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パブロンの乱用?
公開. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約4分50秒で読めます.
2,200 ビュー. カテゴリ:医薬品乱用の実態
医薬品の依存、乱用といえば麻薬、覚せい剤、睡眠薬や抗不安薬など精神疾患系の薬を思い浮かべる。
最近はベンゾジアゼピン系の濫用について注意喚起がなされ、取扱いが厳しくなっています。
危険ドラッグを含む薬物乱用・依存状況の実態把握と薬物依存症者の社会復帰に向けた支援に関する研究
上記の研究の中で、以下の薬物が乱用されている薬として挙げられている。
「乱用歴のある睡眠薬・抗不安薬一覧」
エチゾラム204、フルニトラゼパム143、トリアゾラム120、ゾルビデム84、ベゲタミン56、ニメタゼパム54、ブロチゾラム34、アルプラゾラム34、プロマゼパム30、ベンザリン17、ジアゼパム17、ロラセパム16、ゾピクロン14、クロナゼパム7、ロフラゼブ酸エチル6、ニトラゼパム6、アモバルビタール5、エスタゾラム5、ロルメタゼパム5、クアゼパム4、ラメルテオン4、ペントバルビタール3、リーゼ3、エスゾピクロン3、クロキサゾラム2、リルマザホン2、チアミラールナトリウム1、トフィソパム1、ハロキサゾラム1、クロルベンゾジアゼポイド1、フェノバルビタール1、ブロムワレリル尿素1、スボレキサント1、チオペンタール1
「乱用歴のある処方・非オピオイド系鎮痛薬」
ロキソニン19、セデス5、SG顆粒4、ボルタレン4、カロナール4、リリカ3、バファリン2、イミグラン1、テルギンG1、ナロン1、ブルフェン1、ペレックス1
「乱用歴のある処方・オピオイド系鎮痛薬」
ペンタゾシン9、ブプレノフィン3、トラマドール3、モルヒネ2、スタドール1、フェンタニル1
「乱用歴のある市販薬」
ブロン(錠・液ともに含む)101、パブロン29、ウット27、ナロンエース15、バファリン11、セデス10、ドリエル9、ベンザブロック8、レスタミン8、イブ7、トニン7、ナロン7、ロキソニン5、ノーシン3、ルル3、イヴ2、ケロリン2、コンタック2、リスロン2、エスタック2、アストフィリン1、アネトン1、イブクイック1、エフストリン1、カイゲン1、カゼリック1、カフェイン1、ケロール1、コーラック1、ジキニン1、トラベルミン1、ノバコデンシロップ1、リコリス1 新ルビカップ1
「乱用歴のあるADHD治療薬」
リタリン30、ベタナミン8、コンサータ3、ストラテラ3、モディオダール3、ヴァイバンス1
「乱用歴のある「その他」の薬物」
「ラッシュ」(亜硝酸エステル類)5、「エアダスター」(代替フロン)2、ガソリン(揮発性溶剤)2、カフェイン(精神刺激薬)2、クロールプロマジン(抗精神病薬)2、サートラリン(抗うつ薬)2、クエチアピン(抗精神病薬)2、ピペリデン(抗パーキンソン病薬)2、ミルナシプラン(抗うつ薬)2、
クロミプラミン(抗うつ薬)1、アヘン(麻薬類)1、アモキサピン(抗うつ薬)1、アリピプラゾール(抗精神病薬)1、ベンラファキシン(抗うつ薬)1、デュロキセチン(抗うつ薬)1、スルピリド(抗うつ薬)1、イミプラミン(抗うつ薬)1、アミトリプチリン(抗うつ薬)1、シルデナフィル(勃起不全治療薬)1、パロキセチン(抗うつ薬)1、フルボキサミン(抗うつ薬)1、フロセミド(利尿剤)1、炭酸リチウム(気分安定化薬)1、リスペリドン(抗精神病薬)1、ミルタザピン(抗うつ薬)1、ジフェンヒドラミン(抗アレルギー薬)1、レボメプロマジン(抗精神病薬)1
処方薬に関しては、医師や薬剤師などが関与して、乱用を未然に防ぐことも可能である。
しかし、市販薬でしかも第二類医薬品であるブロンやパブロンといった薬は、薬剤師や登録販売者が何の関与もせずに販売できるもので、乱用につながりやすい。
ブロン錠に含まれる麻薬成分のリン酸ジヒドロコデインは、1日量30mg含まれており、麻薬として規制されているジヒドロコデインリン酸塩散10%「第一三共」 と同じ使用量である。それ以外にもdl-メチルエフェドリン塩酸塩や無水カフェインといった依存性のある成分も含んでいる。
パブロンにもリン酸ジヒドロコデインが含まれており、1日量は24mgとなる。
咳にはよく効きますが、長引く咳に使っていると止められなくなるかも。
市販薬を2~3日使っても改善しなければ受診すべき?
一般的に市販薬を2~3日飲んでも症状が改善しない場合は受診を勧める、という。
添付文書をみてみよう。
ロキソニンS錠の添付文書には、
「1~2回服用しても症状がよくならない場合(他の疾患の可能性も考えられる)は服用を中止し,この文書を持って医師,歯科医師又は薬剤師に相談して下さい。」
ガスター10は、
「3日間服用しても症状の改善がみられない場合は,服用を止めて,医師又は薬剤師に相談して下さい。」
アンチスタックスは、
「3週間位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください」
アレグラFXは、
「1週間服用しても症状の改善がみられない場合には,医師又は薬剤師に相談してください。また,症状の改善がみられても2週間を超えて服用する場合は,医師又は薬剤師に相談してください。」
パブロンAは、
「5~6回服用しても症状がよくならない場合。」
と書かれている。
気長に様子を見れる疾患と、そうでない疾患がある。
薬を飲んでも症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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