2018年8月16日更新.3,303記事.5,449,541文字.

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ステロイドは胃潰瘍の原因にならない?

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ステロイド潰瘍

薬物性の胃潰瘍というと、NSAIDsや低用量アスピリンが挙げられますが、ステロイド潰瘍とも呼ばれるように、ステロイドも胃潰瘍の原因となりうる。と思っていました。
PPIによる消化性潰瘍の再発抑制の適応には、NSAIDsと低用量アスピリンの場合のみにしか適応がなく、ステロイドとの併用療法は適応外となる。

まず、消化性潰瘍診療ガイドラインでは、
「糖質ステロイド投与は、消化性潰瘍発生(再発)のリスクファクターか?」という疑問に対して、「糖質ステロイドは、消化性潰瘍発生のリスクファクターとはならない」と回答されています。

消化性潰瘍は糖質ステロイドのまれな合併症であって、ステロイド治療が適用のときには禁忌と考えるべきではないということです。
確かに、ロキソニンなどのNSAIDsでは消化性潰瘍は禁忌、

消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある。

プレドニンなどのステロイドでは消化性潰瘍は原則禁忌となっているので使用可能です。

消化性潰瘍の患者[肉芽組織増殖抑制作用により,潰瘍治癒(組織修復)が障害されることがある。]

ステロイドの場合は、NSAIDsほど消化性潰瘍に過敏に反応しなくてもよいということだ。

そもそも、NSAIDsは胃壁の防御作用に関与するシクロオキシゲナーゼ1(COX-1)を阻害することで消化性潰瘍の原因となることがわかっているが、ステロイドが消化性潰瘍の原因になる機序は詳しくはわかっていない。

仮説としては、リン脂質にエステル結合したアラキドン酸が遊離する段階で作用するホスホリパーゼA2をステロイドが阻害して胃粘膜のプロスタグランジンが減少する。
そのために胃粘液の分泌が減少して、胃液あるいはペプシンに対する粘膜の抵抗性が弱まって防御作用が弱くなり、そこにステロイドの胃酸分泌促進作用が加わってステロイド性胃潰瘍が発症するという仮説があります。

また、コレステロールであるステロイドホルモンの一部が、通常は尿から排泄されますが、外から投与されたものは、多くは体の中に停滞して酸化コレステロールになって、その酸化コレステロールが微小血流障害と顆粒球の増多を起こして組織を傷害して、ステロイド性胃潰瘍を発症させるという考え方もあるという。

しかし、結局、エビデンスが無いとわかっていても、プレドニン長期に使ってて胃の調子が悪いという人にはPPIとかH2ブロッカー漫然と処方されます。

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