癬の60~70%は皮膚症状が先に、20~30%は関節症状が先に、10%は同時期に出現する。
関節症状が進行すると不可逆性に変形してしまうため、その前に疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤で治療する必要がある。
乾癬
乾癬は、慢性に経過する炎症性角化性皮膚疾患である。
さまざまな治療が行われているが、現在根治的な治療法はない。
表皮内に好中球が浸潤し、微小膿瘍を形成する。
乾癬は、銀白色で厚い鱗屑を伴う紅色局面を特徴とする慢性炎症性角化症です。乾癬は炎症角化症に分類される皮膚疾患であり、皮膚の炎症反応の亢進と表皮の代謝異常が特徴である。
毛細血管の拡張により皮膚が赤みを帯び、表皮が通常の10倍以上の速度で代謝され、過剰生産された皮膚が鱗屑としてフケのように剥がれ落ちる。
病変は肘や膝、腹部、腰臀部、被髪頭部など外的刺激を受けやすい部位に好発し、ときに掻痒を伴います。
原因は明らかでなく、遺伝的素因のほかにストレス、気候、喫煙、アルコール摂取、食生活などの外的因子や、糖尿病、脂質異常症、肥満などが関連するとされる。免疫系の異常により表皮・真皮の炎症と表皮角化細胞の過剰増殖が生じると考えられています。
原因は不明であるが、何らかの遺伝的素因を背景に、免疫系の異常が重なって発症してくると考えられている。
乾癬は皮膚症状が主体でほかの臓器を侵すことは少なく生命予後もよいが、皮膚だけでなく、関節、眼などに合併症を生じる重篤なタイプもある。
一方で皮膚症状のみの症例でも、日常生活つ、社会生活のうえでは大きな制約を伴っている。
30〜40歳を境にして若年発症(Ⅰ型)と高年発症(Ⅱ型)の2群に大別される。
新生児から乳児期に発症する例もある。
男女比は1.9:1で男性に多く、発症頻度は報告により多少の差はあるが、わが国では0.025〜0.1%と報告されている。
欧米での発症頻度(2〜3%)に比べると、わが国の発症頻度は明らかに低い。
乾癬は尋常性乾癬、滴状乾癬、感染性紅皮症、膿疱性乾癬、関節症性乾癬の5種類に分類され、そのうち尋常性乾癬が約90%を占めるといわれる。
さらに、尋常性乾癬患者の約60%に、手足の爪の表面の白濁、肥厚、点状や線状の凹みなどの爪症状が見られるとされている。
皮膚の乾癬に特有の紅斑、鱗屑などがないため、一見しただけでは乾癬と判断しにくく、爪白癬(水虫)と勘違いする患者も少なくない。
ケブネル現象
乾癬の特徴の1つとして、かゆいところを掻くと、症状がますます悪化してしまいます。
皮膚症状が出ていない部分でも、引っかいたり、傷をつけたりすると、そこに新しく乾癬ができてしまうことがあります。これを「ケブネル現象」といいます。
ケブネル現象は、衣服やメガネ、洗髪するときのこすりすぎなどによっても起きることがあります。
乾癬と心臓病
いまだに乾癬という病気に対する理解の低い私。
人の心臓には血液の逆流を防ぐための4つの弁がついています。その中でも心臓と大動脈をつなぐ、大動脈への出口に当たる部分が大動脈弁です。大動脈弁狭窄とは、本来スムーズに血液が通過できる大動脈への出口が、何らかの理由で狭くなってしまう病態です。出口が狭くなると、そこを通過するのに余計な負荷が心臓にかかってしまい、心不全や失神といった症状を呈します。大動脈が狭くなる原因として、一つは弁の慢性的な炎症というものが挙げられます。著者らは、乾癬が全身に炎症を起こすのであれば、弁に炎症を起こしても何ら不思議ではない、という観点の下、研究をしています。
皮膚病の乾癬と心臓病の大動脈弁狭窄の意外な関係 – MEDLEYニュース
乾癬は皮膚病。
皮膚の新陳代謝のスピードが速くなる、ターンオーバーの時間が短くなる疾患、というイメージ。
しかし、乾癬では関節炎を起こしたり、動脈硬化を起こしたりと全身疾患という側面も併せ持つ。
ターンオーバー時間が短縮されるのは表皮細胞だけじゃなくて血管内皮細胞などでも生じるということなのかな。
血管内の細胞分裂が亢進して、厚くなって狭くなって、大動脈弁狭窄ということなら理解しやすいけど。
TNFαは,免疫や炎症に関係するサイトカインの一種で,生体を防御する上で大切なはたらきをしています.しかし, TNFαが過剰に放出されると,サイトカインのバランスが崩れて病気を起こすようになります.
知る 乾癬 患者さま向け ヒュミラ®情報ネット
乾癬の病巣では,このTNFαが大量に作られており,皮膚の慢性的な炎症引き起こしています。
乾癬ではTNFαが多く作られて、慢性的な炎症を起こして、皮膚炎、関節炎、血管炎を引き起こす。
皮膚、血管、関節。コラーゲンとか関係してそうだけど。
やっぱりよくわからない乾癬。
乾癬は感染する?
乾癬とは皮膚において表皮の新陳代謝が亢進する疾患である。
表皮が新しく生まれ変わるまでに要する期間は通常は約1ヵ月半だが、乾癬の病変部ではわずか約4日に短縮しており、病変部からは鱗屑が剥がれ落ちる。
乾癬は症状により、尋常性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、滴状乾癬に大別され、その9割は尋常性乾癬である。
膿疱性乾癬など重症な場合は命にかかわることもあるため、入院治療が必要となる。
乾癬の明確な原因は不明であるが、原因の一つとしてストレスや食生活などが指摘されており、近年の食の欧米化に伴い、わが国でも乾癬患者は増加している。
乾癬は痒みや痛み以上に、その見た目から、精神的な苦痛を感じる患者も多く、患者のQOLは身体的・精神的に大きく障害されている。
また、欧米では乾癬の罹患数は2~4%ほどであるのに対し、わが国では0.1%と少ないため、認知度も低い。
そのため、カンセンという疾患名から、「感染する、うつる」疾患だと誤解している人が多い。
しかし、乾癬は決して感染する疾患ではない。
遺伝を心配する声も少ないが、日本で遺伝発症する確率は約4%であり、遺伝性が明らかでない疾患でも同程度の確率になるため、過度に心配する必要はない。
乾癬を正しく理解し、過剰な心配や患者に対する偏見を払拭していく必要がある。
参考書籍:日経DI2012.1
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。