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腸溶錠と制酸剤を併用しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約2分19秒で読めます.
5,521 ビュー. カテゴリ:腸溶錠と胃内pH
腸溶錠とは、胃の酸性(低pH)では溶けずに、腸のアルカリ性(高pH)で溶けるように設計された錠剤です。
ちなみに胃酸のpHは1~1.5で強酸。腸液のpHは8で弱アルカリ性。
そのため、胃酸を中和してしまうような制酸剤や牛乳とはいっしょに飲まないように指示されることがある。
ちなみに食事により胃内pHは4~5になる。
H2ブロッカーやPPIは空腹時の胃内のpHを5~6くらいまで高めるという。
食事やその他の制酸剤では、pHが上昇している時間はそれほど長くないので、影響は少ないと思われる。
で、腸溶錠を見渡してみると、オメプラゾールやパリエットなどの制酸剤がありますが、これは如何に?
自分自身が胃内pHを上昇させて、腸溶錠としての意味を無くしてしまうのではないのか。
これは、オメプラゾール等は胃酸により失活してしまうので腸溶錠となっているが、胃酸分泌が抑えられた後は胃内で腸溶コーティングが剥がれても失活することはなく、腸溶錠としての意味を無くしても問題が無いのだと考えられる。
だとしたら、添付文書には「本剤は腸溶錠であり、服用にあたっては、噛んだり、砕いたりせずに、飲みくだすよう患者に指導すること。」と書かれているが、胃酸分泌が継続して抑えられている状態になれば、粉砕しても問題ないんじゃないかと思ったりする。
ちなみに腸溶錠で添付文書の相互作用に、制酸剤の記載のあるものを見つけられなかったので、それほど大きく影響するものは無いのかなあと勝手に思っている。
バイアスピリンを牛乳で飲んで良いか?
NSAIDsによる胃粘膜への刺激を緩和するために、痛み止めを飲むときに「できれば食後、摂れなければ牛乳でも良いので」と胃粘膜保護を目的として牛乳を一緒に飲むことを勧めることがある。
しかし、同じNSAIDsでもバイアスピリンの場合は腸溶錠であるので注意が必要。
腸溶錠はアルカリ性で溶けてしまうので、牛乳で飲むと胃酸が中和され、薬の挙動に影響を及ぼす可能性がある。
しかしバイアスピリンの場合は、胃酸で効果が減弱するというわけではなく、副作用防止の目的で腸溶錠にしているだけである。
てゆーか、バイアスピリンと胃酸を中和するタケプロンなどのPPIの併用はスタンダードですが。
タケルダなんてのもあるし。
胃酸が中和されれば、成分は溶けだして胃に直接刺激を及ぼす可能性はあるが、胃酸が中和されれば胃酸による胃への刺激は弱まるので、結局胃に対する副作用はどっちのほうがマシなのだろうか。
腸溶錠、腸溶顆粒一覧
MDSコーワ錠
L-ケフラール顆粒
L-ケフレックス顆粒
アザルフィジンEN錠
アデホスコーワ腸溶錠/顆粒
エクセラーゼ配合錠/顆粒/カプセル
エビプロスタット配合錠DB/SG
エリスロマイシン錠200mg「サワイ」
オメプラール錠
カリクレイン錠
カルナクリン錠
ケタスカプセル
サインバルタカプセル
セパミット-R細粒
センノシド錠12mg「フソー」
タケプロンOD錠/カプセル
タフマックE配合カプセル/顆粒
チスタニン糖衣錠
ネキシウムカプセル
バイアスピリン錠
パキシルCR錠
パリエット錠
ピドキサール錠
フトラフール腸溶性顆粒
フラビタン錠
ベリチーム配合顆粒
ユーエフティ配合カプセル/E顆粒
リパクレオン顆粒/カプセル
レグテクト錠
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
OTCの薬剤師ですが、いつも、お客様から聞かれるのですがお薬手帳をもって来られ、「今飲んでいる薬がこれで、飲める風邪薬はどれですか?」の様な質問が非常に多い、調剤薬局では飲み方の指導はありますが、飲んではいけない薬や食べ物などの情報も同時に患者さんに提供できないでしょうか❔
yakuzaicさんが 薬剤師/登録販売士のカテゴリーの中でおっしゃてた様に
OTC薬剤師はレジ打ち、袋ずめ、商品の場所の案内、商品の品出し補充などが
業務が1日の80%以上を占めます、詳しく説明しようとすると人員不足ですぐレジが
混み、いつも慌ただしく接客してしまいます。患者さんにとって必要な情報を伝えきっていない事にいつもジレンマを感じます