2018年10月23日更新.3,351記事.5,706,842文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
アセチルコリン

アセチルコリンは副交感神経や運動神経の末端から放出され、情報(命令)を伝える役割をしています。
ですから、アセチルコリンは全身のはたらきに関連します。
アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合すると、たとえば骨格筋や心筋、内臓筋の筋線維では、刺激が伝達され筋肉が収縮します。
あるいは副交感神経を刺激すると、脈拍を遅くし、唾液の産生を促す作用があります。
また脳内では記憶や認知機能と関連します。

したがって、アセチルコリンを阻害すれば、副交感神経系の作用を抑えて脈が速くなります。
目の毛様体筋の働きが悪くなり、ものが二重に見えます(複視)。
唾液の分泌が悪くなり、口が渇きます。
認知機能が低下し、物忘れがひどくなります。

これらは副作用のほんの一例に過ぎません。
アセチルコリンは全身にある神経伝達物質であり、しかも抗コリン作用には受容体に対する選択性がほとんどありません。
だからEPSを軽減する目的で投与した抗パ薬は、脳以外の全身のアセチルコリン受容体にも作用し、抗コリン作用を示します。
それで脳とは一見関連がない消化管、眼、心臓などでさまざまな副作用を起こしてしまうのです。